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第二回討伐の準備…!

討伐計画の第一段階が終了し、ギルド全体が得た教訓をもとに、次なる戦いに向けた準備が進められていた。冒険者たちはそれぞれの役割を再確認し、武器や装備の見直しに取り組んでいる。


俺たちは、この準備の様子を取材しつつ、ギルド全体の士気や、新たに練られた作戦の全貌を追うことになった。


ギルド会館では、冒険者たちが次々と装備の調整や、作戦会議に参加していた。若手の冒険者たちがベテランの指導を受けながら剣技を磨く姿や、鍛冶屋が急ピッチで防具を改良している様子が見られる。


「これが、今回導入される耐酸性の防具です」とギルドのスタッフが俺たちに見せてくれたのは、特殊な薬剤でコーティングされた黒光りする鎧だった。


「これなら、あの魔物の酸も少しは防げるのか?」と俺が尋ねると、スタッフは頷いた。


「完全には防ぎきれないが、確実に被害を減らせるはずだ。討伐隊に配備される予定だよ」


その言葉を聞いて、サラさんがメモを取りながら呟いた。


「こういう細かい準備が、次の戦いの鍵になるのね」


その後、俺たちは若手冒険者たちの訓練の様子を取材した。彼らは前回の戦いで得た経験をもとに、さらに技術を磨いていた。


「森の主の動きにどう対応するかを考えながら攻撃を仕掛けろ!」とタロウさんが声をかけると、若手冒険者たちは息を切らしながらも懸命に訓練を続けていた。


「前回の戦いでは、自分の未熟さを痛感しました。でも、次こそは必ず役に立ちます!」と、一人の若手冒険者がカメラに向かって力強く語る。


その姿を見て、タロウさんが微笑みながら言った。「こうして彼らが成長していく姿を見るのは、ギルドマスターとして本当に嬉しい。次世代が育つことが、ギルド全体の未来を支えるんだ」


その日の午後、ギルド会館の会議室では新たな討伐計画を立てるための会議が行われていた。


「前回の戦いでは、魔物の弱点である腹部を十分に狙うことができなかった」とレノンさんが指摘する。「今回は、攻撃隊を少数精鋭で編成し、徹底的に弱点を狙う作戦を立てるべきだ」


「ただし、攻撃隊が孤立しないよう、周囲を固める支援部隊が必要です」とユウキさんが補足する。「森の主の酸の攻撃は広範囲に及ぶから、防御と連携を重視しないと全滅の危険がある」


「その通りだ」とタロウさんが頷く。「さらに、若手冒険者を補助的な役割に配置することで、彼らに経験を積ませると同時に、前線の負担を減らすことができるだろう」


その言葉に、会議室内の冒険者たちが真剣な表情で頷いていた。


会議の最後にはリオ博士も登壇し、魔物の行動についての予測を共有した。


「前回の戦闘データをもとに、森の主の動きをいくつか分析しました」と博士が言いながら、地図を指し示す。「特に注意すべきは、魔物が広範囲の酸攻撃を行うタイミングです。これが確認された場合、すぐに回避行動を取る必要があります」


「では、攻撃の合間にどう接近するかが鍵になるわけですね」とレノンさんが確認すると、博士は頷いた。


「その通り。腹部を狙うためには、魔物の隙を正確に見極める必要があります。そのため、全員が冷静に動くことが重要です」


夜のでは、ギルドの準備の様子や、新たな作戦の概要を特集として報じた。


モリヒナさんが冷静に進行する。「ギルドでは、新たな森の主との戦いに向けた準備が進んでいます。今回の計画には、選挙で掲げられた政策がさらに深く反映されています」


映像では、若手冒険者たちの訓練や、ギルド会館で行われた作戦会議の様子が映し出されている。


「タロウギルドマスターの次世代育成、レノンさんの団結力の強化、ユウキさんの安全対策――これらが一つにまとまり、討伐計画の成功に向けて動き出しています」とサラさんが解説を加える。


放送終了後、俺たちは映像を整理しながら、次の取材準備を進めていた。


「ギルド全体がこれだけ団結しているのを見てると、次の戦いには期待したいですね」と俺が言うと、サラさんが少し微笑みながら答えた。


「ええ。でも、森の主が簡単に倒せる相手じゃないのも確かよ。次が本当に正念場になるわね」


討伐計画は新たな局面を迎えつつある。その行方がどうなるのか、俺たち記者としても見届ける覚悟を新たにしていた。

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