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ひき殺し逃亡犯

作者: エドゴン

【1.序章】


マネヒコは友達Aを連れて田舎の夜道を車で走らせていました。そしてマネヒコは人気のないところに車を止めて待機をしました。


友達A「やっぱりまずいって。」


マネヒコ「まずくなんてない!今日は最高の日になるぞ。」


周りは静かでシーンとしています・・・しばらくして若い女性が車の脇を通り過ぎました。


マネヒコ「あの女性がターゲットだ!用意しろ。」


友達A「本当にやるんだな。しょうがねぇな。」


キキーッ!次の瞬間、マネヒコは車を急発進しました。そしてその女性を目掛けて突っ込んで行ったのです。


ドッカーン!何が起きたのか一瞬わかりませんでしたが、マネヒコが車を降りるとさっきの女性が倒れていました。


マネヒコ「ふっはっはっはっはー。やったぜ!いえーい。」


友達A「救急車を呼ぶか?」


マネヒコ「必要なし。撮影を続けろ。」


友達A「よし、10分くらいの動画になったぞ。」


【2.動画配信】


マネヒコと友達Aは撮影していた10分程度の動画をYouTubeにアップロードしました。


すると10分ほどで反応が急激に伸び始めました。あっという間に動画は1万回再生を突破!


視聴者B君「マジか!」


視聴者C君「女性をひく瞬間を動画にするとは考えられん。」


視聴者D君「救急車は呼んだのか?」


視聴者E君「たまたま撮影できたんだろ?」


視聴者F君「動画で配信するためにわざと引いたのか!」


視聴者G君「通報します。」


続々とコメントが寄せられました。再生回数も急激に伸び始め、拡散が拡散を呼びました。


マネヒコ「やったぜ。大成功!再生回数はどうなった?」


友達A「10万回を超えたぞ!」


マネヒコ「すげー。大金持ちだ!」


一方その頃。


警察署長「この動画はどこで撮っているんだ?早く探し出せ。」


警官「署長!動画に神社が映り込んでいます。おそらく弥生神社ではないかと。」


警察署長「よーし、弥生神社へ向かえ。」


警官「ははっ!」


【3.マネヒコ VS パトカー】


マネヒコ「再生回数はどうなった?」


友達A「20万回に迫る勢いだ。」


マネヒコ「すげー!」


しばらくしてマネヒコがパトカーが近づいてくるのを発見しました。


マネヒコ「やべぇ。逃げろ!どうしてここがわかったんだ?よ〜しこうなったらパトカーとレースを繰り広げるぞ!しっかり今度はライブ配信をしてやれ。」


友達A「わかった。しっかり撮ってやる。」


うーんうーん。パトカーがサイレンを鳴らし始めました。


マネヒコ「気づかれたようだな。急速急発進!」


ブオーン。


マネヒコの車は勢いよく発信しました。


警官「そこの車、止まりなさい。」


マネヒコ「今、パトカーに追われています。みなさん、助けてください。」


視聴者B君「パトカーから逃げきれないだろ。」


視聴者C君「パトカーは3台くらいいるみたいだな。」


マネヒコ「やべぇ。赤信号だ!関係なし。突っ切れ。」


ブオーン!


マネヒコは勢いよく加速し、赤信号を無事に切り抜けました。


マネヒコ「見たか、俺の運転技術を。」


視聴者D君「赤信号を渡って逃げきれたか?」


視聴者E君「自首しろ!」


マネヒコ「視聴者は何人くらいになった?」


友達A「50万人を超えたぞ!」


マネヒコ「すげー!」


パトカーも赤信号を渡り追いかけてきました。


警官「そこの車、止まりなさい。」


警官が拳銃を構えます。


ばきゅーん。


警官が発砲しました!


マネヒコ「視聴者の皆さん見ましたか?警官が発砲をしました。田舎道とはいえ周りに住民もいるかもしれません。危険極まりない行為です。」


視聴者F君「発砲はやりすぎだろ。」


視聴者G君「人をひいたんだから当然だろ。」


ばきゅーん。


再び警官が発砲しました。


マネヒコたちが運転する車のタイヤに命中しました。


キキーッ。ズドーン。


車はコンビニに突っ込み大惨事となりました。


【4.店員を人質に】


マネヒコは車から降りコンビニの店員を人質にしました。


マネヒコ「こっちに来るな、この店員がどうなってもいいのか?」


警官「バカな真似はよしなさい。刃物をこちらへよこしなさい。」


マネヒコ「視聴者はどうなった?」


友達A「視聴者は100万人を突破したぞ!」


マネヒコ「ふははははー。大金持ちだ。俺はヒーロー!撮影を続けろ。」


警官「撮影はやめなさい。」


警官たちがコンビニに集まってきました。車で女性をひいた容疑でマネヒコを逮捕しに来たのです。


マネヒコ「来るな!殺すぞ。」


マネヒコは1時間粘りました。


警官「今、連絡が入った。あなたのひいた女性はたった今病院で亡くなったそうだ。配信された動画を見る限り、これは殺人ということになるぞ。」


マネヒコ「みなさん聞きましたか?殺人犯だと?笑わせるな。殺人ではなくこれはエンターテイメント。みなさんに喜びと感動を与えるショーなのです。どうです?100万人以上が見ているこのライブ配信は紛れもなく娯楽ショー。私はその主人公なのです。全ての権限は私にある。言うことを聞け!」


ばきゅーん。


警官の一人が発砲しました。


マネヒコの持っている刃物に命中!マネヒコはその反動で刃物を落としてしまいました。


マネヒコ「しまった。」


警官「取り押さえろ!」


マネヒコは警官に取り押さえられ、友達Aは重要参考人ということで警察署でお話を聞くことになりました。


結局視聴者は120万人にまで膨れ上がりコメントが殺到。「いいね」も大量にもらうことができました。


視聴者B君「そりゃ捕まるよね。」


視聴者C君「視聴者が100万人を超えたのはすごいけど捕まったら意味がないよね。」


視聴者D君「臨場感があって良かった。」


警察の意向で動画は削除されました。そして・・・裁判が始まりました。結局マネヒコは視聴者数を稼ぎたかったという身勝手な動機で女性をひいて殺してしまったという「殺人罪」が適用され、「無期懲役」という判決が言い渡されました。

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