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第71話 繭の中の中
『月の北』。
『月の南』。
虚ろえ、揺蕩え。
底の底。
反転した陽は神の下へと届いたのだから。
くるくる、くるくる。
廻れ、廻れ。
相対する陽と月を司る『者』らは繭の中はへと沈んでいる。
穢れを内に、外に。
ただただ、神の下へと近づくために。
それはそれは、また……己のうちに近づくためでもある。
穢れを浄化するひとりの娘よ。
気づくのはまだ早いが、焦って力をつけるのではない。
己が異能が育つのはこれから。穢れを引き抜き、他へ染め抜くのが本懐ではないのだ。
真の意味を知るのは、己の心を休ませてからでもよい。求めあっていた『番』を得たのだから……もう少し、ゆるりと進め。
我らの繭殿の残りは、あと幾晩か虚ろの中へと沈んでいくのがちょうどよい。
次回は金曜日〜




