表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地味な私が本格的な山岳部に入ってわかったこと  作者: 和 弥生
母の知られざる秘密 青春篇
8/25

茜の秘密

茜はそういうと、さっさと書類を加奈子たちに渡した。


「そっか。植田 加奈子。あなたの入部書類もまだ出してないね。じゃぁ、いい機会だわ。

一緒に学部長の所へゆきましょう。私も大学事務局に用事あるし。」



そういうと、茜はしばらく部室の中を見渡しながら、掃除を始めた。


「書類書けた?」


はい。私たち2人は答えた。


なんか緊張する。


「二人はさ、今まで登山とか、あんまりやったことないんでしょ?」


え、なんでばれちゃったんだろう。


「はい、私、加奈子ちゃんが誘ってくれたので、どこでもよくて。それに先輩たちがめちゃかっこよくて。へへへ。」


ちょっと、紀代~。


「やっぱりね。いいよ。私が登山の魅力、教えてあげる。それに、今どき、山岳部とか流行らないしね。みんな山ガールとか言って、ピクニック感覚で山に登るのがファッションになってるし。」


そんな軽いつもりで山岳部に入ったわけじゃないんです。なんか、自分を変えたくて!


「そうなんです!私も大学に入って、地味な私から脱却したくて!」


え?紀代が地味?どこが?しかも、やたら都会的でファッションセンス良くて、コミュニケーション能力高そうなあなたが、地味?


「そうね、二人とも、田舎の匂いするものね。加奈子ちゃんは北関東。紀代ちゃんは、九州?」


そうです!


私たち二人は同時に答えた。なんで、わかったの?


「私さ、去年、一年大学を休学してて、本当は3年生なんだけど、ワーホリでカナダ行ってたんだ。」


ワーホリ?


茜先輩は私の疑問には答えず、自分の話をし始めた。


それによると、茜先輩は、1年生の時に派閥闘争のように分裂した山岳部のメンバーに嫌気がして、

カナダへ行くことを決めたらしい。山に登るのにお金がかかるので、一度働いてお金を貯めなきゃというのも理由だったし、語学力(英語、仏語の習得)もブラッシュアップできそうだったので、1年間限定でワーキングホリデーを選んだらしい。


「それにさ、デナリに登るのが私の夢でさ。カナダは近いからね。」


デナリ???


デナリって何? エナリ?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ