登山の最後はアイスクリームで
二つ目の女神、市寸島比賣命を祀る
「中津宮」へ私たちは歩いた。
「ちなみに、イチキシマヒメは弁財天と習合したので、
この島には弁天様が祀られてるんですよ~」
あ、また西野君のうんちくが始った!
彼によると、恋の行く末を占うことが出来ると言う水琴窟があるとか。
何も書いていないおみくじをこの水琴窟の水に浮かべると、
文字が浮かび上がり、恋の湯末がわかるというのだ。
「加奈子!やってみよう!」
紀代が腕を引っ張る。
「あ、僕はここで待ってます」
西野君はいいとして、
「私もいいわ」
茜さんも興味ないのかな?
「私たちはいくよね?ね?ね?」
「う、うん。」
紀代に強引に腕を引っ張られた。
私たちは200円を払って、文字のないおみくじを握って奥へと歩く。
水琴窟はお堂の左奥にあり、思った以上に小さく、
石の器のような所に、龍の口から水が注ぎこまれていた。
「さぁ、入れるわよ!」
紀代が先に入れた。
浮かび上がった文字は末吉
恋はしばらく待てとでた。
「あー、まだかぁ~」
私は大吉だった。近くにいる人を大事にしなさいと出た。
「部長の事かなぁ?」
紀代がからかう。
まさか、そんなわけないでしょう!
野口さん? いやいやまだ知ってから日が浅い。
西野君は論外
そんなことを考えながら、茜さんが
「もう行くわよ~!」
と声をかけた。
茜さん、こういうのは興味ないのかな?
しばらく歩くと江の島の展望タワーが見えてきた。
2003年に新しくなり、今はろうそくの形のようなので、シーキャンドルと呼ばれている。
低いとはいえ、江の島の頂上ともいえる場所にきて、加奈子達の登山は、ここで一度終了となる。
「二人ともお疲れ様!鎌倉アルプスの半分だったけど、登山した気分になれたでしょう。江の島はそのご褒美。ここからは遊びよ!そして最後の女神さまと龍神様を拝みましょう。」
私たちは三女神の長女を祀る奥津宮おくつみやの前で多紀理比賣命を思いながら、ここまで無事に来たことを感謝した。
その隣にある神社、龍宮わだつみのみやは、屋根の上に大きな竜がこちらを見ており、ちょっと怖かった。なんか岩屋のようでびっくり。
「江の島は龍の島。古代から特別の場所だったみたい」
茜さんのおかげで、登山とは言えないコースだったかもしれないが、歴史に触れあうことが出来て楽しかった。
「あとは下りで、洞穴があるけど今日はやめましょうか。
帰りはボートで帰りましょう!」
「え、ボート?」
ボートで帰るとあっと言う間に来るときの橋に戻れるらしい。
「やったぁ!茜さん、アイスクリーム食べていいですか?」
紀代、めざとい!
確かに美味しそうなアイスクリーム屋さんが目の前にあった。




