第9話:魔眼とエビマヨ
定期更新って無理ですね。一週間に一回やれてる人もすごいと思います
『優人視点』
「ふむ、どんな組織かと思ったら、どこにでもいる三下どもじゃないか」
腕を組みながら部屋に入ってきたのは、右の瞳が黒くなっているサヴァトだった。どうやらサヴァトは部屋に入ってきてルンさんを蹴っ飛ばしたようだ。
「おまっ、女の子には優しくしないと!」
サヴァトは俺を一瞥すると、マジックのように虚空から縄を出した。
「さぁ、ユート。捕まえておけ」
「えっ?警備兵は?」
警備兵がいないか訊ねると、呆れたようにこっちを見てきた。
「はぁ、お前は愚かだな。警備兵なんて俺が見つかったら騎士団に通報される。それに、お前も抜け出したことがバレるぞ?」
あっ、そうか。
「ちっ、おい、見張りはどうした」
「ん?あぁ、あの間抜けか。あいつなら無理やり通ったら通してくれたぞ」
やっぱり…
「ゲホッ、使えない奴ね。あんた達、相手は次期公爵様だよ。とっ捕まえて他国に売っちまうよ!」
「へい。へへっ、坊ちゃん恨んでくれるなよ」
あれ?こいつって次期宮殿魔道士レベルの奴じゃないのか?
「スタン」
「ーーーッ」
「雑魚だな」
ハゲは、襲い掛かったところにスタンを頭に喰らった。すると、スタンの威力でスライディングするように転けた。
「なっ、何故窓が開かないんだ!?」
えっ?窓?
窓の方を見ると、いつの間にかルンさんと細身の男が窓から逃げようと、開けようとしていた。
「賊を逃さないようにするのは当たり前だ」
サヴァトがいつの間にか、なにかの魔法を使ったらしい。
「くっ、やっちまいな!」
ルンさんが言うと、細身の男はサヴァトに対してなにかの構えをとった。
「スタン」
!?
「むっ、スタンが避けられるとは」
「……」
すげぇ、この部屋の中で、あんなに早いものが避けれるのかよ。細身の男はスタンが頭に飛んできたので、首を倒して避けた。
「ならば、アイスフィールド」
えっ?氷属性ってあった?
細身の男は床の色が変わったから警戒していたが、何も来ないと判断すると、サヴァトに飛び掛った。
「ゴチンッ」
結果、足を滑らせて顔面から逝ってしまった。
「ひっ」
「うわぁ、痛そうだな〜。って、死んでないよね!?」
大丈夫かなぁ、ピクリとも動かないけど。
「たぶん大丈夫だろ」
もうルンさんは戦意が喪失したようだ。あっ、
「そういえばなんでお前の目っていま黒いの?」
こいつの瞳は青色だった気がする。
「ん?あぁ、これは魔眼の能力を使ったからだ」
「魔眼!?それって俺にも使える!?」
魔眼か!?魅了とか未来予知の魔眼とかかっこいいから欲しいな。
「いや知らない。だが、黒目なら魔眼がある確率もあるかもな。そうか、黒いか」
サヴァトはそう言うと、虚空から青い液体の入った瓶を取り出し、中の青い液体を飲んだ。
「魔眼かぁ、使えると良いなぁ。それに1個くらいチートが欲しいな」
瞳が青くなったサヴァトは
「チート?まぁいい、スタン。よし、じゃあ縛って行くぞ」
ルンさんに一応スタンで気絶させると、さっき投げ捨てたロープを渡してきた。
「あっ、あぁ」
って、縛って行くぞではなくて!縛れ、そしたら連れてこい!だろ。
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『城内食堂』
まぁ、その後は警備兵の詰所に4人を置いてきて、城の自室に戻った。サヴァト曰く、『奴らは恐らく奴隷狩りの奴らだろう。スラムの子供や、道に迷った旅人を奴隷にして売っていたんだろう。気をつけろ、奴隷を買うことも出来るが、自分もなることを。だからあいつらは犯罪奴隷で、鉱山行きになる』らしい。
「はぁ、結局酢は見つからないし、あいつの屋台巡りのせいで、わからなかったな。おっ、やっと夕食だ」
宮廷料理長のヘイドさんが運んできた。ワゴンには、茶色いスープと、ステーキの皿に付け合わせみたいに白っぽい物が載っていた。
「お待たせいたしました。今夜のディナーは、サヴァト様がリクエストされて、差し入れてくださった調味料を使って再現いたしました。まず、醤油で味を付けたステーキと、味噌を溶かしたスープ、それに戦車海老のエビマヨです。このエビマヨと味噌スープは、勇者王様が広めていたレシピで、平民達に愛されています」
おっ!久しぶりの味噌汁とエビマヨか!エビ…マヨ?マヨってマヨネーズだよ……ね?
「……」
「ではごゆっくり」
「うわぁぁぁぁぁ!今日の俺の1日は何だったんだぁぁぁ!」
テルミー・イグニム:24歳
アニメ国宮殿魔道士:侯爵
適正属性:水、風、無
得意属性:水、風
苦手属性:火、土
緑の髪を持つ黄色い目のショタ。天真爛漫でノリが良いが、子供扱いされる事が大嫌いで、されるとズタズタに切り裂こうとする。
年長者扱いされると嬉しくなる、単純な奴で、優人曰く、ショタジジイ。
だが、結婚して子供もいる。