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鎌倉を守る心意気!

坂道が終わると道は平坦だった。しかも広い。


西野君がはぁはぁ言って、やっと追い付いてくる。


「茜さん、ここ、どこなんでしょうか?」


不安になったのは紀代だけでなかった。私もだ。


今まで民家があったので、あまり感じなかったが、

まったく廻りをみても家はなく、住んでる人がいないようだ。


観光客もいなく、銭洗い弁天で見た大勢の人たちも、

こっちに来る人はいなかった。


「そうね、ここを歩く人は地元の人くらいね」


茜がそういうと、前から犬の散歩をするやや年をとった女性が歩いてくる。


「こんにちわー」


茜さんが挨拶する。


「こんにちわー」


私たちも続いて会釈する。


地元の人の散歩コースか。


人に会えたことで、なんとなくホッとする。


「まもなくピークよ」茜さんが言うと、急に道が狭くなり、上り坂に。


「ここよ。頂上は」


え?せまい。


海も見えないし、ここ?って思えるほど、何もない。


「あの、茜さん、なんか拍子抜けしちゃいました~」


紀代が汗を拭いながら言う。


「あ、ぼくは知ってるんですけど、ここまで来たのは初めてです!」


汗だくになりながら西野君が言う。


私もなんか思っていたのと違う。


「でもね、ここを守ることが鎌倉を守るということなの。

 見て!眼下を!マンション一つないでしょう!」


確かに言われてみて気が付いた。


眼下を見下ろすと、あるのは一戸建てばかり。


都会にあるようなマンションもなければ、お店もない。


山と木々に囲まれた自然があるのみ。


そして時々、道のほとりには石碑があったりお地蔵さんがあったり。


何かタイムスリップしたかのような気分になる。


千年前も同じ風景をみていた人がいたんろうな。


そう思うと、不思議な感じがした。


「今見てる風景を千年前の人も観ていたのかも」


「ここからは下るのみ!でも気をつけて!下りが一番危ないから!」


茜さんの檄が飛ぶ。


登山の鉄則1

「下りを舐めてはいけない」


西城部長が言ってな。


「いいかぁ!みんな!たとえ低山であっても、下りをなめるな!必ずケガするぞ!家に帰るまでが登山だ!いいか!」


どこかで聞いたセリフだった。


あ、そうか、遠足の時に先生が良く言ってた! はは!




しかし、ここでの下り坂は、私たち初心者にとって、本当にきつかった。



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