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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第70話 息子の変わり様(ヴァイス視点)

 まったく、我が息子ながら不器用なところは俺とよく似ていたとは……。



「レイシア姫と心を通じ合えました。正式な婚約者としても、愛する女性を大切にしていきます」



 などと、公式の場で言うくらいだからな? レイシア姫は事実上、ジャディスから孤立してしまった公爵家令嬢としてアーストが引き取ったことになっているが。ユニークスキルを持つ者としても保護する必要があるほど、イリス国にとっては重要な人物に変わりない。


 クロノ様のご意向もまだわからずじまいだが、多くの穢れを聖浄(クリアラ)にて浄化してくれた姫には本当に感謝してもし切れないのだ。


 異物王太子と噂が広まっている、顔だけは俺よりも磨きがかかった息子は穢れを受ける年齢が早かったこともあり、幼い頃から感情を露わにしてこなかったが……あの姫のおかげで、随分と素直になったものだ。



「そうか。では、公式の発表は出来るだけ近いうちに。謁見の間で臣下らの前で盛大にしようじゃないか」

「……あまりごみごみしたのは、彼女の緊張を煽るのでは」

「しかし。それなりにせねば王太子妃になる者としての、示しがつかない」

「……それは、たしかに」

「少し大掛かりにスキルを披露してもらうことになるが。我々の顔も、その時に公表しようと思う」



 実は、レイシア姫が城内に保護した噂はあれど。まだ我々王族の穢れが『抜けた』ことについては公表していない。セレストの方も似た感じにしているのは時期を見合わせてのことだ。姫の裏調査は完了していないが、ほぼほぼ目処らしきものには繋がりかけている。あと少し、次はクロノ様のお言葉を待つだけだが。



(そちらについては……ジャディスの封印を解くかどうかに鍵があるのだろう)



 リデルらには告げていないが、ジャディスの封印はとても大がかりなものになってしまっている。結界どころか、国の『存在がない』ところまで調査で分かっていた。これをリデルに言えば、心労以上に姫のことに心を砕く事態にまで落ちかねない。


 自分たちが穢れを飛ばしたあとのことだから、ほとんどクロノ様の為せる業だとしても……何故、そこまでの封印をほどこしたのかこちらが把握できていない。神殿で呼びかけをおこなってもちっとも応答されないのだ。



「……その前に、残りの繭殿を解放すべきだと?」

「無理ない範囲で姫と頑張りなさい。クロノ様も急ぐ必要はないとおっしゃっていただろう?」

「はい……」



 指摘してやれば、少し大人しくなるようだが。表情は固いままだ。姫に無茶をさせたくない気持ちが出ている証拠だ。幼い頃よりは、だいぶわかりやくすなってこちらとしては安心できるが……本人としては、気落ち以上のなにものでもないだろう。


 とりあえず、冷たい氷が少しずつ溶けていくように、我が子の春が落ち着いたのは喜ばしいことだった。うちうちでパーティーくらいにしてあげれば、姫も気兼ねなく参加してくれるだろうか?

次回は水曜日〜

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