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Last Rotor - Resurrected as Kit -  作者: キット
Bullet&Butterfly in to the Rainbow.
58/100

episode 25

 ____でも、ここで俺にはそんなことよりも気にかかることがあった。


 ____本当にこんなことをしていて良いのかと?


 ____黒魔術の捜査に参加した理由は何だったか?


 ____と。


 ____問われる・質問される・返答を求められる。


 ____答えは単純明快で複雑かつ難問。


 ____分かっていたことじゃないか。


 ____そう、分かっていた。分かっていて、気づかないふりをした。


 ____ただ、その人の為と自身に言い聞かせて。


 ____何でもっと早く、向き合わなかったんだろう。


 ____心の致命傷に問いかけた。


 ____抉られたそれは、すぐさま傷口を塞ごうと抵抗する。


 ____これが俺をそれと向き合わせなかった。最後の警告だ。


 ____だが、今回はより一層、精神に力を込め問いただす。


 ____彼女の《反転の呪い》が解けたとしてお前は、その後をどうするのかと。


 ____そう、例え、彼女_レイスの呪いが解けても、俺の右腕は治らない。


 ____だとしたら、俺の今の行動に意味はあるのか?彼女は呪いが解けて救われるのか? 

 

 ____いや、そもそも、純白の少女は《反転の呪い》が解けることを望んでいるのか?


 ____この思いはただ俺自身を納得させる為だけに生み出した自己欲求に過ぎないのではないかと。


 一度考え出した、後悔は留まるを知らず雨のように次から次へと降りしきる。自身が思い描いていた、世界は仮初でそれに色を付けていたのは自分自身なのだと気づかされてしまう。レイスに対する思いは今も昔も変わらない。


 けれど、それ以上を求めたら____俺はきっと____。


 「・・・ト・・君・・・・・・キット・・・君・・・キット!」

 「うわっ!」


 突然の大声に驚き声を出してしまう。


 「何、ボーッとしてるの?」

 「え?俺今、ぼーっとしてたか?」

 「してたよ。それも、かなり長く」

 「ごめん。ちょっと、考え事してた・・・・・・」


 目線の先には変わらず恋人(仮)でいてくれている少女の姿があった。そして、少し目線をずらすと、教祖の姿があり俺はそれを境に意識を覚醒させた。ここでの油断は命取りだからだ。


 「二人ともちょっといいかな?」

 「「はい?何でしょうか?」」

 「先程、私が何をするのかと聞いたね?」

 「はい」


 ディセルが緊張気味に声を出す。


 「あれの返答をしても良いかな?」

 「教えてもらっても良いのですか?」


 二人の会話に俺は息を呑む。


 「それはね____あっ!やっぱり、秘密でいいかな?」


 張りつめた空気が爆発するように消え失せ、代わりに拍子抜けが俺達を襲う。


 「すまないね。これはやっぱり、秘密にしておきたいんだ・・・・・・」 

 「あ、いえ、俺達は別に気にしてませんよ!それに俺達が教祖様のプライベートにまで入る権利何て無いですから!

な、ディセル?」

 「う、うん!そうだね!ごめんなさい、ゼオル様」


 コンビネーションはバッチリだった。お互いが息を合わせたかのようにその場を回避する。ゼオルのフェイントには不意を突かれたが、これはこれでゲームとしては面白いと思ってしまう俺がいた。


 「それじゃあ、私はこれで」


 そう言い残し、教祖_ゼオルは聖堂の奥の扉へと歩みを寄せ始めた。それを見ていた俺達も適当に手を合わせ目閉じた。数秒の祈りの後、目を開くと俺達は出口へと歩き出した。今日はこれと言った収穫は無かったもののゼオルという人間との接触には成功できた。後は、今晩のクレイの仕事を残すだけだ。


 「あぁ、あとこれだけは言っておかないとね」


 背後からゼオルに声をかけられる。不意打ちの様なその声賭けに俺達の体は硬直状態になる。


 「秘密とは言ったけど、それについて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


 やられた。完全にやられた。

 向こうから、最初のカードを切り出された。

 配られたカードをどう使うかはプレイヤーの自由。しかし、ここでの使用は予想できなかった。

 だが、もしもその言動が監視という名の下で行われたのならここでの俺の行動は必然的に決められたいた。


 ____ポーカーフェイスを忘れるな。


 「滅相もありません!俺達の様な一般人が教祖様の様な高貴なお方のそのような部分までを知る事すらできませんよ」


 振り返った俺は、すました顔と涼しげな顔で返答する。


 「はっはっ、確かにそうかもしれないね。だが、あまり私を神格化するのはどうかと思うよ。人間は皆、生まれ落ちた時点で平等なのだから」


 いかにもな言葉を放ったゼオルに俺は軽く言葉を返す。


 「そうですね。それでは」

 (これから先に起こることは全て俺の計画だ。だから、警戒するのなら俺だけにしろ。まぁ、信じるかはお前次第だけどな)


 最後に言葉(本心)を言い残し、聖堂を後にしたやつの顔はどんなものだったのだろうか?ただ一点を見据え、歩き出した俺にはそれを確認することはできなかった。


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