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5人の転生者…?

王宮の地下、記録庫「第二区画」。


ここには王国が"管理"してきた転生者たちの詳細な記録が保管されている。


岩木は前回の調査で、かつて王国の管理下にあった転生者「ナルセ」の記録が抹消されていることを知った。


・ 王国は転生者を管理しているが、一部の転生者は記録ごと消されている。

・ 行方不明になった転生者の調査は行われていない。

・ 現在管理されている転生者はわずか5名のみ。


「……まずは、ナルセさんの足取りを追いたいですね」


岩木がそう言ったとき、シラユ隊長が記録庫の奥からもう一冊のファイルを取り出した。


「その前に、これを見たほうがいいかもしれん」


「これは……?」


『王国管理下の転生者に関する現状報告』


その表紙には、王国の現役転生者5名についての最新情報が記されていた。


王国に管理されている5人の転生者


「……つまり、王国は今も"管理対象の転生者"を把握している?」


岩木は慎重にファイルを開き、5人の転生者についての情報を確認した。


・ 1人目:コマツ(男)

年齢:推定40代

転生時期:20年以上前

役職:王宮直属の軍事顧問

特徴:剣術に秀で、"転生者"としての能力は不明


・ 2人目:あやさ(女)

年齢:推定30代

転生時期:15年前

役職:王国の研究機関所属

特徴:魔法研究を行っている


・ 3人目:トミタ(男)

年齢:推定50代

転生時期:30年以上前

役職:王国の行政官

特徴:経済政策に関わる重要な立場


・ 4人目:ヤマダ(男)

年齢:推定20代

転生時期:10年前

役職:王国の辺境領主の補佐官

特徴:"記憶の一部が欠損"していると記録あり


・ 5人目:なつみ(女)

年齢:推定20代

転生時期:5年前

役職:王宮付きの侍女

特徴:"転生の事実を自覚していない"と記録あり

なぜ転生者は全員王国で働いているのか?


「……でも、これおかしくないですか?」


岩木はリストを見ながら、ふと疑問を抱いた。


「全員、王国の組織に所属してる……つまり、転生者は"必ず王国で働いている"ってことですよね?」


「確かに……」


シラユ隊長も険しい表情になる。


「普通なら、転生者の中には"一般市民"として暮らしている者もいるはずだ。しかし、リストに載っている5人は、全員"王国の機関に所属している"」


「転生者は、民間では生きていけないとでも?」


「それとも……王国が"そうなるように仕向けている"のか?」


岩木は、さらに記録を読み進めた。


・ 転生者は王国の制度によって"適切な職に就くよう指導される"

・ 転生者の大半は、王国の組織に組み込まれるよう設計されている

・ 王国の方針:"転生者が王国に貢献できるよう、環境を整えることが必要"


「……つまり、転生者は"王国の一部として生きることを強制される"ってこと?」


「自由に生きる道は、最初から用意されていないのかもしれんな」


なぜ5人の調査がナルセの手がかりになるのか?


「でも、隊長……俺は"ナルセさんの行方"を追うつもりだったんです」


「だからこそ、まずは"この5人の転生者"に話を聞くべきだ」


「どういうことですか?」


シラユ隊長はファイルを指で叩きながら言った。


「王国は"転生者を管理している"。しかし、行方不明になった転生者たちはすべて記録から消されている。」


「……それは、"管理から外れた転生者"は、記録を残さないってこと?」


「そう考えるのが妥当だ。ならば、"今も管理されている転生者"に直接話を聞けば、"管理から外れた転生者がどうなったのか"が分かるかもしれない」


岩木は納得した。


「なるほど……つまり、まずは"今も王国にいる転生者"を取材し、そこから"消えた転生者"の情報を得る……」


「そうだ。そして、"消えた転生者"の中にナルセがいる可能性は高い」


岩木は深く頷いた。


(……つまり、ナルセさんを探すためには、まず"生き残っている転生者"に話を聞くしかないってことか)


「分かりました。まずはこの5人に取材してみます」

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