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神様に頼まれていざ悪役令嬢を演じてみたら、胃が痛くなるほど辛いのですが

作者: チェレステ

 慎ましく、謙虚に生きるよう心がけてきた。自分から目立とうとはせず、どんな人だろうと礼儀正しく接してきた。

 そうすることで、楽に生きれると信じているから。

 フレグラント家という名門貴族に生まれた私は、両親に「イア」と名付けられた。

 名前を付けられるのは、これでもう2度目の経験になる。

 信じられない話だけど、私には前世の記憶がある。

 日本という国で生きていた記憶だ。

 前世の私の最期は呆気ないものだった。歩道橋の階段で足を滑らせて、気づいたら第2の人生が始まっていた。きっと打ち所が悪かったのだろう。

 私の名前から分かるとおり、ここは日本じゃない。それどころか、同じ世界ですらない。

 私が生まれたのは異世界だった。

 とはいえ、元の世界とそこまで違いはない。魔王や魔物もいなければ、魔法も存在しない。文明は中世ヨーロッパに近いだろうか。

 だけど私は、そんな世界でも自由に暮らしている。

 名門貴族という肩書きなだけあって、フレグラント家はとても裕福だ。

 だからこそだ。だからこそ私は、慎ましく、謙虚な生活を心がけてきた。

 フレグラント家というだけで、嫉妬や羨望の眼差しを向けられる。

 敵ができるのは仕方ない。だけど、自分から敵を増やすなんて馬鹿げてる。

 私が欲しいのは安っぽい優越感なんかじゃない。ストレスのない平穏な暮らしだ。

 平穏に暮らすという細やかな願いは、フレグラント家に生まれた時点で半ば叶っているのだ。

 私の人生という道は、この世界では極上と評価できるほど歩きやすく舗装されている。後はもう簡単なことだ。歩き続けるだけでいい。

 だけど、小さな石に躓いたのが原因で、道から転げ落ちたり、転んだまま起き上がれなくなる可能性はある。

 だから私は、自分の道にある小石を綺麗に取り除く生き方を選んだ。

 そんな生き方が功を奏したのだろう。誰にも憎まれず、誰も憎まず、平穏な日々を満喫している。

 だけど今日、私はそんな日々を続けられるかどうかの分岐点に立たされた。


「婚約…… ですか?」

「ああ、そうだ」


 お父様から婚約の話を告げられる。

 この瞬間が来るのを、ずっと昔から覚悟していた。

 婚約とは、貴族である以上避けては通れない道だ。


「お相手は誰です?」

「ロウズ家の四男、アルフレイド・ロウズ君だ」


 婚約相手がロウズ家と聞き、安心する。

 ロウズ家といえば、格はフレグラント家には劣るものの立派な名門貴族だ。


「素晴らしいお相手を見つけてくださりありがとうございます、お父様」

「お前ならそう言ってくれると思っていたよ」


 この婚約の一番の目的は、ロウズ家との結び付きを深めることだろう。

 家同士で勝手に決めたことだから、私個人の意思は一切介入していない。

 だけど、私はこの婚約を前向きに考えている。

 恋愛結婚を全て否定するつもりはないけど、一時の感情の赴くままに結婚しても、幸せにはなれないと私は考えている。結婚した後に夫が豹変したなんて、元の世界でも、この世界でもよくある話だ。

 私が求めているのは、平穏な日々を送らせてくれる男性だ。

 その点、アルフレイドさんには期待できる。

 フレグラント家の一人娘である私の婚約者に選ばれた時点で、人となりはそれなりに信用できる。

 性格に難があれば、そもそも婚約なんて持ちかけられない。何か問題が起これば、それこそ家同士の対立の火種となってしまう。









 気づけば、見渡す限り真っ白な空間で漂っていた。

 こうなるに至った経緯を記憶の中から掘り起こす。

 夜、自分の部屋のベッドで横になったのが最新の記憶だ。

 だとすれば、これは夢だ。夢に違いない。


「……だけど、本当に夢なのかな?」


 そのはずなのに、夢だと思い切れない自分がいる。

 上手く言葉にできないけれど、頭では確信していても、心が納得できていない感覚だ。


「!」


 突然、何もなかった空間が光で埋め尽くされる。

 光でハッキリとした姿は見えないけれど、私の目の前に誰かがいる。そして、光はその誰かから放たれている。

 眩しいとは思わなかった。目を逸らそうとも思わなかった。

 光を背負う姿の神々しさ、そして美しさに、私は目を奪われた。

 これが夢だという考えは、光によって消し飛んだ。


「どうも、神です」

「……………は?」


 言葉を失った。

 身が引き締まりそうな厳粛な声なのに、びっくりするほどフランクに話しかけてきた。

 夢じゃないと思った矢先、やっぱり夢なんじゃないかと疑いたくなるような衝撃だ。


「……いや待って、神って本当にあの神なんですか!? ノリが軽すぎません!?」

「本当だ。この神々しい光でわからないか。ほれほれ」


 光が強くなったり弱くなったりを繰り返す。

 釈然としないけれど、神様と名乗る存在の言葉は正しいと思った。

 ノリの軽い口調以外は、神様だと納得できるだけの神々しさで溢れている。


「最初に謝っておこう。そなたが異世界に転生してしまったのは我の手違いだ。申し訳ない」

「て、手違いって……」

「言い訳なのだが、ここ最近は管理する魂が多くて大変なのだ。本当に」


 その言葉には切実な苦労が滲み出ていた。

 転生先が劣悪な環境だったら怒っていたかもしれないけど、フレグラント家という裕福な家庭に生まれることができた。

 何より、神様の社会人のような疲れ切った言葉を聞くと、責める気にはなれなかった。


「……えっと、謝んなくていいですよ。怒ってなんかいませんし。寧ろその逆で、二度目の人生を与えてくれたことに感謝していますから。それよりも私、どうして神様に呼ばれたんですか?」

「うむ、ちょっと頼みがあってな」

「頼み?」

「それを今から説明しよう」


 神様から頼みごとをされるのは、きっと名誉なことなのだろう。特に神を信じていない人でも、そう感じるに違いない。

 それなのに、嫌な予感が止まらなかった。


「そなたの婚約者のアルフレイド・ロウズは、そなたではなく別の女と結ばれる運命にある。だが、そなたが転生者である故に運命が捻じ曲がってしまったのだ。このままでは、そなたとアルフレイドは一生添い遂げることになる」

「このままではって…… 私にとっては喜ばしいことなんですけど」

「神は基本的に人の営みには介入しないが、何事にも例外はある。確定事項だけは、何をしてでも実現させねばならん。アルフレイドとその女が結婚することこそ、確定事項なのだ」


 予感は確信に変わっていく。

 ここまで説明を聞けば、何を頼まれるか嫌でも察しがつく。


「そなたには、アルフレイドとその女を結婚させてほしいのだ」


 神様の口から語られたのは、残念ながら私の予想通りの頼みだった。


「つまり、私に恋のキューピッド役をやれってことですか?」

「うむ」

「すみません、私には無理です」


 恋愛結婚なんてロクなことにならないと言っている私なんかに、人様の恋愛をどうこうできるはずもない。


「そんなこと言わないで! ほら、主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢とかいるだろ! あれを演じてくれれば問題ないから!」


 頼まれたのは、恋のキューピッドからかけ離れた役目だった。

 だからこそやれそうな気もするけど、どちらにせよ気が進まないことには変わりない。

 悪役令嬢みたいにならないように生きてきたのに、今になってその生き方を曲げたくない。


「そもそも、それだけで本当に上手くいくんですか?」

「本来、イア・フレグラントはテンプレな悪役令嬢なのだ! 悪役令嬢を完璧に演じれば、アルフレイド、は女と勝手に結婚する! そういう運命になっているのだ!」


 そういう運命と言われても、どうしても疑念を捨てることができない。


「あの、私に悪役令嬢なんか演じさせないで、いっそ神様が直接何かすればいいんじゃないですか。そっちの方が手っ取り早そうだし」

「人の営みに介入するのは最低限で済ませたいのだ! そなたにこうやって頼んでるのも、本当はかなりギリギリなの! 頼む、このとおり!」


 光のせいで姿ははっきりと見えないけれど、神様が頭を下げた気がした。それでいいのか、神様。

 あまりに必死な懇願に、断るに断れない。


「我の頼みを聞いてくれたら、最上級の神の加護を授けよう! 一生遊んで暮らせる幸運が舞い込むぞ!」


 その言葉に、私の心は盛大に揺らいだ。

 イメージと全然違ったけど、神様なのは疑いようがない。

 一生遊んで暮らせる幸運が約束されるなら、頼みを聞いても良いと思ってしまった。


「……わかりました、やりますよ。演じるだけなら簡単そうですし」

「ほ、本当か!? すまぬ、感謝する!」


 神様は嬉しそうに感謝の言葉を述べた。


「これから苦労すると思うが、我もできる限りサポートしよう。では、健闘を祈る!」


 その言葉を聞いたのを最後に、自分の部屋のベッドで目を覚ました。

 神様の頼みを安易に引き受けたのを後悔するのは、そう遠くない未来だ。









 夢なのか現実なのか未だに分からないけど、神様に頼みごとをされてから数日後。

 名門貴族御用達の高級レストランで、アルフレイドさんと初めて顔を合わせることになった。

 レストランに着くと、従業員によってアルフレイドさんが待っている個室へと案内された。

 従業員が開けたドアの先には、爽やかな笑みを浮かべた青年がいた。


「初めまして、イアさん。アルフレイド・ロウズです」

「ご存知とは思いますが、私からも自己紹介を。イア・フレグラントです」


 互いに挨拶した後、私とアルフレイドさんはテーブルを挟んで向かい合った席に座る。

 それを合図に、従業員たちはテーブルの上に前菜を並べる。漂う匂いだけで、素材にも調理にもこだわった高級品だとわかる。


「まず、お互いを知ることから始めましょうか」


 従業員が部屋から出たのを見計らい、アルフレイドさんに話しかける。


「ええ、そうですね。イアさんがどんな人なのか、俺も知りたいです」


 アルフレイドさんも笑顔で応じてくれた。

 名門貴族だからって偉そうでもないし、四男だからって変に捻くれてもいない。

 少ししか言葉を交わしていないけど、良い人なのが伝わってくる。


「それじゃあアルフレイドさん、好きな食べ物は何ですか?」


 脳裏に浮かんだ質問が口から零れ落ちた。


「ふふっ」


 アルフレイドさんは小さく笑う。

 今になって、やっと自分の失態に気づく。

 前世の感覚のままで質問してしまった。こんな幼稚な質問では笑われても仕方ない。

 普段なら絶対にしないであろうミス。初めての婚約相手を目の前にして、私は緊張していた。


「あっ、す、すみません! 突然笑ってしまって……」


 アルフレイドさんは慌てた様子で否定する。


「今まで出会った貴族の女性たちは、押しが強いというか…… その、とても積極的な人ばかりでしたので。あんな和やかな質問をする人もいるんだなって思ったら、つい」


 アルフレイドさんの言うとおりだ。

 名門貴族の女性たちは、自分こそが世界で誰よりも美しいという自信を持っている。どんなにお淑やかに振舞っても、その自信は随所に滲み出ている。

 いや、もしかしたらそう思わないといけないのかもしれない。

 貴族の女性たちにとって、美しさというのはそれだけで武器になる。

 まあ、私はそんなしんどい思い込みなんて絶対に嫌だけど。無理に背伸びなんかしないで、身の丈に合った生き方をするのが一番だ。

 貴族という括りの中では異端な考え方だ。

 きっと前世の記憶があるから、こんな考え方になったのだろう。


「それに、四男って理由で見下されることがなくて嬉しかったんです。俺が四男だと知ると、いつも相手は強気に出るから」

「そうだったんですか。酷い話ですね、生まれた順序だけで態度を変えるなんて」

「ええ、まったくです」


 互いに微笑み合う。

 波長が合うのだろうか。アルフレイドさんとなら上手くやっていけると、根拠はないけどそう思った。

 だけど私は、悪役令嬢を演じてアルフレイドさんとフランさんを結婚させると、神様にそう約束してしまっている。

 もしかして私は、バカな約束をしてしまったのかもしれない。


「あっ、そうだ。質問に答えてませんでしたね。好きな食べ物はチーズです」

「チーズ?」

「そうなんです! 自作するほど大好きで──」





「ちょっと待てい!!」





 聞き覚えのある声が脳内に響いたと思ったら、神様に呼ばれたときの白い空間で漂っていた。


「あっ、神様…… やっぱり夢じゃなかったんだ」


 そして、相変わらず神々しい光を放っている神様も目の前にいた。


「今の今まで口出しなかったが、アルフレイドと仲良くなってどうするのだ! もっとあやつの心を踏みにじれ。四男風情が夫なんて恥ずかしい。公以外の場で仲良くする気なんて更々ない。悪役令嬢ならそれくらい言わんか」

「そ、そこまで言わなきゃダメなんですか!?」

「そうだ。そこまで言わなければアルフレイドに嫌われない」

「うぅ……」


 アルフレイドさんみたいな良い人に、心を深く傷つけるような罵声を浴びせたくない。

 もしも口にしてしまったら、アルフレイドさんはどんな顔をするだろうか。どんな気持ちになるだろうか。想像しただけで心が痛む。

 今になって、やっと悪役令嬢を演じる大変さを理解してきた。

 だけど、私には選択肢がない。

 神様の言葉に頷いてしまった時点で、悪役令嬢を演じるしかない。

 神は神でも、邪神と契約してしまった気分だ。


「仕方ない。時を戻してやり直すぞ」

「……それ、とんでもなく人の営みに介入してません?」

「ちょっとくらいの時間なら大丈夫だ。それでは、今度こそ健闘を祈る!」


 気づいたら、レンストランの中を従業員に案内されていた。

 最初のときと何もかもが同じだ。本当に時間が巻き戻っている。

 当たり前だけど、私以外に時間が巻き戻ったのを認識している人はいないみたいだ。

 あんなのでも神様なのだと、改めて認識する。


「こちらでアルフレイド様がお待ちです」


 アルフレイドさんが待っている部屋に来た。

 この扉の先で、アルフレイドさんが待っている。

 そして、私は彼に罵声を浴びせなきゃいけない。

 扉が開き、最初のときと何も変わらない笑顔を浮かべるアルフレイドさんが出迎えてくれた。


「初めまして、イアさん。アルフレイド・ロウズです」

「……イア・フレグラントです」


 同じ席に座り、同じ料理がテーブルに並べられ、同じように従業員が部屋から出る。

 ここからだ。ここから悪役令嬢を演じないといけない。

 胃の辺りがキリキリしてきた。

 だけど、やる以外の選択肢がない。やらなかったら、また神様に時間を巻き戻されるだけだ。


「最初に言っておくけれど、二人きりのときは話しかけないでください。私、あなたのような四男風情と馴れ合うつもりはありませんから」


 声のトーンを低くして、冷たく言い放つ。

 もう後戻りはできない。コップから溢れた水は元に戻らないように、口から出た言葉もなかったことにできない。

 アルフレイドさんは少し驚いた後、とても悲しそうな表情を浮かべた。


「……そう、ですよね。わかりました」


 お、思ったよりもずっと心が痛い……!

 今すぐにでも頭を下げて、そんなことないですごめんなさいって言いたい……!

 だけど、そんなこと言ったら神様に時間を巻き戻されるに決まっている。


「……」

「……」


 こうして、二人きりのときは一言も話さないまま、時間だけが過ぎていく。

 私はその間、ずっと胃の痛みを我慢する羽目になった。









 それからまた数日後、私はまた神様に呼ばれた。

 真っ白い空間には、相変わらず蛍光灯みたいに光る神様がいる。最初こそ神々しいと思っていたけど、段々鬱陶しく感じてきた。


「中々の名演技だったぞ。アルフレイドに嫌われたこと間違いなしだ!」


 神様の声は心なしか上機嫌に聞こえた。

 反対に、私はドン底の気分だ。罪悪感と自己嫌悪で胸がいっぱいだ。


「あんな良い人なのに…… 最低だ私……」


 正直、悪役令嬢をナメていた。

 誰よりも図太い精神じゃないと、こんなの続けられない。

 簡単そうだと言っていた過去の私を、思いっきりぶん殴ってでも止めてやりたい。


「傷心中なところ悪いが、次は女に会ってもらう」

「そっか、まだやるんだ……」


 私の声は、自分でも驚くほど疲れ切っていた。

 神様の頼みなんて引き受けるんじゃなかったと、改めて思う。


「女はフラン・ハインドという名前でな、フランソワという花屋で働いている。そなたの住む街にあるから、すぐ見つかるだろう」

「そういえば、聞いたことがあるような……」

「それと、フラン・ハインドは色々な意味で手強いから悪役令嬢っぽい顔の練習でもしておけよ。それじゃあ、頑張れ!」


 気がつくと、私の部屋のベッドで横になっていた。

 深く、深く息を吐く。その拍子に、極小の針で刺されたような痛みが胃を走る。

 また悪役令嬢を演じなければいけないと思うと、憂鬱で心がどうにかなってしまいそうだ。


「そういえば、悪役令嬢っぽい顔を練習しとけって言ってたよね……」


 そもそもの話、表情以前に悪役令嬢っぽいセリフがポンポン浮かんでくるとも思えない。ちゃんと考えておかないと。

 アルフレイドさんとの食事のときは、短い会話だけで済んだから誤魔化せたけど、次はそうもいかないだろう。

 鏡の前に立ち、とりあえず表情の練習から取り組むことにした。

 自分の思う、悪役令嬢っぽい表情を作る。


「……」


 自分でも「これはない」と思ってしまうくらい、ぎこちない表情だった。

 セリフも合わせれば、多少はマシになるだろうか。


「ほーほっほっほ、ご機嫌いかがかしら…… うん、やっぱり違う。もっと練習しないと……」


 引き受けてしまった以上、やるしかない。

 鏡の前で、何度も私のイメージする悪役令嬢を演じる。


「な、何やってるの、イア様……?」


 メイドさんが扉を少し開けて私の様子を伺っていたけど、私が気づくことはなかった。それに、気づかない方が幸せだ。









 色鮮やかな花が数多く飾られた建物の前で、馬車は止まる。

 ここがフランさんの働く花屋、フランソワだ。

 こんな素敵な店で悪役令嬢を演じようとしている自分が情けない。

 馬車から降りて、店内に足を踏み入れる。

 最初に感じたのは、花の匂いだった。

 店の外とは比べ物にならない数の花が、店内に飾られている。育てるのにどれだけの労力をかけたのか、私には想像もつかない。


「いらっしゃいませ」


 店の奥から一人の女性が現れる。

 私と同い年くらいだろうか。その容姿は、野原に咲く花のような純朴さを感じさせる。

 彼女がフランさんだと、私は直感した。


「あなたがフラン・ハインドね?」

「はい、そうですが……」


 今からこの子を虐めなくてはいけないと思うと、また胃が痛くなってくる。


「私はイア・フレグラント。アルフレイド・ロウズの婚約者よ」

「!」


 一瞬、フランさんは大きく目を見開いた。


「私に何か御用でしょうか?」

「いえ、大した用じゃないわ。一言謝ろうと思って」

「謝る……?」

「あなた、アルフレイド・ロウズと仲が良ろしかったんでしょう? もし彼に好意を抱いていたなら、悪いことをしたと思ってね」


 皮肉が伝わるように、鏡の前で何度も練習した悪役令嬢っぽい表情を浮かべ、抑揚にも気を遣いながら言い放つ。

 二人の関係は知っている。神様が教えてくれた。

 数年前、買い出し途中に転んでしまったフランさんは、その拍子に商品の花の種を撒き散らしてしまった。誰もが見て見ぬ振りをして通り過ぎる中、アルフレイドさんだけが拾うのを手伝った。

 それを機に二人の親交は始まり、両想いになるまで発展した。

 だけど、彼らには身分の差という障害がある。アルフレイドさんは貴族、フランさんは平民だ。

 その障害は容易く乗り越えられるものではない。互いの幸せを考えて、二人は離れるのを選択した。

 だけど、二人の間に愛が残っているのは間違いない。


「……謝らなくても結構ですよ。もう私の中で整理はできてますから」


 フランさんの声は、表情は、とても穏やかだった。


「その代わり、絶対にアルフさんを幸せにしてあげてください。あの人、優しいけど気が弱いから」


 何故だろう。穏やかな口調のままなのに、怒鳴られるよりもずっと迫力がある。


「──絶対ですよ。私、ずっと見てますから」


 次の瞬間、今までに味わったことのない恐怖が襲ってきた。

 嫉妬、怒り、悲哀。さっきの言葉に、あらゆる負の感情が込められているのを感じた。

 いつか神様に言われた「色々な意味で手強い」という言葉を、私はやっと理解した。


「タイム!」


 恐怖で腰が抜け、地面に崩れ落ちそうになる瞬間、神様のいる白い空間に呼ばれた。


「か、神様……」


 あの恐怖から助けてくれたおかげか、神様が初めて神様っぽく見える。


「おいおい、フラン・ハインズのプレッシャーに呑まれているぞ。悪役令嬢なら、逆転されるまで憎たらしい態度を貫かんか」


 前言撤回。

 やっぱり邪神だ。


「無茶言わないでくださいよ! あのオーラは絶対にヤバイですって!」

「本来のイア・フレグラントなら、余裕で憎まれ口を叩いていたぞ」

「すごいな悪役令嬢!」


 神経が図太いのを通り越して、頭のネジが緩んでいるんじゃないだろうか。


「フラン・ハインズをどれだけ貶しても無意味だ。だから、貶す矛先をアルフレイド・ロウズに変えろ。あの女は自分より、自分を愛する者を貶されたら怒るタイプだ。それと、アルフレイド・ロウズは貴族と結婚しても幸せになれないと印象付けるんだぞ」

「大丈夫ですか? 私、殺されませんよね?」

「だいじょーぶだいじょーぶ」


 おかしい。神様に大丈夫と言われているはずなのに、欠片も安心できない。


「それじゃあ、タイム終了!」

「いやちょっと待っ──」


 瞬く間にフランソワに戻された。

 笑顔なのに全身が凍りつくようなプレッシャーを放つフランさんが、遂に目の前に現れてしまった。

 何度も言うように、私には神様の言葉に従う以外の選択肢はない。

 壁に話しかけていると思い込んで、自分で自分を騙すしかない!


「……嫌よ。どうしてアルフレイド・ロウズなんかを幸せにしないといけないの」


 フランさんの顔から視線を外す。

 だって、怖くて顔を直視できない。


「私はね、アルフレイド・ロウズのことなんて好きでも何でもないの。むしろ恥ずかしいと思ってるわ。曲がりなりにも私の結婚相手が四男坊如きなんて」


 爪が肉に食い込みそうなほど固く握りしめる拳なんて見えない。


「言っておくけどね、私は悪者なんかじゃないわよ。四男坊なんて低い地位の男を愛する貴族なんて、どこにもいやしないもの。あなたのような庶民にはわからないでしょうけど、上流階級の暮らしではそれが普通のことなの」


 怒りに任せて歯を食いしばる音なんて聞こえない!


「そう思うと、アルフレイド・ロウズって哀れねえ。そして、そんな男を愛したあなたも」


 気づいたら、予め考えていたセリフを全て吐き出した後だった。話してる最中の記憶がない。


「謝る必要がないみたいで安心したわ。それでは御機嫌よう」


 早足で店から出て、店の外に停めていた馬車に脇目も振らず乗り込む。


「っはーーーーーー!!!!」


 馬車が動き出したとき、私は思いっきり息を吐いて座席にもたれかかった。


「こ、怖かった……… 怖かったよぉ………」


 生きた心地のしない時間だった。未だに手足の震えが止まらない。

 だけど、もう悪役令嬢を演じる必要はない。

 あれだけやったのだから、フランさんは私のことを最悪な女だと思っているはずだ。


「いいや、まだだ」


 そんな達成感に水を差すように、神様のいる白い空間に呼ばれた。

 いつも突然のタイミングだけど、特に不満はない。

 こんな場所、何回呼んでくれたって構わない。


「まだなのぉ?」


 問題なのは、まだ私に悪役令嬢を演じさせようとしている口振りだ。


「アルフレイド・ロウズを連れて、結婚式のブーケを作るようフランに依頼しろ。アルフレイド・ロウズとフラン・ハインズを再会させるのだ」

「……………うわぁ」


 私にとっても二人にとっても最悪な行為に、悪い意味で驚きの声しか出ない。


「頑張ってくれ、これで最後だ。その出会いこそ、正しい運命を確定させる」


 最後の最後に強烈な爆弾が待っていた。

 まだまだこの胃痛と付き合うことになりそうだ。









 この国で一番美しいと評判の教会。その教会の礼堂へと続く扉を前に、私はいる。

 隣にはアルフレイドさんがいて、黒いタキシードに身を包んでいる。

 そして私は、そんなタキシードとは対照的な、純白のウェディングドレスに身を包んでいる。

 私たちの服装からして、何が行われるのか察しが付くだろう。

 今日は私とアルフレイドさんの結婚式だ。

 この扉の先の礼堂で誓いを立てれば、私たちは夫婦になる。

 だけどきっと、そうはならないのだろう。神様に時間を巻き戻されなかったのが何よりの証拠だ。


「綺麗なブーケね」


 私の手にある、白い花で作られたブーケ。

 それを見て、素直な感想が口から漏れた。

 触れれば溶けてしまう雪のような儚さを、このブーケから感じる。今もまだ私の手の中にブーケが残っているのが奇跡だと思ってしまう。

 このブーケこそ、胃が捻じ切れるような思いをしてまでフランさんに作ってもらったブーケだ。

 まさか私がブーケを褒めるとは思わなかったのか、アルフレイドさんは驚いた表情をしていた。

 だけど、構うものか。今日という日を迎えた時点で、どう振る舞おうが私の自由なのだから。


「行きましょう、アルフレイド」

「え? あっ、はい……」


 目の前の扉がついに開く。

 大勢の目の前で花婿を取られる結婚式のはずなのに、今の私の心は達成感と開放感で満ち溢れている。

 アルフレイドさんと腕を組み、礼堂の中に足を踏み入れる。

 床に敷かれた真紅のカーペット。その先には、この教会の神父が待ち構えている。

 カーペットを挟んで左右に置かれた長椅子が、縦の列になって並んでいる。

 どの長椅子も、余す所なく人が座っている。

 右側の長椅子に座るのはフレグラント家、左側の長椅子に座るのはロウズ家の面々だ。

 私たちはカーペットの上を歩き、神父の前で立ち止まる。

 神父は小脇に抱えている聖書を開き、小さく咳払いをする。


「汝、この男性をいかなる時も愛し合い、敬い、なぐさめ、助けることを、神の前で誓いますか?」

「はい、誓います」

「汝、この女性をいかなる時も愛し合い、敬い、なぐさめ、助けることを、神の前で誓いますか?」

「はい、誓います」


 心にもない誓いの言葉を聞いて、神父は満足そうに頷いた。


「それでは、誓いのキスを」


 アルフレイドさんは困った表情を浮かべる。嫌われている相手とのキスを促されれば、誰だってそうなるだろう。

 だけど、気を病む必要はないのだ。私たちの唇が重なることは絶対にないから。


「待って!!」


 来るとしたらこのタイミングしかない。そんな私の信頼に応えるように、扉が勢いよく開かれた。

 突然の事態に、礼堂の中が困惑でざわめく。


「だ、誰だ貴様は!」


 来賓の誰かが、この場にいる大多数が頭に思い浮かべた疑問を声にする。

 ただ、私とアルフレイドさんだけは、彼女が何者なのかを知っている。


「フランさん……!?」


 そう、扉の先にいるのはフランさんだ。

 アルフレイドさんだけが、周りと違った意味での動揺を見せている。


「何をしてる、早くこの女をつまみ出せ!」


 お父様が声を荒げる。

 礼堂の中に控えていた兵士たちが、フランさんを捕らえようとする。


「待ってください!」


 アルフレイドさんの有無を言わせない迫力がある鋭い声に、兵士たちは動きを止める。


「彼女は俺の…… 親友です! だから、俺に任せてくれませんか?」


 誰も、何も言わなかった。

 それを無言の肯定と受け取ったアルフレイドさんは、フランさんの元へと駆け寄った。


「フランさん、どうして…… いや、その前にどうやってここに!?」


 部外者を結婚式に入れさせないため、教会には門番がいる。

 彼らの目を盗んで門を突破するのは至難の技だ。

 神様が指示をしてこない時点で勝手に何とかするとは思っていたけど、どんな方法を用いたのかは私も気になるところだ。


「3日前から教会に忍び込んでいました」

「ええっ!?」


 警備を敷く前から侵入していれば、誰にも気づかれないに決まっている。

 ただ、3日間ずっと隠れないといけないのだから、相応の覚悟と忍耐力は必要になるだろう。とんでもない行動力と執念だ。


「どうしてそんなことを……」

「どうしても…… どうしても今、アルフさんに伝えたい言葉があるんです」


 誰もがフランさんの次の言葉を待ち、礼堂に静寂が訪れる。


「アルフさん、私と結婚してください!」


 私以外にその言葉を予想できて人が、果たして何人いるのだろうか。

 フランさんが礼堂に乱入したときとは比にならないほど大きなざわめきが巻き起きる。


「フランさん、君は自分が何を言っているのか分かっているのか!?」

「分かっています」


 非難するようなアルフレイドさんの目にも、フランさんは少しも物怖じせず言い切った。


「……なら、俺の返答も分かるはずだ。君とは結婚できない。すぐにここから出てってくれ。今ならまだ軽い罰だけで済むから」


 咎めるような言葉遣いとは反対に、まるで懇願するような口調だった。

 何を思うのか、フランさんは顔を俯かせる。


「私たち、お互いの幸せのために、この気持ちを押し殺そうと決めましたよね。私も、自分の気持ちを優先してアルフさんが不幸になるくらいなら、それがいいと思っていました。アルフさんが幸せになれるなら、それで……」


 フランさんは顔を上げる。

 その目は涙で潤んでいた。


「だけど、アルフさんは本当に幸せになれるんですか!?」


 消え入りそうな声から打って変わって、礼堂の外まで響くような声が響いた。


「私、知ってるんです。アルフさんが四男ってだけで、イアさんに蔑ろにされているって。そんな人と結婚して、アルフさんが幸せになれるなんて、私にはどうしても思えない!」

「っ……!」

「答えてください、アルフさん! イアさんと結婚して、本当に幸せになれるんですか!?」


 かけるべき言葉が見つからないのか、アルフレイドさんは立ち尽くす。

 彼女の心からの叫びに、偽りで固めた言葉を返すなんて不誠実なことはできない。かといって、本当のことを言うわけにもいかない。

 アルフレイドさんはきっと、きっとそう思っている。


「イアがそんなことを言うはずがあるか! もう我慢ならん、この女を不敬罪でひっ捕らえろ!」


 私のしたことを微塵も知らないお父様は、激しい怒りを露わにして命令する。

 そして、それは私の正真正銘最後の演目の幕上げを意味していた。

 感慨深さと共に、今までの努力と苦労が脳裏に浮かんだ。


「……お父様、彼女の言うことは本当です」

「イア!?」

「アルフレイドさんは四男だからと、私は彼に何度も失礼なことをしてきました。私はそうすることが許される立場にいると、本気で思っていたんです」


 今の私がしているのは、演技なのだろうか。

 いいや、違う。

 紛うことない、私の本心からの言葉だ。悪役令嬢を演じるのがどういうことか、何もわかっていなかった。


「だけど、愛する人のためにここまでするフランさんを見て、目が覚めました。私はこの結婚を辞退します。私ではなく、フランさんがアルフレイドさんと結ばれるべきです」

「い、いや待て! ちょっと待て!?」

「えっ? ……えっ、え!?」

「な、何がどうなって……」


 私の言葉によって、今日最大級の困惑が水面の波紋のように広がるのを感じた。

 本来のイア・フレグラントなら、今日ここでフランさんによって浮気の証拠を突きつけられるらしい。どこまでも悪役令嬢っぽい末路だ。

 弱味さえあれば、フランさんは神の手助けがなくとも自力で調べ上げるらしいから、末恐ろしい。

 だけど私は、浮気もしていなければ、結婚が取り止めになるようなやましいこともしていない。

 だけど、自分から弱味を作る必要はないのだ。特攻上等の精神でフランさんが結婚式に突撃してくるのを待って、花嫁の座をフランさんに譲るだけでいい。

 この先の未来に何があるのか、私にはわからない。あの邪神のことだから、私の人生に幸福なんて待っていないのかもしれない。

 だけど私は、とっくの昔にそんな迷いは捨てている。


「聖書をお借りしても?」

「あっはい」


 呆然と立ち尽くす神父から聖書を借りて、アルフレイドさんとフランさんの前まで足を運ぶ。

 彼らは幻でも見ているかのような目をしているけど、今までの私の態度を考えれば当然のことだ。

 聖書のとあるページを開き、アルフレイドさんと向かい合う。


「汝、この女性をいかなる時も愛し合い、敬い、なぐさめ、助けることを、神の前で誓いますか?」

「えっ……?」

「誓いますか?」


 私の言葉、そして行動の意味を理解したのか、アルフレイドさんの目には覚悟の光が宿る。


「はい、誓います」


 その誓いは、フランさんとの結婚を受け入れるという意味に他ならない。

 フランさんは目を見開いた後、人生で一番の幸福が訪れたような笑顔を浮かべた。

 私はそんなフランさんに向かい合う。


「汝、この男性をいかなる時も愛し合い、敬い、なぐさめ、助けることを、神の前で誓いますか?」

「はい、誓います」


 聖書を閉じる。

 見よう見まねだったけど、中々に上手くやれたのではないだろうか。必死に磨いた演技力の賜物だ。


「それでは、誓いのキスを」


 アルフレイドさんとフランさんの唇が重なる。

 胸が熱くなるのを感じる。

 待ち焦がれていた未来が、やっと現実になった。

 私の人生に幸福が約束されるなんて事実、頭の片隅からも抜け落ちていた。

 あるのは、愛し合う男女がやっと結ばれたという喜びと感動だけだ。


「拍手!」


 完全に置いてけぼりの来賓たちは、私の言葉に従うままに拍手を送る。


「ここまでやったんだもの、幸せになってよね」


 この言葉は拍手の音にかき消され、あの2人に届くことはない。

 だけど、それでいい。

 彼らの愛がどんなことにも負けないように、神様に祈った。









 結論から言えば、神様の言うとおり私の人生に幸福が舞い降りた。

 まず、この国の王子と結婚できた。

 例の件で悪評が広まるとばかり思っていたけど、どうも違ったらしい。

 最後の最後に、本当の愛のために自ら身を引いた女性という美談になっていた。終わり良ければ全て良しというけれど、それと同じなのかもしれない。

 その話に興味を持った王子が私に会いに来て、あれよあれよと結婚まで行き着いた。これも神様の加護の力なのだろうか。

 一国の王子の妻になれば、それこそ革命でも起きない限り生活は保障される。それに、王子はアルフレイドさんのように優しい男性だ。非の打ち所がない。

 アルフレイドさんとフランさんはどうなったかというと、夫婦で仲良くフランソワを経営している。中々に繁盛しているらしいし、生活に困るなんてことはないだろう。

 不思議なことに、彼らとの関係は今も続いている。

 2人が言うには、「今思い返すと、自分たちを結婚させるために色々やってくれたようにしか思えない」らしい。

 そのとおりなんだけど、肯定するわけにもいかなかった。神様に頼まれたから、なんて電波な話を信じてくれるはずがない。

 かといって否定するのも面倒なので、「どうかしら」と曖昧な返答をしておいた。

 さて、どうしてアルフレイドさんとフランさんの結婚が確定事項だったのか、それが分かったのは随分と後のことだった。

 2人の娘が敵対する国の王子に一目惚れして、愛の力と執念で結婚した上、勃発寸前だった戦争を未然に防いでくれた。とんでもない行動力だけど、フランさんの娘なら納得だ。

 娘が言うには、戦争を止めるつもりは微塵もなかったらしい。王子と一緒になるために色々とやっていたら、成り行きで戦争も防いだらしい。

 動機がどうであれ、戦争が起きなかったおかげで多くの人の命が救われた。どれどけ規模の大きな戦争に発展していたか、想像もつかない。

 こうなる運命を望んだ神様は、なんだかんだで善い神様なのかもしれない。今までダメダメな神と思っていたけど、結構見直した。

 戦争なんて未来が来なかったから、今日の夜もふかふかのベッドで眠れる。神様と、過去に頑張った自分にほんの少しだけ感謝しよう。

 いい加減眠くなってきた私は、ベッドに横たわり、そっと目を閉じた。







「……あの〜、また頼みたいことがあるのだが」

「はっ?」





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― 新着の感想 ―
[一言] ビンタから飛んできました。とても面白かったです( ・`ω・´)
[気になる点] またまた時間を巻き戻して、こんどは未達イベントを全クリアを目指しかねない神様 [一言] 最高神の加護はバッチリ効いてますね!(どの分野の最高神かは言ってない)
[気になる点] 転生が原因で運命がねじ曲がるって設定に抵抗がありました。いろんな作品を読んでると、転生をすること自体に珍しいとう概念がないので。転生そのものが原因というのは安直すぎるし、もっと捻った方…
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