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地味な私が本格的な山岳部に入ってわかったこと  作者: 和 弥生
母の知られざる秘密 青春篇
6/21

新人部員勧誘

私は翌日から新人スカウトの為に、キャンパスのあちこちで勧誘を試みた。


といっても、生来の引っ込み思案。声掛けなんてなかなかできない。


ましてや男子に声掛けは無理!


そんな時、同じゼミになった、山口紀代から声をかけられた。


「ハロー!加奈子ちゃん!ここで逢ったが100年目!何食べてるの~?」


明らかに私とは正反対の性格の女性。誰とでも仲良くできる性格が羨ましい。


あ、まてよ、この人、山岳部に入れちゃおうか?


「あ、山口さん、こんにちわ。今、私は学食のオムライスを食べていますの。」


「何それ?ここは学食だから当たり前でしょ?というかその話し方、変!」


なんだか、波長が合わないと言うか、こっちの調子もおかしくなる、この人といるの。

やっぱやめようかな・・・・。


「ねぇねぇ、もう倶楽部入ったんだ? どこの倶楽部? イケメンいた?」


「いやぁ、イケメンはどうかなぁ~。山に登るクラブなんだけど、実は新人私だけなんだよね。山口さんは?」


「一人?てことは女子一人?もてもてじゃん!」


いや、もてなくてもいいかな。想像すると、ちょっとぞわっと背筋が寒くなる。


「ねぇねぇ、山ガールの所じゃないよね?あそこは女子しかいないしね!ワンダーフォーゲル部?

もしかして!」


どちらも違います。とは言えなかった。こんなド素人がいきなり本格的な山岳部に入りました!


とは言えなかった。


「や、山口さんはどちらののクラブに入ったの?」


「それがさぁ、まだなのよ!どっかイケメンばっかりのクラブないかしら?あ、でもチャラ男系の男子はお断り!私、筋肉フェチだし、渋い男が趣味なのよねぇ~」


それって、なんのクラブでもいいわけか。イケメンさえいれば。


その時、先輩二人が話しながら、学食にやってきた。


「あ、加奈子ちゃん!こんなところにいたの?どう新人みつかった?」


山口紀代がいきなり立ち上がった!


「あ、私、いま、この加奈子から勧誘された山口と申します!今、決めました!

山岳部、入部希望です!」


え~~~~!


驚いたのは私だ。な、なんで?イケメン好きじゃなかったの?


あとで教えてもらったが、紀代は、ファッションとか綺麗な顔は興味なくて、日に焼けた顔やひげ面の顔がいい!好き!と告白してきた。どうも私のイケメンのイメージとはだいぶ違うが、まさに蓼食う虫も好き好きの諺がリアルに沁みてくる。



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