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天の先に  作者: 真
第1章
24/26

結ぶ閃光

「そんなもんか、天敵」


 影月の体は枝に絡まり、身動きがとれない状態になる。


「天敵を舐めるなよ。こんなもんじゃ死なねぇからな」


 枝に絡まった影月は徐々に地へと沈んでいく。


「まあ、そこで静かにしといてくれ。後のお仲間を掴まれてくるからよ」


「気をつけな。俺の仲間はオマエより強いぞ」


「人間から忠告かよ。初めてだぜ」


 影月は完全に見えなくなり、地中へと埋まる。

 零は館の中から見えた景色の場所へと辿り着くが、先ほどまでの荒々しい雰囲気はなく、静まり返っていた。零はより一層警戒心を強める。

 その零の背後から怪しげな影が近づく。零は背後からの影に察して炎を放出する。


「勘がいいね、君」


 森の中から悪魔が現れる。

 零は悪魔から目を離さない。


「君だな。零と言う天敵は?」


 零は息を呑む。


(何故、俺の名前を知っている?)


「オマエ、どうやってここに入って来た?」


 悪魔はハッハッハハと嘲笑う。


「そんな細かいこと気にするな。それより、君の仲間を一人捕まえた」


(影月か)


「どこにいる?」


 零は目を鋭く尖らせる。


「教えて何になる?」


 悪魔はまたも余裕そうな口調で零にふっかける。


「助ける」


「余裕かよ。もう少し俺に興味持てよ」


 零は冷めた目で「どけよ」と一言放ち、前に立ちはだかる悪魔に炎を吹き付ける。

 悪魔はそれに対して手を枝に変えて網のように張って防御する。だが、炎は枝を焼き尽くして悪魔に迫る。


「残念だったな。俺とオマエでは相性が最悪のようだ」


 悪魔は炎にかからないように逃げるが、零は逃げ道を切るため氷壁を立てる。そして、再び炎で悪魔を追いかける。

 悪魔は一本の木のエネルギーを吸い取り、地面に手を置く。すると、広範囲から木の根が地中から飛び出してくる。零は氷結を放って対抗する。お互い距離が離れて場所が不明となる。


(どうやってあいつを倒す。炎があると言うことが知られた以上、迂闊には近づけさしてはくれないだろ)


 考えていると零の脳にある波が届く。


(そこにいるのか。ふっ、いいぜ。一泡吹かせてやるか)


 悪魔は零を探していると、近くで爆発音が聞こえる。その方向を見ると零が空中を飛び舞っている。


「来いよ、悪魔!」


 悪魔は零の挑発に乗り、地面から根を伸ばす。


「そこか」


 零は攻撃したところから悪魔の位置を特定して一気に急降下する。悪魔のすぐ側で炎の大爆破が起きる。

 悪魔は爆風で後ろに飛ばされる。悪魔は木からエネルギーを吸い取る。


(また、あれか)


 零は広範囲に放出する先ほどの攻撃と予想して一歩下がったが、悪魔はエネルギーを腕の硬質に使い、零を殴り飛ばす。


「リグナムバイタ!」


 零は空中で受け身が取れずに頭から血を流す。


「だめだろ、油断しちゃ」


 悪魔は遠くに飛ばされた零の方へと近づく。すると、零が不気味に話し始める。


「ありがとよ。その位置に立ってくれてよ」


 零は悪魔の足を凍らせる。


「今更こんな小細工、意味ねぇだろ」


悪魔は地面から根を突き伸ばす。それを零は華麗に舞って避ける。


「それはどうかな」


 零は両手から電気を走らせる。


(これぐらいの量なら可能)


「そのぐらいの電気じゃ、俺の樹皮は通さないぜ」


 悪魔は高を括る。


(この位置、この一線、いくぜ。影月!)


「「閃光I.C.!」」


 一筋の光が悪魔を貫く。


「残念だったな。確かに俺だけなら、お前の樹皮を貫くことはできなかっただろうな」


「クソが」


 『閃光I.C.』それは影月の電気と零の電気を一直線に結び、その間にいる生物に反応して電気が流れると言う攻撃だ。だが、生物は木も含まれるため、零は木に触れない位置を適格に見抜き攻撃をしたのだ。

 その攻撃を喰らった悪魔は電気が身体中に巡り、麻痺する。そこを零は炎の拳でトドメを刺す。悪魔の体は次第に崩れていく。


「これで終了っと、影月を探さねぇと」


 零は戦闘を終えて、集中力を払い落とす。零は影月を見つけるため森へと入ろうとする。だが、その背後から不気味な手を叩く音が聞こえる。


「すごいよ君は」


 零は声の聞こえる方を振り向こうしたが、何かの拍子に吹き飛ばされる。


「まさか、こんなにも速く分身を倒してしまうとは」


(分身だと)


 そこにいたのは先ほど倒したはずの悪魔だった

 悪魔は枝を四方八方に伸ばす。零は火力を上げて立ち向かうが、枝は燃えず押し寄せてくる。零は無数の枝と壁に挟まれる。


「オマエの目的はなんだ?」


 零は抵抗を止めることなく、赤く燃えた拳で枝を掴む。


「目的かー。それは、天敵三人を回収することだ」


 零は察する。


「上に誰がいる」


「言うわけがないだろ」


 悪魔の舐めた態度は何一つとして変わらない。


「何故オマエらは人を殺す」


「じゃあ聞くが、何故オマエらは自然を壊す」


「関係ねぇだろ」


「大有りだよ。自然界にも命はある。木だって生きてんだよ。それをなんだ。土地を増やすため伐採する。オマエらも命を何だと思ってる」


 零は顔を暗くさせる。


「おいおい、黙っちゃったら答えが聞こえないじゃないか」


「だから何だ?」


 零は悪魔を殺気だった目で睨みつける。


「人間の命の重さ、舐めるなよ」


 その目に悪魔は少し恐怖を感じる。


「まあ、いい。もう一人をさっさと捕まえて撤収する。本当はオマエらなんか容易く殺すことができるんだからな」


 悪魔は零を脅すように注意を促す。だが、零は気にすることなく、逆に悪魔に注意を促す。


「気をつけた方がいいぜ。もう一人はオマエを殺すことができる人材だ」


「また人間に注意をされるとは、どうも」


 悪魔は零を崖に埋めようと押し込もうとした瞬間、空から烏野ような黒い影が零と悪魔の間を割って突っ込んでくる。零を押さえつけていた枝は千切れて、零は脱出する。烏野のような黒い影の正体は戦闘体制を取ったるなだった。


「影月は?」


「この近くの地中にいます」


「なら、頼んだぞ」


「五分で戻ります。絶対に死なないでください」


 そう言って、零は影月を探しに行く。


「後輩に心配されるとは少し落ちたかな?」


 るなは悪魔に指を指す。


「オマエだな。村で勝手に暴れてる奴は。堕ちて償え」

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