表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/136

チートでイキる

小太りおじさんからモテるコツを教わった俺達は、ラーメン屋の様にタオルを巻いて腕組をするようになった。

これが意外に好評で驚いている。


認めたくはない事だが、目深にタオルを巻いた事により露出する顔面面積減り、すなわち総ブサメン面積が減った事により女子からの好感度が上がったということだ。

また、強く腕を組むことにより、腕が逞しく筋肉質に見える副産物も得た。

何を言ってるのか分からないかも知れないが、俺はちゃんと【心を読んで】統計を取った上でこの結論に至っている。

もう深くは考えまい。

【心を読みながら】トライアンドエラーを繰り返し、結果として好評なムーブだけを繰り返す。

俺みたいな平均以下の男がモテるには、こういう努力が必要になってくるのだ。


そして、ななな何と!

バランギル工房の制服を買いに行った時に出逢った女子達とは続いている。

向こうから2度も遊びに来てくれたので、愛想ではないのだろう。

工業区の遊びスポットも教えて貰って、結構いいペースで一緒に飲み会をさせて貰ってる。

まだ恋人とかそういう関係では無いのだが、生活に女っ気が生まれた事で仕事にハリが出来た。

《女の前でいい恰好をしたい》というのは、やはり男のモチベーションを刺激するのだろう。

俺達4人はより意欲的に仕事に取り組むことになった。

5人娘の中ではアリサちゃんという子が一番可愛くて巨乳なのだが、その子はラルフ君に譲る流れになった。

別に人格者を気取る訳じゃないのだが、単身この街にやって来たラルフ君に少しでも楽しい思いをして欲しかったからだ。

俺のアシストもラルフ君は察してくれたらしく、5人娘絡みの話題になる度に「スイマセン」と恐縮してくる。

まだ16なのにしっかりした男だと思う。

俺はラルフ=ラスキンを尊敬している。



何はともあれ、少しでも女の前でいい格好をしたいので、少しカネを掛けてビルの外塗装も綺麗にしてしまった。

『無駄遣いかな~』

とも思わなくもないが、いざ施工後の工房ビルを眺めると新築みたいでえらく立派に感じる。

隣の冒険者ギルドよりも美麗になってしまったのはご愛敬だ。

内心想定していた事だが、この綺麗になったビルは女受けが良い。


俺もかなり綿密にビルの前を通る女の【心を読んだ】のだが、かなり好意的な感触を得ている。

少なくともビルが綺麗な事に反発を持っている女は居なかった。

(年配の男性には僅かに反感があった。)


今の俺達はかなり色気づいているのか、女受けのことばかり考えてる。

(それだけ商売が順調である証拠なのだろう)

特に、工房外に持ち出す荷車は機能的で格好いいものを特注した。

俺とラルフ君がこの荷車を押していると、話し掛けて来る人・チラ見してくる人が多く誇らしい気持ちになった。

バランは親方の癖にこの荷車を押したがったが、流石に師匠にそんな雑用をさせる訳にはいかないので断念して貰った。

(荷車押しなんて新弟子の仕事である。)


最初、目立つ為にこの荷車を作ったのだが、想定外に営業効果がある。

業務への問い合わせが出はじめた。

おかげで、バランやドランは工房での商談が増えた。

つまり、より客を選べる状態になっているのだ。


もう解体料を取っての解体代行業務は行っていない。

必要な高付加価値魔物のみを買い取り、解体は内々に行っている。

レアモンスター・ベア・スネーク系・トード系・オックス系。

それだけを買い取っている。

冒険者達は、冒険者ギルドとバランギル工房の相場表を見比べながら有利な方に販売するようになった。

ラルフ君はトード系の解体がかなり上達した。

最近ではトードをラルフ君に任せて、バランはその他に専念するようになった。

俺とドランはプライベートブランドの携帯食を取り扱えるか否かの調査中。

色々試作してオリジナル味を確立しつつある。

この前などは試食会と称して例の5人娘を工房に呼びつけて大いに盛り上がった。



「随分活気が出て来ましたのね。」



珍しくベスおばさんが夕食の席(呼んでない)に着いた。

食料が勝手に持ち出されていたので、生存は確認出来ていたが、ちゃんと顔を見るのは久しぶりである。

ずっと引き籠っていた癖に顔色が良い。



『我々も大所帯になって来たので、ビジネスを効率化することにしました。』



そうなのだ。

誰かさんが居座っているので、その喰い扶持も稼ぐ必要がある。



「貴方達のおかげで研究が捗ったわ。

2本並行して論文を完成させられる程にね。」



『あ、そうですか。

それは良かったですね。

それじゃあ、そろそろ。』



「そうね、私もそろそろ。」



「「「『…ホッ。』」」」



「この工房にじっくり腰を据えなきゃね。」



「「「『え!?』」」」



「だってそうじゃない?

貴方達には借りがあるわ。」



「「「『いやいやいや…』」」」



「3階の奥の部屋。

あそこでワタクシ…

調合をして差し上げるわ。」



「「「『いやいやいや…』」」」



「あーら、御礼には及びませんことよ。

ワタクシ… 借りは返す主義ですの。」



「「「『あの… そろそろ帰って…』」」」



「安心なさい。

悪いようにはしませんことよ。」



こうしてベスおばさんは更に居座ることになった。

ポーションを作るらしい。

早く帰ってくれないかな。


まあ、いい。

このおばさんさえ叩き出せば女の子を呼びたい放題だ。

(ベスおばさんって異性は勿論、同性にも嫌われやすい人だからね。)


俺達はベスおばさんを追い出してから、どの女の子を呼ぶかの話題で大いに盛り上がった。

よろしければブラウザバックの前に評価をお願いします。




☆1つでも構いません。あなたの評価を教えてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ