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山岳部復帰宣言

部室に戻ると、野口健太郎がいた。

汗をかき、息遣いが激しい。


走ってきたんだろうか?


「まぁ、かけつけ一杯!水だけど!わはは!」


西城先輩が豪快に笑い、野口先輩の背中を叩いた。


「いっつー!西城さん、痛いよ!!」


「悪い、悪い、いや、つい嬉しくて」


さっきまで泣いていた西城さん(なぜ?)


今は、満面笑みの表情を浮かべてる。


「いやぁ、諸君、聞きたまえ! 溝口茜女史は我が明朗大学山岳部に復帰した!

 そして、今日から我々の仲間の一員として同士と呼ばせてもらう!茜同士だ!」


「なんか新選組みたいな?」


 紀代が私にささやく。


同士。私にはまだピンとこなかった。


「あの、先輩、それで茜さんの居所、わかったんですか?」


「わかってない!」


ではなに?その自信満々な態度は?


「実はさっき、メールが来た!茜から!」


おー!


野口さんが声をあげた。


西城さんも茜さんのメアド知らないとか言ってたけど、

なぜ西城さんへ送ってくる?

じつに不思議だけど、この際、ま、いいか。


「植田さん、心配しないで。茜さんはいい人だから。今はちょっととっつきにくいと言うか、神秘的な感じするかもしれないけど、そのうち、君たちとも仲良くなれると思うよ。」


野口先輩が、私の不安げな表情を見て察したか、

優しい声で私たちに話しかけた。


「で、どんな内容なんですか?先輩?」


西城がメールを読み上げる。


「えーっと、私、溝口茜は今日から大学の復学と山岳部の復帰を宣言します!」


それだけ?


「これだけだ!」


なんとも肩透かし。


西城さんが開き直ったように立ち上がる


「よし、飲みに行くぞ!駅前の居酒屋、天竜!へ!

今日は茜の復帰祝いと紀代ちゃんの新人歓迎コンパだ!

いざゆかん!」


またコンパか。

財布が気になるが今日は先輩のおごり。


「加奈子ちゃん、私、コンパ初めて!」


無邪気に喜ぶ紀代。

私も女子が増えてうれしい。


まだ寒さも残る4月半ばの東京。

私はパーカーの袖に腕を通して、紀代と二人、先輩と一緒に居酒屋へと歩いた。


今夜は冷えそうだ。


でも、なんだか自分が大学生になったんだなという実感が、


今日、初めてした。


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