幕間1
世界には意志があるのよ、ーーー。
こえぇ?
……それは石よ、ーーー。
でも、さすがはーーー。
頭が良いわ。
だって、それもある意味正解だもの。
どぉいうことぉ?
あなたが住んでいるこの世界。
色々なものがーーーと一緒に生きているわ。
あなたが踏みしめている大きな大地や石。
恵みを与える雨水も。
ゴロゴロと鳴る雷と、暑さを遮る白雲も。
便利な道具を作ってくれる火炎や。
気ままに旅する疾風も。
みぃんなあなたと生きている。
いろんないしが、あぅんだえぇ?
その通りよ。
そして、意志は人間が好きなの。
正確には人間の身体を流れる血液が。
けつえきってぇ?
ほら、こないだーーーが転んだわよね?
痛い痛いって、真っ赤なお水が出てきたでしょ?
いたかったぁ。
あぁ、ごめんなさい……。
痛いの思い出しちゃったわね。
その時に出てきたお水が血液なの。
いたいのがすきだなんて、へんなのぉー。
ふふっ、そうかもしれないわね。
でも、ずっと痛い痛いじゃなかったでしょ?
あれは、世界の意志が治してくれたのよ?
彼らが好きなーーーが、痛い痛いしてるのはかわいそうだから、あなたから血液を貰う代わりに傷を治してくれたの。
いしっていいひとだぁ。
ふふっ、そうね。
それに、ね。
自分たちが好きな人間に、意志は素敵な贈り物をしてくれるの。
えぇ〜。
ーーーもほしいぃ。
ふふふ。
実は、ーーーはもう既に貰っているのよ?
お首の辺りに印があるでしょう?
うん、わたしあぅよぉ!
そう、それが紋章なの。
意志から人間にプレゼントされる宝物。
しかもね、ーーー。
あなたは喜んでいいわよ?
どぉしてぇ?
紋章が心臓…。
難しいから身体の真ん中に近いほど、意志に好かれているからよ。
なんでぇ?
血を身体に送る真ん中の近くが、彼らにとって居心地がいいのだけれど、そこにはすきといやがあるの。
いたいのはいやぁ?
ふふ。そうよ。だから、すきな血が流れる人間には真ん中の近くに紋章を与えて、側にいれるようにしているのよ?
紋章を通して、色々な力も貸してくれるの。
そぉなんだぁ……。
どうしたの、ーーー。
余り嬉しそうじゃないわ。
……ママは……。
えっ?
ママは、わたしのこと、すきぃ?
……ふふふふ。
どぉしたのぉ?
なんでもないわ、ーーー。
そうね。
意志なんかよりも、ずっとずうっと。
ーーーのことが好きよ。
ほんとぉ?
えぇ、ほんと。
だぁいすき。
ぎゅぅぅぅ。
きゃはは。
くすぐったいよぉ、えへへ。
わたしもママのことがだぁいすき。
ずぅっと、いっしょにいたいなぁ。
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ごめんね、ーーー。
もうすぐお別れよ。
声にはならない。