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計算機科学

通貨はアナログなのかについて夜眠れないので考えた!(51)

●通貨はアナログなのかについて夜眠れないので考えた!(51)


 ***


 デジタル通貨とか。何となくこの数年、言及されることが増えてきた気がします。個人の印象です。


 それで、デジタル通貨の記事だったと思うのですが、既存の通貨は「アナログ」だと言及されているのを見かけました。


 検索すると、現金で支払うことをアナログ決済だと言う人や、デジタル派が増えてきたけど私はアナログ派よとか、小口現金管理はアナログ作業で〜、といったブログも見つかります。


 よくある話ですが、紙の領収書の束を渡されて3月15日までに経費の集計をしなければとか(むう?)。そう言った面倒と言うか、煩雑と思われる作業を無くせるのは賛成です。


 でも既存の(現金)通貨はアナログなのでしょうか。デジタル通貨ではない通貨ならアナログだろ?という程度の考えなのかも知れませんが、アナログとデジタルに拘るからには、これに言及しなければ!


 そんな感じで、今回は通貨について考えて見ました。


 ***


 例えばお金。原子番号79の元素のキンのことではなくて、いわゆるお金おかねのことです。


 硬貨と貨幣、それに紙幣、よく似ている言葉がありますけど正確にはどういう意味? 通貨とか現金という言い方もしますね。ちょっと記憶が曖昧あいまいなので復習してみます。


 まず一番の上位概念は「貨幣」です。昔は石とか貝とか。次で米や塩。加賀100石とか言いますね。あと金銀などか。現在になっては通貨のことです。貨幣は尺度・交換・貯蔵の3機能を持ち、...まぁ難しい定義は省略して、一般的に買い物とかで使われて流通するようになったものですね。


 通貨には「現金通貨」と「預金通貨」があります。中学の公民で出て来ましたね。でも預金通貨なんて!覚えてなかったです。


 現金通貨とは、「銀行券(紙幣)」と「補助貨幣(硬貨)」のことです。紙幣は日本銀行で、硬貨は日本政府が発行します。紙幣の製造は国立印刷局。硬貨は造幣局。どちらも独立行政法人ですって。


 預金通貨とは、「普通預金」や「当座預金」等のいつでも払い戻すことができる、要求払預金のことです。銀行振込や口座引落は一番手堅い印象です。これらが無かったら毎月が大変!


 ***


 例えば通貨。ここでは現金通貨のことです。日本円なら紙幣と硬貨があります。


 紙幣は、千円札、5千円札、1万円札かな。2千円札もあるというべきか。5百円札とか、百円札や1円札も見たことあるよ。


 硬貨は、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉だ。記念硬貨は除く。


 日本の10円玉です。昭和から平成になるときの硬貨がありました。昭和64年って短かったのです。

挿絵(By みてみん)


 **


 財布の中に紙幣や硬貨が何枚あるかって、誰でも数えられるよね。数えるならデジタルですよね。


 誰でもって、...普通の人は数えられるというか、数えられる程度しか持っていないと言うべきか。


 花粉のように1万個を目視で数えるなら「なんてアナログ!」という心の叫びを何気ない記事にして露呈するのは、とっても許容したいことです。誤用だと思うけれど。花粉の話は本シリーズの(2)を参照してね。

 私だって1万枚の1万円札を前にして「数えられないよ!なんてアナログ!」と叫んてみたいものです。


 実際には帯封といって、100枚毎に紙テープでまとめて小束にして、更に小束を10個まとめて大束にしてあります。大束の厚さは10cmくらいかな。


 1万枚といっても大束が10個なので銀行員さんなら余裕で数えられるようになっています。窓口で1億円を引出すときでも大丈夫です。そんな預金残高は無いので無理なことを除いてね。


 **


 念のためですが。帯封があっても1枚も抜かれていないことを保証するものではないことにご注意下さい。とくに銀行の窓口以外で現金を受けとるときね。


 小束から1枚抜くのは可能です。


 日本の銀行ならズルをすることは無さそうに思いますけど、心配な方は受け取ったときに銀行員さんの目の前で枚数を数えるのが良いと思います。家に戻ってから数えて万一のことがあったら困りますからね。


 私? ATMでお金を引き出したときは必ず枚数を確かめますね。一瞬で数えられるし。


 **


 銀行の窓口に行って預金すると、最近は窓口に行かないけど、ちょっと前の話ね、数枚の紙幣でも機械で数えてますね。


 あれって偽札のチェックをしているのかな? 日本で生まれ育つと全く実感がないのですが、欧米とか大陸方面とかだと偽札チェックは普通に必要だからあるらしいです。


 市販の紙幣計測器を探してみると、1000枚/分といった性能の表示があるので枚数を数えているようです。硬貨も金種別に分類しつつ枚数を数えるようです。20枚/秒とか450枚/分とかの機器を見つけました。


 手動でも自動でも、数えているなら第1仮説によりデジタルですね。まあ、通貨がアナログっていうのは深く考えなくても誤用ですね。


 ***


 通貨にアナログな要素がないか探して見ました。


 そしたらですね、重さで枚数を量っている機器を見つけました! おー!


 1円玉が1gなのは良く知られていますよね。他の硬貨も重さは決まっています。だから硬貨の金種を仕分けて重さを量れば割り算で枚数が分かるのです。


 ゴミの付着や摩耗などによる誤差を考慮する必要がありますが、実際に1円玉を量ってみると、手元にあった数十枚程のことですけど、枚数と重さが一致しますね。


 ***


 つまり、通貨はアナログで〜!と言っている方は、重さで硬貨の枚数を把握しているのでしょう。あははは。


 そう言えば、冒険者ギルドで報酬をもらうときは、金貨などを革袋に入れて渡してくれるのですが、ベテランなら持ってみた感じで枚数が分かるそうですね。


 さすがベテラン! ベテランなら硬貨はアナログだろ! と言って差し支えないです!


 ***


 おおっと楽しくなって1円玉を集めてみました。777gと表示されました。

挿絵(By みてみん)


 本当に777枚あるのか数えてみました!

挿絵(By みてみん)


 結果、770枚と4枚でした、...。誤差1%以内だし、まぁそんなものだよね。


 ***


 硬貨の金種を仕分けしないで重さだけで金額を求めることは可能でしょうか?


 答えは、枚数の上限を設定すれば可能です。上限がない場合でも、ちょっと無理をすれば不可能ではないかな。


 上限がある場合、金種を1円と10円の2種として、1円を 1.001g、10円を 1.000001g にするのです。各金種が1000枚未満なら重さから各金種の枚数が分かりますね(誤差は無いものとする)。


 上限がない場合、えーとですね、1円を1g、10円を10gにするのです。500円は500gです。金種がある意味がないです。


 ***


 重さをそのまま金額にすればアナログな通貨ができますね!


 1gのキンを1万円としましょう。今の時価は1万1千円を超えてるけど。丁度1万円だったのは2023年8月頃。


 1gの金を叩いて伸ばすと1㎡くらいの金箔になるそうです。厚さは0.1μmだとか。凄いですね。


 この金箔を10cm角で切り取れば、1枚が100円です。1cm角なら1円です。なんなら1銭とかを切り出すことも可能です。


 1円分の金箔は1万分の1gなので、0.1mgです。これだと扱い難いので台紙を付けるのかな。純金(24金)である必要はないから適当に合金にしてもよいかな。


 金を通貨にして、このように扱うならば本当の意味でアナログな通貨と言えましょう。


 アナログな通貨はお釣りなどを気にしないで任意の金額を支払えます。逆に正確に123円とかを支払うのは苦労しそうです。だから実際に使われたのは、金貨や銀貨、銅貨ですよ。


 通貨はデジタルでないと不便です。


 *** 感想欄も見てみて! ***


 金貨の重さと言えば。


 「金貨が13枚あって、うち1枚が偽金貨です。偽金貨は重さが違います。天秤を3回使って偽金貨を特定して下さい」って。


 「金貨が14枚あると3回では無理って証明できるかな?」とかも。


 良く考えれば分かるけど、とっても難しかった。これ知らない人はググらないで自分で考えてみてね! 良く考えれば分かるから!


 ***


 余談になりますが。


 印刷技術と、印刷物の分析技術には精度の差がありそう。分析は電子顕微鏡までを持ち出せば原子や分子単位まで観察できるのに対して、印刷時の精度はもっと荒い、というかインクの位置は結構ずれる。


 日本の紙幣と欧米の紙幣を顕微鏡で見て比べてみれば分かりますが、直線になるべき部分が綺麗な直線になっているか、凸凹しているかの違いがあったりします。でも、これを以て偽造への耐性を述べることはできないと思うのです。


 本物は直線でニセモノは凸凹していて一目瞭然だと思うかも知れません。でも偽造のプロなら、直線だと分っていれば限りなく直線に見えるように務めると思うのです。結果、本物と区別が難しいニセモノが出来上がるでしょう。


 一方、一見して凸凹している場合。しかも1枚ごとに凸凹のパターンが違う場合。偽造のプロはどうしたらよいか、分かるでしょうか。凸凹のパターンは実は暗号文かも知れません。そうでなくても凸凹パターンはデータベースに記録されていてニセモノを判別可能かも知れません。レジなどでリアルタイムに判別できなくても、警察経由などで照会されたときに最終的に判別できれば犯罪捜査に乗り出せます。


 印刷と分析の精度の違いを利用すれば、複製困難な紙幣ないし偽造防止システムを作れないかな。印刷局さん、どうですか?


 ***


 人が目分量で目盛をよむことと、目視で数を数えることは、アナログかデジタルかという点で異なる意味を持つものでしょうか。これはまだ答えが見つかりません。


 ***


 間違いの指摘とか疑問とか、ご意見・ご感想とかありましたら、どうぞ感想欄に!


 ***


2024.3.26 僅かな推敲。内容の変更はありません。

2024.4.3 微少な加筆。感想欄で「ナマコ銀」のコメントを頂きました!

2024.4.7 マイクロな加筆。内容の変更はありません。

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― 新着の感想 ―
[一言] ナマコ銀とかは、まさにアナログ通貨ではないですか。 昔、銀の延べ棒は、適当に刃物で切って重さを調整して支払したとか聞いたことが…
[一言] SFやひと昔前のデジタル通貨構想で大容量のコンピューターが必要だと想定されtのは、一円毎に処理された店の履歴を1000件(仮定)残すというものでした。 これをするとお金の流れが完璧に把握でき…
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