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憧れの異世界で冒険者になる。  作者: autumn
第1章 厄災まみれの転生者
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第1話 異世界

不安な夜 ~避けられない状況~

「おい、時田。この荷物、昼までに資材庫に片付けとけよ」


「えっ、この数を昼までにですか」


「そうだよ。なんだ、できないのか?役にたたないな」


「・・・わかりました。やっておきます」


昔からそうだ。どんなに無理難題を押し付けられても役立たずの一言でムキになり、やろうとする。俺の悪い癖だ・・・

しかし、荷物を片付けるにしても100個はある。ましてや、一つ一つが20キロから30キロは余裕である。それを昼までにとは少し厳しい。

最悪なことに資材庫、正式名は資材保管庫は事務所とは別の建物の2階にあった。


「階段の往復か・・・」


「時田主任、お手伝いします」


そう手伝いを申し出てくれたのは入社間もない八重樫(やえがし) 桜子(さくらこ)だった。


「大丈夫、大丈夫。八重樫さんは自分の仕事があるでしょ。これくらいは自分で出来るから」


そう言いながら階段を一段、二段と上がって行った。

しかし、階段の中間くらいに差し掛かった時に2階の資材庫から緑の怪物が飛び出し襲いかかってきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「く、くるなー!・・・夢か」


そんな夢を見て飛び起きた。

しかし、真っ暗で何も見えず辺りを見渡すと少し先にうっすらと明かりがあるようにも見えた。

手を横に伸ばして見ると壁と思われる所に触れることができた。


「どこなんだ・・・ここは。確か神様に異世界へ飛ばしてもらったと思ったんだが」


疑問に思いながらも明かりがある方へと壁伝いに進んで行った。

その先には大きな岩が重なり、人が一人通れるくらいの隙間が開いていた。


「あぁ、この隙間から明かりがもれてたのか」


隙間を通り外へ出てみると辺り一帯は木々が鬱蒼(うっそう)と繁っていおり、所々の隙間から月明かりが射し込んでいた。


「送ってくれるならもっと人がいるところにしてくれれば良かったのに」


そんな愚痴を言っても仕方がないのはわかっているが、言わずにはいられなかった。


「ここがどこかもわからないしな・・・どうしたものか。朝になるまで中で待つか」


さすがに月明かりだけで歩き回るのも危険と思い元いた洞窟へと戻って朝まで過ごすことにした。

しかし、安心できる状況でもなかったので入り口からあまり離れず、監視できる所を陣取り休むことにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どれくらい時間が過ぎたのだろう。感覚的に3時間くらいは過ぎたのだろうか外は明るくなってきていた。


「やっと夜が明けたか・・・徹夜は得意じゃないが何事もなくてよかった」


そう思っていると何やら外から擬音が聞こえてきた。


「・・・ぎぃ・・ぎぎぃ」


「ぐぎゃ・・ぎぃ」


「ぐぎゃぎゃ・・・」


その擬音は徐々に洞窟の方へと近づいてくるようだった。


「・・・なんだ?何かがいるのか。もう少し奥に行って様子を見るか」


得たいの知れない擬音が近づいて来ていたので隠れるために少し奥の方へと進んで身を隠した。

すると入り口から3体の緑の人形(ひとがた)が入ってきた。


「あれは・・・人ではないな。よく小説で読んだゴブリンってやつか?実際はあんな姿をしてるんだな」


その3体の見た目は小学1年生くらいの身長くらいで、口元は横に裂け下顎から上へ2本の牙が生えていた。そして、手にはこん棒らしき木や折れた剣、茶色いナイフを持っていた。

しばらく3体の様子を見ていると何かを探しているようだった。


「何を探しているんだ?それともバレたか?どうする。戦うにしても何も武器になるようなものがないぞ」


辺りを見回しても武器になりそうな物が何もなかった。しかし、よくよく目を凝らしてみると動物の骨らしきものは落ちているのに気がついた。

武器としては心許ないが無いよりはましと思い拾うことにした。


「叩くか突き刺すくらいは出来るか・・・しかしなんだ、ここは奴らの餌場なのか」


思案している間に奴らは奥の方へ進んできていた。

そして、異世界へ来て初めての戦闘になるのであった。










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