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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第79話 おしゃれしてみたい

 ひとつ、忘れていたことがありましたの。



「え? おしゃれ、ですか?」

「はい、お姉様。リデル様の婚約者になったからには……より一層、気を付けた方が良いと思いましたの」



 今もお化粧や髪形を整えていないわけではありませんのよ? メイドの方々に整えてもらっているので、日常生活にはまったく問題がありません。


 そうではなく、その……恋する女として、もっと磨きたいと思いましたの。


 想い合う仲になったとはいえ、いつ何時でもリデル様に素敵なレディと思っていただきたいですもの!!


 お姉様に経緯を伝えたところ、『なるほど』とは言っていただけましたが。



「素晴らしいことですわ!! 自ら意識されるのは良いことだと思います」

「ありがとうございます。でも、どうしたらよいか」



 お衣裳などもすべて、アーストの皆様が用意してくださるので。わざわざ自分から作るなどと言うわけにはいきませんし? 虹染めの服など、恐れ多くて布を拝借することなんて出来ませんもの!! 王族になる覚悟はしておりますが、まだその段階ではありませんから……。



「……では、『作り』ませんか?」

「え? 作る??」

「お衣裳をです。染め以外のお仕事がないわけではありませんので、王族の方々でもご自分で作られるのは珍しくないのですのよ?」

「……まあ」



 そのお話を聞けて、少し意欲が湧いてきましたわ! 裁縫についてはお姉様から直伝で教えていただくことになったので……まずは、布選びから。


 虹染めでない反物たちの数を用意されたときには驚きましたが、せっかくのお衣裳を自分で作れるのなら……と、ここでくじけてはいけません! ただ、どのような色とかデザインがリデル様の好みなのかがわからないのですけれど。



「せっかくですので、殿下の『色』を考えてみられては?」

「色、ですの?」

「相手の色を自分でまとうのも……素敵だと思いませんか?」

「まあ!」



 そんな、そんな素敵なことをわたくしがしても……いいえ、婚約者ですからしてもなんら問題はありませんわ!!


 ですと、薄緑と水色がいいでしょうか。そうなると、デザインは……あら、すんなりと決まっていくのがとても楽しくなってきましたの。



「華美よりも、清楚なものがお好きではなくて?」

「まあ、お姉様。何故おわかりに?」

「色の選別から見て、そうなのではと」

「……派手な方がよろしいでしょうか??」

「いいえ。シンプルに、姫様の美しさを引き立たせる物に致しましょう!! お手伝いいたしますわ!!」

「はい!!」



 そして、型紙を作るところからのスタートでしたが……お姉様に採寸していただいたのですけど、腰の細さにもっと食事を!!と驚かれてしまいましたわ??


次回は水曜日〜

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