表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/140

見守る国際社会…?

エルヴィス王国とエルダリア王国との再交渉が行われた翌日、その結果が王国内外で大きな話題となった。国際社会はこの進展に対し様々な意見を寄せ、王国の住民たちも隣国への複雑な感情を抱いていた。さらに、エルヴィス王国の国王シラコが近日中に記者会見を開くとの報道が流れ、注目が集まっている。


報道局では、各国からの声明やコメントをまとめ、ニュースとして伝える準備を進めていた。


アルシェン共和国(隣国の隣国)

「再交渉が行われたこと自体は前進だが、エルヴィス王国の提案はまだ不十分だ。我々は引き続き、彼らの誠意ある行動を見守るつもりだ」


ゼントリカ帝国(大国の一つ)

「隣国の態度が変わったのは、経済制裁の効果が出たからだろう。しかし、その背後にある本当の意図には警戒が必要だ。平和を実現するには、さらなる国際的な監視が不可欠だ」


フォルガノス(商業都市国家)

「エルヴィス王国が提示した賠償案は受け入れられる水準だと考える。しかし、分割払いの条件が実現可能かどうかについては疑念が残る」


ヴァルマ連邦(中立国)

「今回の交渉は、対話による平和への道を示す重要な一歩だ。我々は、これを基に各国が協力して解決策を模索することを望む」


各国の意見は多岐にわたるものの、隣国への警戒心が根強いことは共通していた。


俺たちは再び街に出て、王国の住民たちが今回の交渉をどう受け止めているのかを調査することにした。


若い冒険者の男性

「隣国が態度を変えたって言うけど、信じられないよ。俺たちがこうやって日々危険な仕事をしてる間に、向こうはまた裏で何か企んでるんじゃないかって思う」


*年配の女性

「謝罪があったのは良いことだけど、実際に賠償金が支払われるまで安心できないわね。口だけの謝罪なんて何の価値もないもの」


商店街の店主

「もし隣国との関係が改善されるなら、それは経済的にも良いことだと思う。でも、また裏切られたらどうするんだって不安は消えないよ」


市民の間には、隣国に対する根深い不信感が漂っていたが、平和への一縷の望みを語る声も聞かれた。


若い母親

「戦争が終わって平和が続いてくれるなら、それだけでいいんです。子供たちが安心して暮らせる世の中になってほしいですね」


王国のカイバ三世は、今回の交渉について記者会見を開き、現時点での状況を説明した。


「エルヴィス王国からの謝罪と提案があったことは評価すべき前進と考えます。しかし、提案の具体性や実行可能性については、まだ多くの議論が必要です。我が国としては、国際社会と連携しつつ、慎重に対応していく方針です」


さらに、カイバ三世は次のように述べた。

「平和を実現するためには、両国が互いに努力を続ける必要があります。我々は決して感情的に対応せず、冷静かつ公平な態度で問題を解決する所存です」


その冷静な対応は、国内外から高い評価を受けた。


一方、エルヴィス王国の国王シラコが近日中に記者会見を開くとの報道が流れた。


「シラコ国王がどんな内容の会見をするのか注目ですね」とサラが言う。

「謝罪の言葉が出てくるかどうかだな。でも、これまでの態度を考えると期待はできないかも」と俺は肩をすくめた。


セキさんがカメラを片付けながら言った。

「でも、もし今回の会見でまた言い訳ばっかりだったら、国際社会はさらに厳しい態度を取るんじゃないか?」


「その可能性は高いわね」とミカサデスクが頷く。

「隣国が次にどんな動きを見せるのか、それをしっかり報じるのが私たちの役目よ」


夜の「アルダNEWS」では、今回の交渉の余波を特集した。


モリヒナさんが冷静な表情で語る。

「今回の交渉は、平和への一歩を示すものでしたが、その信頼性には依然として疑問が残ります。隣国の国王シラコがどのような声明を発表するのか、今後の展開に注目が集まります」


映像には各国のコメントや市民の声が映し出され、視聴者からも多くの感想が寄せられた。

「隣国が変わろうとしているなら、それを見届けたい」

「シラコ国王の会見が本当に誠意あるものになるのか疑問だ」

「国際社会がこれ以上甘い顔をしないことを願う」


放送後の反省会で、ミカサデスクが静かに言った。

「交渉の結果はまだ暫定的だけど、次の焦点はシラコ国王の会見ね。これが本当の意味で平和を築けるかどうかの鍵になるわ」


「でも、正直期待はできませんよね。また言い訳に終始するんじゃないかって気がします」とサラが苦笑いする。


「まあ、それでも俺たちは記録するだけだ。真実を伝えるのが報道局の役目だろ」と俺は軽く笑った。


隣国との問題は、まだ完全な解決には至っていない。次に何が起こるのか――報道局はその一瞬も見逃さない準備を進めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ