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国際社会の反応…!

エルヴィス王国との交渉が不調に終わった翌日、国際社会は一斉に動き出した。各国の指導者たちが相次いで声明を発表し、隣国の態度を非難するとともに、新たな制裁措置を求める声が高まっていた。


「ついに国際社会も本気になったな」と俺は報道局の会議室で資料を見ながら呟いた。


「でも、これで本当に隣国が態度を改めるんですかね?」とサラが心配そうに尋ねる。

「どうだろうな。隣国は簡単には折れない気がするけど…それでも追い詰められるのは時間の問題だろう」と俺は肩をすくめて答えた。


報道局では、国際的な動向を把握するために、各国の声明を逐一チェックしていた。


アルシェン共和国(隣国の隣国)

「エルヴィス王国が責任を回避し続けるなら、我々は経済制裁を含む厳しい措置を検討する」


ゼントリカ帝国(大国の一つ)

「隣国が平和的解決の意志を示さない以上、軍事的抑止力を強化する必要がある。我々は周辺国との連携を進めるつもりだ」


ヴァルマ連邦(中立国)

「我々は戦争回避を望むが、エルヴィス王国が誠実な対応を見せない限り、国際社会の信用を失うだろう」


さらに、エルヴィス王国と経済的な関係が深い商業都市国家フォルガノスも異例の非難声明を出した。

「我々は隣国との取引を一時停止する決定を下しました。この対応は、彼らが国際社会に対して誠実さを示すまで継続されるでしょう」


俺たちは再び街に出て、市民が隣国への制裁についてどう考えているのかを尋ねた。


「エルヴィス王国にもっと厳しい対応をするべきだと思いますか?」とサラが中年の男性に尋ねると、彼は即答した。

「当然だ。あの国は我々を裏切り、戦争を引き起こした。謝罪も賠償もないなら、それ相応の罰を受けるべきだ」


一方で、若い女性からは少し異なる意見も聞かれた。

「厳しい制裁が必要なのは分かりますけど、それが新たな戦争を引き起こさないか心配です。もっと平和的な方法はないんでしょうか?」


さらに、別の男性はこう語った。

「エルヴィス王国の国民全員が悪いわけじゃない。制裁が一般市民にどんな影響を与えるのかも考えるべきだ」


街録を通じて、市民の間でも賛否両論があることが分かった。


国際社会の動きに対し、エルダリア王国のカイバ三世も記者会見を開き、立場を明確にした。


「我々は引き続き、隣国との平和的な解決を目指す。しかし、エルヴィス王国が誠意を示さない限り、国際社会の一員として適切な措置を講じる準備はできている」


カイバ三世の冷静で力強い発言は、国内外で高く評価された。会見後、報道局ではその内容を編集し、夜のニュースで特集することになった。


夜の放送では、国際社会の動きと市民の声、そしてカイバ三世の会見を交えながら特集を放送した。


モリヒナさんが画面に向かって語る。

「エルヴィス王国の態度に対し、国際社会は厳しい姿勢を示しています。今後の制裁がどのような形で行われるのか、そして隣国がそれにどう対応するのか、注目が集まっています」


映像には各国の声明や市民の声が映し出され、視聴者に多角的な情報が伝えられた。


「国際社会の動き、よくまとめられたと思うわ」とミカサデスクが評価すると、サラが少し安心した表情を浮かべた。

「でも、これで隣国がどう動くかが鍵ですよね。また無駄に時間がかかりそうですけど…」


「焦る必要はないさ。真実を伝えるのが俺たちの役目だ。それが隣国への圧力にもなるんだから」と俺は肩をすくめて言った。


セキさんがカメラを片付けながら言った。

「でもさ、これで隣国が本当に折れなかったら、次はどうなるんだろうな?」


その言葉に、俺たちは一瞬黙り込んだ。問題の解決にはまだ時間がかかりそうだが、国際社会の動きが新たな局面を迎えるのは確実だった。

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