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化粧坂切通しの怖い話


大姫のお堂を右手に曲がると、横須賀線の線路の下に出てしばらく歩くと、


急峻な坂道、化粧坂けわいざかが目のまえに見えてくる。


最初の切り通しとは違い、足場が妙に濡れている。


しかも岩でできた階段状の坂道になっていて、足を一歩一歩大きく上げないと、前にすすめない。


「今日、初めての難所ね。頑張ろう!」


茜さんはそう言うと、すいすいあがっていった。


「あ、早い!茜さ~ん!」


私たちは、ここで初めて登山靴の有難さがわかった。


普段の靴なら、とっくに滑ってる。


すると上からキャーキャー言ってるカップルが降りてくる。


「え?パンプス!しかもミニスカート!」


なにあれ?彼氏も軽そうな服装で、うえうえ!っと言いながら降りくる。


彼女はずっと彼氏にしがみついて、みっともないったら、ありゃしない。


「なんか、彼氏とかとあんな恰好で来て、あれじゃ別れるんじゃないの」


紀代が軽蔑のまなざしでつぶやく。


しかし、こっちもあまり余裕ない。


景色を愛でる余裕もなかった。


ただひたすら滑らないように茜さんについてゆく。


山岳部とはいえ、未だに、どこの山も登ってないわけだから、


周りから見た私たちは装備はよくても、へっぴり腰で見っともないかもしれない。


「ついたー!」


茜さんの声が聞こえる。


先に行かれてしまった!が、私たちはまだぼとぼと歩くしかない。


「あと、少しだ!」


紀代と二人で励ましあった。


目の前に大きなクスノキが何本も生えている。


「なんて大きな木」


そこを抜けると、急に視界が広がった。


そこは、公園だった。


「ここが源氏山公園よ!」


茜さんが迎えてくれた。


「源氏山?」


なにか台座の上に武者が座っていた。


「あれは源頼朝よ」


「ぬぬぬ、にっくき頼朝!」


「おいおい、紀代、いつの間にか敵にしてるじゃん!」


私たちは、ここで最初の休憩場所にした。


まだ北鎌倉駅から1時間ほどだったが、足が疲れた。


私はコンビニで買ったサンドイッチをザックから取り出した。


化粧坂けわいざかの切り通しって言うの、今登ってきた坂は」


けわいざか?


化粧坂切通しは、かつて平氏の武将の首実験をするときに、化粧をしたという逸話が残っているので、その名前がついてるようだ。


なんとも薄気味御悪い!


「わー、罰が当たれ!そんなキモイことする奴は!」


紀代がわめく。


「滅んだよ、鎌倉幕府は。この坂に新田義貞が攻めてきて、鎌倉幕府は滅んだ」


「え=!」


私たちは声をあげて驚いた。


罰があたったんだ・・・。




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