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第2話 出会い

 小鳥が囀り、木々は揺れ、静かな時が流れるこの場所、底まで見えるほど透き通った大きな湖の畔、美しい髪を揺らし、水浴びをする少女が一人。


 突然、水面が弾け、大きな水柱が立つ


 少女はきょとんとした表情で、水柱の立った方を見つめると、静まった水面に浮かぶ栗色の髪をした、1人の少年(アステル)の姿を発見した。


 少女は水面に浮かぶアステルに近付き、片手で服を掴み軽々と持ち上げ首をかしげる、アステルの顔を覗き込むと━━


 「んっ…」と、小さくアステルが声を漏らした。


「生きて…る?」


 少女はアステルを岸へと運び、寝かせると、無造作に傷回復魔法薬(ポーション)を口に突っ込み飲ませ、濡れた服を着たままだと体温が下がり危険なので、直ぐに脱がし大きなタオルでくるむ。


 火を起こし、適度な距離にアステルを寝かせると、再び湖で水浴びを再開させた。


 ━━数分後


「ん……うわぁー!」


 あれ? どこだ? ここ……


 僕は谷に落ちる夢を見て、悲鳴を上げながら飛び起きた。


「起き…た?」


 声のする方に顔を向けると、翡翠色の綺麗な目をした、淡い金色の髪の可愛らしい女の子が顔を覗かせてきた。


「うわぁー! ごめんなさいごめんなさい」


 何で裸? 僕は思わず両手で顔を被った。


「大丈…夫?」


「はい、大丈夫です。だから服を着て下さい……って僕も裸?」


 自分も裸だったことに気が付いた僕は、掛けられていたタオルで体を包む。


「服濡れて…たから脱がし…た」


 僕が不思議に思っていると、女の子が服を着て戻ってきた。


 ふう一安心だ。


「あの、貴女が助けてくれたんですか?」


「…ん」


「ありがとうございます、先ほどはすいませんでした、僕はアステルと言います」


「私…はルーナ」


「ルーナさん、ありがとうございます」


「…ん」


「ところで、ここは何処ですか?」


「32階…層」


「32階層!?」


「そうだ…よ」


 あの時ゴブリンから逃げて谷に落ちたんだよな、って事は……あの先がここって事?


 助かって良かったけど、どうやって帰ろう? ゴブリンにも勝てない僕が32階層から帰れる訳ないよ……どうしたら良いんだ……


「何処か痛…い?」


 頭を抱えて落ち込んでいる僕の顔を、ルーナさんが覗き込んできた。


「いえ、体はすっかり元気になりました、元気……なんですけど……僕はゴブリンにも勝てない駆け出し冒険者なんです」


 説明しているうちにだんだん思い出してきた先弱のゴブリンにやられる僕って……


「じゃあ、一緒に帰…る?」


 落ち込んでいる僕の前にルーナさんが座ってそう言ってくれた。


「本当ですか? お願いします」


 やった、助かった、誰か居るってこんなに心強いもんなんだな……あ、でも二人だからって帰れるんだろうか? そうだきっと他にも誰か居るんだ、そうに違いない


「あの、他にも誰か居るんですよね?」


「誰…か?」


「ルーナさんの仲間とか…」


「1…人」


「ええ! どうやってここまで来たんですか?」


「歩い…て」


「歩いて? ここ32階層ですよね?」


「…ん」


 1人で歩いて32階層まで来れる? ひょっとして、この小さな可愛らしい女の子は、とんでもなく強いのか?そうは見えないけど……ルーナ……ルーナ……どっかで聞いたことあるな……


「あの、ルーナさんって冒険者ですよね? 高ランクの方なんですか?」


 僕が尋ねると、ルーナさんは首に掛けていた紐を引き、冒険者タグ見せてくれた。


 色は白銀……嘘っ!? この娘が?


 あれ? 白銀(プラチナ)ランク冒険者でルーナ?


「ーーー!!! ルーナさんってあの有名なルーナさん?」


「……?」


 僕が知る限り、白銀ランクの冒険者でルーナと言う名前の人は1人しか居ない【小さな破壊神(リトルデストロイ)氷血の狂戦士アイスブラッドバーサーカー、鮮血の戦闘人形ブラッディバトルドール血喰い(ブラッドイーター)】等様々な二つ名を持ち、熟練冒険者パーティーでも成し得なかったグランセルダンジョンの42階層、通称死に階層のフロアボスをたった1人で倒し、通常鉄から青銅に上げるのにも一年かかると言われる冒険者ランクを、たった一年半で白銀ランクまで上げた。実力だけなら神鉄(オリハルコン)ランク以上と言われるあの冒険者ルーナ。


「そんな高名な方だとは知らず失礼しました」


「良い…よ。じゃあ帰…る?」


「はい、宜しくお願いします……わぁー! 服っ服っ!」


「服そ…こ」


 立ち上がって頭を下げたらタオルが落ちた。滅茶苦茶恥ずかしかったけどルーナさんは全く気にした様子はない、それはそれでどうなんだろう?


 急いで服を着てルーナさんの元へ戻り、僕はルーナさんに連れられ出口を目指し歩きだした。


 道中数々のモンスターと出会すがほとんどのモンスターはルーナさんを見ると本能的に危険を感じたのか一目散に逃げ出す。


 たまに襲ってくるモンスターも、ルーナさんの体ほどもある大斧で一撃で両断され、あっという間に20階層まで戻る事が出来た。


 20階層は、森の木々は朽ち、地面も黒く草すら生えていない、まるで死の森の様に薄暗い気味の悪い場所だった。


 そんな所でも腹は減るもので、僕のお腹が大きく鳴る。


「お腹空きましたね」


「…あれで良…い?」


 ルーナさんは、視界に見えた巨大な熊に大斧を投げ、サクッと倒すと引きずって戻って来た。


 あれってマッドグリズリーだよな? 本で見たことあるぞ、確か滅茶苦茶強かったはず……


 マッドグリズリー。その握力は1トン以上と言われる恐るべきパワーの灰色の熊モンスター。体長は5mほどで、鋭い爪と牙を持ち捕まると人間ではまず逃れる事は出来ない。


 戻って来たルーナさんは、マッドグリズリーの皮を剥ぎ切断すると、そのままかぶりつき、切り身を1つ僕に差し出した。


「わぁー! ルーナさん生ですよ。お腹壊しますって」


「大丈夫…毒無…い」


 気にする様子もなくルーナさんは血の滴る肉にかぶり付ついている


「いや、そういう問題では……貸して下さい。僕が調理します」


 僕は肉を受け取り、収納魔法で持ってきていた調理器具と、野菜や米を取り出し、マッドグリズリー料理を作り始める。


「ルーナさん、待ってる間にこれどうぞ」


 母さんが持たせてくれたお弁当をルーナさんに渡すと、ルーナさんはお弁当を広げ食べ始めた。


「ルーナさん、出来ましたよ」


 ルーナさんの前に沢山のマッドグリズリー料理が並べると、ルーナさんは一口口に入れ、気に入った様で、物凄い勢いで料理を食べ始めた。


 おお凄い食欲だ。足りそうにないな追加しよう。


 材料は沢山あるのでどんどん料理を作って並べる。


 置かれる端から一心不乱に食べ続けるルーナさん。


 結局マッドグリズリー1頭丸々調理し、二人(殆どルーナさん一人)で平らげた。


 この小さい体の何処に入ったんだろう……?


「ごちそうさ…ま」


「お粗末様でした。あの、不躾なお願いなんですが、僕を弟子にしてもらえないでしょうか?」


「ダメ、戦い教えるのは良いけ…ど、弟子は嫌、仲間なら良い…よ、だからまた、ご飯作っ…て」


「はい! 毎日でも作ります! ありがとうございます!」


 こうして僕とルーナさんはパーティーを組む事になった。まあパーティーと言うより師弟なのだけど、そう言うとルーナさんが嫌がるから師匠とか先生とかは言わない事にした。


 僕なんかを気軽に仲間にしてくれるのに、何でソロ冒険者やってるんだろ? モンスターを生で食べるのが問題なのだろうか? ブラッドイーターって二つ名は、あれから来てるんだろうな。


 帰還を再開させ暫く歩いていると、一匹のモンスターを見つけた。ルーナさんがモンスターを指差し僕の顔を見る。


「早速やってみ…る?」


「ゴブリン? ……にしてはかなり大きい様な……」


「ジェネラルだ…よ」


「ジェ……ネラル?」


 僕は言葉に詰まり、擦りきれる様な掠れた声でモンスターの名前を言いながら、錆びた機械の如くぎこちない動きでルーナさんに顔を向けた。


「大丈…夫」


 僕はルーナさんに背中を押され、ゴブリンジェネラルの前に飛ばされた。


「あー! ルーナさーん! 僕武器持ってないですぅ!」



「ウゴッ、グガァー!」


 目の前にやって来た僕に、ジェネラルが手に持っていた棍棒を振り上げ叩き付ける。


「うわぁー! ごめんなさい! ごめんなさーい!」


 僕は咄嗟に横に転がり、何とかジェネラルの攻撃を避ける事が出来た。


 ジェネラルは転がっている僕に追い討ちを掛け、次々と棍棒を叩き付ける。


「きゃー! ()めて()めて()めて()めて()めてぇーー!」


 コロコロ転がる僕を、餅つきでもするように追い掛けながら、棍棒を叩き付けるジェネラル。


 死ぬ、死んでしまう!


 暫く見ていたルーナさんが間に割って入り、ジェネラルの棍棒を素手で受け止めた。


「ルーナざーん、ごわがったでずぅ」


 僕は泣きながらルーナさんにすがった。


「…ん、武器だ…よ」


「へっ?」


 僕の手元にポイッと、剣を投げ、ルーナさんはまた離れた場所に移動した。


 ジェネラルは少し混乱して動きが止まっていたが、再び攻撃を仕掛けてきた。


「うわぁー! 無理無理無理無理! たーすけてー!」


 とりあえず武器は拾ったけど勝てる気がしない。ルーナさんに目を向けたけど助けに入る気は無いようだ。


 僕は必死に数分間逃げ続けた。けど、このままじゃその内体力が無くなって捕まってしまう。


「くそー何なんだよ! やるしかない、やってやる! 怖くなんかないぞゴブリンめ!」


「ウガァー!」


「ごめんなさーい」


 でも、やっぱりジェネラルは怖かった、僕は頭を抱えて目を瞑ってしまう。


 あれ? 痛くないぞ?


 そっと目を開けると、僕とジェネラルの間に割って入ったルーナさんが、再び素手でジェネラルの棍棒を受け止めていた。


「目、瞑っちゃダ…メ」


 そう言うとルーナさんは、空いた方の手で拳を握り、ジェネラルの鳩尾……ではなく股間に鋭いアッパーを叩き込む、どうやら身長の関係で鳩尾には届かなかった様だ。


 ジェネラルが泡を吹いて股間を押さえ悶絶している。


「あと…は自分でや…る」


「は、はい!」


 僕は震える手で倒れているジェネラルの首に剣を突き立てた。生き物を殺したのは初めてだった……とても気味の悪い感触が剣を通して手に伝わり、腹の底から何かが込み上げ、僕は嘔吐した。


「…ん、水」


「ありがとうございます……」


「大丈…夫?」


「……はい、何とか……命を絶つってこんなに大変な事なんですね」


「…ん、少しず…つ慣れれば良い…よ」


 ゴブリン族の肉は匂いがきつくて食べられないが、肝臓は薬に、睾丸はとある方面で重宝される。他にも売れる素材を教えてもらいながらジェネラルを解体し、残りを土に埋めて帰路についた。


 ━━僕がダンジョンに入って7日が経った頃、僕達はギルドに戻って来た。


「アステルさん! 戻った来れたんですね。7日も帰って来ないから心配してたんですよ?」


 登録受付をしてくれたお姉さんが、僕を見て駆け寄ってきた。


「ご心配御掛けしてすいませんでした」


「あら、ルーナさんじゃないですか? どうしてお二人で?」


 二人一緒に帰って来た事に驚く受付嬢さんに、事情を説明すると受付嬢さんは納得し、僕は心配してくれたお礼を言ってギルドを後にした。


 店長も心配しているだろうから居酒屋にも顔を出して帰ろうと、ルーナさんを連れて居酒屋に向かう。


 中に入ると一振りの剣を手に大声で嬉しそうに話している、冒険者風の男性の姿が目についた。


「見ろよこれ、1階層のゴブリンが持ってたんだけどよ。これが20階層クラスでしか手に入らない名品だったんだ。すげぇだろ!」


「はいはい、それ何度目だよ。もう何回も聞いたって……」


「あっ! 僕の風切り!」


 驚きのあまり思わず声に出してしまった、でもあれは僕の風切りだ、間違いない。


「ああっ!? 何言ってんだ、これは俺がゴブリン倒した時の戦利品だぞ」


「すいません突然声掛けてしまって……それ、僕が1階層のゴブリンに取られた剣なんです。父の形見の剣なんで買い戻させてもらえませんか?」


「駄目だね! こんな良い剣次に手に入るのは何年先になるか解んねぇんだ売れねぇ」


「そこを何とかお願いします」


 必死に頭を下げるが譲ってもらえそうにない。騒ぎを聞き付けて、居酒屋の店長も出て来て説得してくれたが、やはり無理だった。鉄ランク冒険者には、これからの冒険を考えると手放せない品なのだ。


「じゃあ、これと交換す…る」


 黙って見ていたルーナさんが、困っている僕を見て、自分が所持していた剣を差し出した。


「あのさあこの剣は20階層クラスの名品なんだぞ? 只の剣と交換なんて出来るわけないだろ?」


「大丈…夫、これ42階層で見つけた…剣」


「はあ? 42階層? 1階層のゴブリンに剣取られる奴がそんな階層の剣持ってるわけないだろ?騙そうったってそうはいかねぇぞ」


「嘘じゃない…よ、ギルドで鑑定す…る」


『胡散臭いが本当ならかなりお得だな……嘘だったら交換しなけりゃ良い訳だし……』


「よし! そこまで言うならギルドに行こうぜ」


 男性を連れてギルドの鑑定所に行き、調べてもらうと、間違い無く希少品で名品であると結果が出た。


「ルーナさん、本当に良いのかい? これ、その剣の数十倍の価値があるよ?」


「問題な…い」


「兄ちゃん、この剣はな魔法剣と言って剣に特殊な能力が付与されてる希少な武器だ。兄ちゃんじゃ10年掛けても手に入れられないと思うぞ? 本当はこんな不平等な取引は止めるのがギルド鑑定士としての責務なんだが、今回は見なかった事にしてやる。こんな良い話は二度と無いと思えよ」


「マジかよ……何でゴブリンにやられる様な奴がこんな剣取れるんだよ……」


「はあ? 何言ってんだ兄ちゃん。ルーナさんは白銀ランクの凄腕冒険者だぞ? ルーナ・シャインって聞いたことあるだろ?」


「ルーナ・シャイン……ええこの娘が!? あの氷血の狂戦士、鮮血の戦闘人形と言われたルーナ様!? 失礼しました! お会いできて光栄です!」


 さっきまでの態度はどこへやら、男性は深々とお辞儀をしている、まるで数日前の僕を見ている様だ


「じゃあ、交換で良…い?」


「勿論です、ありがとうございます」


 男性は剣を交換し、喜んで居酒屋に戻って行った。


 今度はルーナさんに貰った剣だって自慢するんだろな……


「ありがとうございます。でも良かったんですか?」


「…ん、問題な…い。剣、戻ってき…て良かった…ね」


 ルーナさんは僕の顔を見て剣が戻ってきた事を喜んでくれた。僕はそれに対し笑顔で「はい、ありがとうございます」と、もう一度お礼を言った。


「ルーナさん、良かったらで良いんですけど、今から僕の家に来ませんか? 僕の家族にも会ってもらいたいんです」


「…ん、良い…よ」


 ギルドを後にし、僕は家族にルーナさんを紹介する為に、家に招待すると、ルーナさんは快く了承してくれた。


「ただいまー」


 ルーナさんを連れ、家に入ると、ダイニングから勢い良く母さんとアイリスとアレンが駆けてきて━━


「お兄ちゃん!」「兄ちゃん!」


 アイリスとアレンが僕に抱き付いてきた。


「お帰りなさい、アステル」


 母さんは、目を潤ませて優しく微笑み僕を見つめている。かなり心配掛けたみたいだ。


「アステル、そちらの方は?」


 僕の直ぐ後ろに居たルーナさんを見て母さんが尋ねる。


 僕はダンジョンで起こった事、ルーナさんに助けられて冒険仲間にしてもらった事を説明すると、母さん達はルーナさんの手を握り心からお礼を言い食事に誘った。


 母さんとアイリスが腕によりを掛けて調理を始める。


 僕も手伝おうとしたが「ルーナさんを放っておいては駄目だ」と、追い返された。


 食事が出来るのを待っている間に、僕とルーナさんは順番にお風呂に入る。アレンは僕と一緒に入りたがるので、狭いお風呂だけど一緒に入ることにした。


 お風呂から上がりソファーに座って、僕とアレンはルーナさんと話をし始めた。


「ルーナお姉ちゃんはどこにすんでるの?」


「宿…屋」


「お家は? お父さんやお母さんと一緒じゃないの?」


「父さんと母さんは居な…い、ずっと前に死ん…だ」


「……ごめんなさい」


「…ん、問題な…い」


 聞いてはいけないことを口にしてしまったアレンは頭を下げて謝ると、ルーナさんはなんでもない事のように返事をした。


 助けてもらって帰って来るまで、ずっと気になってた事がある。ルーナさんには表情がない、話し方もぎこちない、まるで六年前の僕達みたいに……いやひょっとしたら僕達よりもっと……


 深くは聞けないし聞いてはいけない気がして僕は話題を変えた。


 暫くして食事が出来上がり、僕達は食卓を囲む、ルーナさんは、口一杯にご飯を頬張り、一心不乱に食べている。


 僕だけじゃなく母さん、アイリス、アレンまでが、その姿をみて思わず笑顔になった。


 何だろう? ルーナさんがまるで、ご飯にがっつく子犬かリスの様に見える。


「ごちそうさ…ま」


「お粗末様。満足出来た?」


「美味しかっ…た。じゃあ、私はこれ…で」


「あの、ルーナさん良かったら泊まっていきませんか? 宿屋だとお金もかかるし、良いよね? 母さん」


 食事が終わると、直ぐに家を出ようとするルーナさんを僕は引き止めた。


「勿論よ、ルーナさんさえ良かったら何日でも泊まって良いわ」


「…ん、じゃあ、お願いしま…す」


 母さんも快く了承してくれ、ルーナさんは今日、泊まる事になった。


 空いていた部屋に布団を敷き、ルーナさんにはその部屋を使ってもらい、今日はゆっくり休むことにした。僕を心配してずっと眠れていなかったのか、母さん達は食事のあと激しい眠気に襲われ、この日は早々に眠りについた。

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