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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第68話 満たされた心

 とても、満たされた気持ちですの。


 リデル様が……わたくしのことを、その、『好き』でいてくださったことが勘違いではなかったことが。


『婚約はあくまで契約』。


 などと、言葉を鵜呑みにしていたのはわたくしだけだったようです。わたくしの気持ちはともかく、リデル様の方はディオスお兄様たちにかなり分かり易くバレてしまっていたようですの。


 ですから、おそらくクロノ様も今回のデート提案をおっしゃったのだろうと。


 わたくし、リデル様が常にお優しいですから……てっきり、そちらが普通だと思っておりましたもの。



「レティにだけだ。尽くしたいと思った女性は」



 キスを堪能されたあと、ぼーっとしかけたわたくしにとても嬉しい言葉を告げてくださいました。


 抱きしめ合ったままでしたが、恥ずかしくて目を逸らしてしまうと頬に軽く口づけられる……甘々な雰囲気に、身も心も蕩けそうで大変ですわ。男女のお付き合いとは、本来こういうものなのでしょうか??


 元婚約者の浮気現場では、悔しいような感情はあったのですが。今振り返っても、ちっとも悔しくありません。リデル様の方がずっとずっと素晴らしく、恋い慕うお相手だからかもしれませんわ。



「そ、そう……でしょうか?」

「……君は自分を卑下しがちだ。俺にとっては宝石と同じかそれ以上に大事にしたいのに」

「あ、ありがとう……ございます」

「ふふ。もっと、俺を欲してくれ」



 さらに、甘々になっていきます。その、男女のお付き合いの先にある行為は、一応教育みたいなのは受けているところですが。


 ここは外。


 誰かが来るかの保障はありませんが!?


 いきなり、外でだなんてありませんよね?!



「えっと……このあと、どうされます??」

「……それは、俺に聞いていいことでもと?」

「え?」

「押さえのない俺の欲情を、ここで露わにしてもいいということなのか?」

「い、いえ!? そこまでは!!?」

「はは。それは冗談だ」



 リデル様。それは冗談にしても心臓に悪いものでしかありませんわ!!



「……解放的に、なっていませんか?」

「君の想いも聞けたし、触れ合えたからな? そこは許してほしい」

「あ、はい……?」

「君からも、俺に触れて構わないんだが?」

「え、そ、その……!?」

「そこは冗談じゃないんだが」

「……今が、限界です」

「これくらいでか?」



 ダメですわ。リデル様の口角が緩んでしまって、眩しいほどの笑顔が全開ですもの!! 


 世のレディは、いずれ旦那様になるとの時間をどのように過ごされているのでしょうか? リーリルお姉様にもっと、お兄様とのことをご教授願えばよかったですわ!!


 しかし、現実は自分でなんとかしなくてはいけませんので……頑張ってみましたが、ハグで精いっぱいでしたわ。自分からキスを強請るなんて高レベルな手法は出来ませんでした……。



「……これくらい、ですの」

「可愛らしいが、俺としてはもっと」



 と、顎に手を添えられ……心ゆくまでキスを再開されたので、腰砕けになってしまいましたのぉ!!?

次回は金曜日〜

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