知られざる大学時代の秘密
だだいま~
「お帰り」「お母さん、お帰り~!」
金曜日の午後遅くに私は家に戻った。
2人の子供たちには悪かったが、夕飯は夫に任せていた。
「おばぁちゃんの家、私も生きたかったな!」
小学生の長女がすねた。
「ぼくも~」
まだ幼稚園の長男も言った。
ごめんねぇ。今日はどうしても大事な用事もあったから、
また今度行こうね。おばぁちゃんち。
なんとか拗ねる子供たちを寝かせて、私はお風呂に入った。
頭の中は溝口茜の事ばかりだった。
お風呂から出た後、夫が冷えた缶チューハイを出してくれた
あ、ありがとう。
「お疲れ様。大変だったね。」
何が?
「ほら、相続のこととか、役所とか」
そうね。確かに。でもそれは大したことない。
私の頭の中には、まだ大学1年生の母と、溝口茜のことでいっぱいだった。
「あ、それでさ、君に電話があったんだ。えっと、誰だっけ」
夫は、メモ書きを探した。
「あ、浜松、あ、あかねさん!
え?あかね! ちょっと、あかねさんって、溝口茜さんのことかしら!?
「溝口?いや、浜松だったよ。というか知り合い?なんか、そちらに加奈子さんいますか?って聞くから、あいにくその人は鬼籍に入りましたって言ったら、わかりました。どうもすいませんって言って、切っちゃった。」
やはりそうだ。母の名前を聞いていたあかねさん。茜さんに違いない!
洋子は、寝室に戻り、パソコンから抜いてきたメモリーを自分のパソコンに差し込む。
「もう、寝たら?体に障るぞ!」
そんな夫の声を無視して、私はパソコンに向かった。
今夜中に溝口茜さんのこと少しでも知ろう。
フォルダはの中には、日記と題して、その中に、大学1年~4年と、一年ごとにフォルダが作ってあったが、2年生を最後に書き込みは終わっていた。3年、4年のフォルダの中身は何も入ってなかった。
それと他のフォルダには輪廻転生という名のフォルダがあったのだが、鍵がかけられており、パスワードを入れないと開かないようになっていた。
洋子は手帳の中にそれらしき数字を見つけては入力したが、開かなかった。
誕生日や記念日、関係しそうな数字もいれたが駄目だった。
そもそも、数字がわかっても、英文字とか混ざってたら、わからないんじゃん!
洋子は途方に暮れた。
しかし、気を取り直し、1年生と2年生のフォルダに入っていたテキストを読み始めた。
夫は既に高らかないびきをかいて寝ていた。




