再び・新・森の主討伐戦…!
ギルドによる討伐計画が再び動き出した。
これまでの失敗から得た教訓を活かし、新たな装備と綿密な作戦で挑む今回の挑戦。若手からベテランまで、ギルド全員が一丸となって「新たな森の主」と呼ばれる巨大魔物を討伐するため、森の奥深くへと進んでいく。
俺とサラさん、そしてセキさんもその様子を記録するために同行した。
作戦の要となるのは、三つのチームだ。
攻撃隊: レノンさんが率い、魔物の弱点である腹部を徹底的に狙う。
支援隊: ユウキさんが指揮し、魔物の攻撃から攻撃隊を守りつつ、後方から魔法や矢で援護。
補助隊: タロウさんの指導の下、若手冒険者たちが補助的な役割を担い、補給や回復を担当する。
「全員、自分の役割をしっかりと果たすんだ!」とタロウさんが声を上げると、冒険者たちは力強く頷き、それぞれの位置についた。
森の奥へ進んでいくと、やがて聞き覚えのある低いうなり声が響いてきた。
「来るぞ!」とレノンさんが叫ぶ。
前回と同じように現れたのは、全身を黒い鱗で覆われた巨大な魔物だった。赤い目が鋭く光り、口からは腐食性の液体が滴り落ちている。
「まずは支援隊、注意を引きつけろ!」とユウキさんが指示を飛ばす。
魔物の正面に向かって矢や魔法が放たれ、その動きを牽制する。魔物は大きな咆哮を上げながら攻撃を仕掛けてくるが、支援隊は素早く回避しながら応戦を続けた。
「今だ、攻撃隊、突っ込め!」
レノンさんの号令と共に、攻撃隊が魔物の横腹に向かって一気に接近する。
「鱗の薄い部分を狙え!」とレノンさんが叫ぶ。
冒険者たちはそれぞれの武器で一斉に攻撃を加える。剣や槍が何度も突き立てられ、ついに魔物の硬い鱗に亀裂が走った。
「効いてるぞ、このまま続けろ!」
しかし、魔物も反撃を始めた。腹部を守るように暴れ回り、その酸の攻撃が冒険者たちを襲う。
「補助隊、回復を急げ!」とタロウさんが指示を飛ばす。
若手冒険者たちが負傷した仲間を回復させながら、迅速に補給物資を運んでいた。その姿は頼もしい限りだった。
魔物が再び酸を吐き出そうとしたその瞬間、レノンさんが叫んだ。「今がチャンスだ、全員、一斉攻撃!」
攻撃隊と支援隊が力を合わせ、一斉に魔物の腹部を狙う。
「これで終わりだ!」とレノンさんが渾身の力を込めて剣を振り下ろすと、ついに魔物が大きな咆哮を上げて倒れ込んだ。
「やったか…?」と誰かが呟いたその瞬間、魔物の体が完全に動かなくなった。
「やったぞ!森の主を討伐した!」
冒険者たちは歓声を上げ、お互いの健闘を称え合った。若手冒険者たちも、初めての大規模作戦を成功させた喜びに浸っている様子だった。
「今回の勝利は、全員が力を合わせた結果だ」とタロウさんが語る。「次世代の冒険者たちがこうして活躍してくれたことが、何よりも嬉しい」
「それにしても、見事な連携でしたね」と俺がレノンさんに声をかけると、彼は笑いながら答えた。
「ああ。全員が団結してくれたおかげだ。この力をもっと大きくしていきたいな」
ユウキさんも加わり、「これからも安全を最優先に、ギルドをさらに強くしていこう」と静かに語った。
夜の報道では、討伐の成功を大々的に報じた。
モリヒナさんが進行する。「本日、ギルドが進めた討伐計画が成功し、『新たな森の主』と呼ばれる魔物の脅威が取り除かれました。この結果は、ギルド全体の努力の賜物です」
討伐の様子や冒険者たちの喜びの表情、そしてタロウさんのコメントが流れた。
「次世代の育成、団結、安全確保――すべてがこの討伐計画に反映されていた。これからもギルド全体で街や王国を守るために尽力していく」
放送終了後、俺たちは討伐の余韻を感じながら、次の準備を進めていた。
「森の主を倒したけど、これで終わりってわけじゃないですよね」と俺が言うと、サラさんが頷いた。
「ええ。生態系がどう変わるかや、ギルド全体の成長がこれからどう続くのかが気になるわね」
討伐計画の成功。それはギルドと街全体にとって大きな前進となったが、新たな課題が待ち受けていることも間違いなかった。俺たちはその行方を追い続ける決意を新たにした。