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水没した神社
佐々木加奈がホテルに帰ってきたのは夕方も5時過ぎたころだった。
最近は5時半にもなれば暗くなる。
山の中で歩いていたら、いくら登山豊富な加奈ちゃんだって危ない。
「加奈ちゃん、心配したよ。大丈夫?」
「はい。すいません。ちょっと気にいなる場所があって」
「どこ?」
「伊豆さん神社です。あの源頼朝と北条政子が結ばれた」
「あ、そうなの」
歴史にうとい私は、加奈ちゃんと茜さんは絶対気が合うと思った。
「それと来宮神社です。でも、ここは海に沈んでしまい、移転してたんですよ。でも、鳥居だけは海から出ていますけど。夕日に映えてとても綺麗でした!」
やはり見る観点が違う。
「じゃぁ、まずは食事ね。そして明日は10時に茜さんのいるホテルに行きましょう」
その日の夜は、夕方前に少し寝てしまったせいか、眠れなかった。
そんな時、母の日記をもう一度、読んでみようと思った。
もしかしたら、茜さんのこと、もう少し詳しく書いてある文章に出会えるかもしれない。
私はパソコンを開いた。
あった。
まだ見たことのないフォルダが増えていた。
タイトルもそのまま、「茜さん」
私は震える手で、そのフォルダをクリックした。




