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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第64話 嬉しさ倍増(リデル視点)

 レティが俺のために、つくってくれた贈り物。リーリルのことだから、これまで虹染めの余りにとストックしていた糸束で組紐を提案したのだろう。


 青から緑へのグラデーションが美しい、ブレスレット型の組紐。


 世辞抜きに、拙いどころか丁寧に編みこまれていてとても美しい。これを……俺のために?


 しかも、自分の分まで揃いのを編むなんて……レティは、本当に。



(初々しい……とても、愛らしくて堪らない!!)



 半ば契約とはいえ、俺なんかと婚約させられたのは『仕事』と思っている節が強い。しかし、それでも周囲の助言を受けつながらも、こんな愛おしく感じる行動をしてくれるなんて……リーリルには感謝してもし切れないが、実際に行動に移すレティにも感謝しなくてはならない。


 とは言え、今は目的地の湖畔までなるべく早駆けで向かっているから話が出来ない。もっとゆっくりと向かえばいいかもしれないが、少し急ぐ理由があるせいだ。


 日頃、養育以外に仕事を頑張ってくれているレティには、是非見せたいものがある。それは決まった刻限にしか見られないので、今だと少し急がないと難しいからだ。



(……しかし、レティはやわらかいな)



 腹に腕を回されているが、懐に縋る感触が男の俺と違うそれに……うっとりしそうで、いくらか気を引き締めないといけなかった。女性と同乗するのはたしかに初めてだが、愛おしいと想っている相手だからこそ……余計に、気になってしまうのかもしれない。


 しかし、ここは馬上。下手に行動を起こしてはレティを落としてしまう危険性がある。それだけは絶対ダメだ。


 耐えるのも兼ねて、馬を走らせるのを優先したのだが。途中休憩すればよかったのかと、あとで思うくらいに夢中で進めていけば……いつもよりも、早めに湖畔への到着となった。レティへ見せたい光景の時刻には、兆しのそれがない。少し、しまったと思ったがまずは馬からゆっくりと下ろしてやることが先だ。



「レティ、手を」

「お、落ち……ませんよね?」

「それなら、俺に抱き着く勢いで飛んでも構わない」

「はい?」

「無理か?」

「……ゆっくりで、お願いしますわ」



 突拍子もない行動を告げたつもりではないが、レティには意外性が強かったらしい。俺自身としてはそんなつもりではなかったが、無理強いはよくないとゆっくりと体に手を添えつつ……豊かな鳩胸には絶対触れないように気を付けて地面へと誘導した。想い人の中でもひときわ目立つそれに触れれば……彼女から嫌われたら、俺は相当ショックを受ける。それくらい、レティが好きだからこそ、ショックを受けるのだ。


 無事に下ろしてから、レティは改めて周囲を確認すると『まあ』と声を上げてくれた。馬上からだとどこがどこだか確認が取れていなかったようだ。



「城から一番近い湖畔だ」

「素敵ですわ! 陽に照らされたところがきらきらしていて……」

「ここの名物は、それだけじゃない」

「なにかありますの?」

「少し時間がかかるが……それまで、座ってやすまないか? 腹が減っているなら早めの弁当もいいが」

「お、お腹は大丈夫ですわ」

「……そうか」



 レティのスキルは魔力と体力を大きく消費するため、腹が減るのも仕方がないと思っている。しかし、俺とのデートを気にして照れるレティも愛らしい。今日は敷布を用意してきたので、二人で広げてから並んで座ることにした。

次回は水曜日〜

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