表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天の先に  作者: 真
第1章
8/21

白乱の花火

 他人は禍々しいエネルギー弾を放ち、皆無は壊を放つ。両者の攻撃は空中で散り、風圧だけが押しかかる。

 他人は皆無に急接近し右腕を横に振りかざすが、皆無は左腕で受け止め、逆の手で他人の頬を殴り飛ばす。

 他人が飛んでいった方向に、またもや皆無は魂を放つ。


「壊!」


 その瞬間、その場の瓦礫は全て粉々になり、他人はビルの柱に衝突する。


(こいつ、強い)


 他人は皆無を見誤っていたことに気づく。


「おいおい、さっきまでの威勢はどこ言ったんだ」


 そう言って、皆無は他人がいるビルに入る。


「少し油断しただけだ」


 他人は球体を四つ作り、皆無に向けて投げる。その動きと同時に皆無は他人との距離を詰める。

 皆無は球体を全て避け、近づいて来る他人を天に蹴り飛ばす。十階建てのビルを突き破り、他人は空中に放り投げられる。

 そこにまたもや皆無は解き放つ。ビルの上では花火のような白い閃光が打ち上がる。

 他人は別のビルの屋上に着地する。

 皆無は穴の空いたビルの屋上に立つ。


「もうそろそろ限界なんじゃない」


 皆無は余裕そうに話しかける。


「人間如きに負けはしない」


 他人は皆無から目を逸らさずに構える。


「強がるのもいいけど、現実を見な」


 その皆無の言葉に他人は顔を曇らせる。


「現実か。オマエら人間に悪魔の何がわかる」


「そんなもの分かりたくないね」


 顔の色つきが変わったのは他人だけでなく皆無もだった。


「俺は天敵だ。悪魔じゃない。見せてやるよ。今から起きることが現実だ」


 他人は雄叫びをあげて、大きな球体を三つ作る。

 皆無は他人に近づき、拳を三連発打ち込むが、他人はそれを全て受け止め、蹴りを皆無の腹に入れる。

 皆無は蹴りを避けようと少し後ろに下がったおかげでダメージを減少させるが、勢いで体が吹き飛ばされる。

 そこにすかさず他人は球体二つをぶち込む。

 皆無は反射的に壊を放ち、他人の攻撃をもろに喰らうのは避けたが、風圧で飛ばされる。

 ビル一つが崩壊するほどの威力だが、皆無は何事もなかったかのように地面に降り立つ。

 そして、他人はもう一つの球体を皆無に向けて放つ。

 皆無は右手に魂の原形を作ったまま、その球体目掛けて突っ込む。

 皆無が動き出したと同時に球体が割れ、皆無の手は他人の手を掴む。

 他人は皆無の力によって大道路の中央に投げ飛ばされる。

 皆無は大きな声で叫ぶ。


「オマエら飛べ、死ぬぞ」


 零たち三人は危険を本能的に察知して咄嗟の判断で空中を飛ぶ。

 皆無はビルから飛び、他人の真上三十メートルほどで掌に魂を練り上げる。皆無は掌を握りしめ、一気に急降下する。皆無の掌にあった魂は地面と接触すると同時に爆発する。

 地面は広範囲で激しく割れ、まるでここが震央地のような様になる。


「チッ、逃げられた」


 地中には空洞になっている場所があり、そこから逃げた。

 皆無は深追いするのも危険と判断し、零たちに指示を出す。


「オマエら、ここの悪魔をできるだけ落とす。余力はあるな!」


 そう言って、増援が来るまで四班全員が死力を尽くして戦う。

 零たち三人はこの戦いにより、まだ弱者であるということに気付かされる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ