第5話:行き遅れメルナ先生の魔術講座
エイプリルフール等の特別な日は旅に出てからの閑話として書いてくつもりです。
「誰が行き遅れですか!まだ20ですよ!」
まったく、みんな行き遅れ、行き遅れとうるさいですねぇ。
「メルナさん?どうしました?」
今回はこちら、異世界からいらっしゃった、ユート様に教えたいと思います。
「いえ、何でもないです」
このユート様は私と話す時、髪の毛か胸か腰しか見てない猿です。こんなんでも、肩書きだけ見て結婚しようとしたら本当に行き遅れになってしまいますね。理想としてはサヴァト様かテルミー様ですけど、サヴァト様にはシルヴィア様がいますし、テルミー様に至っては既婚者ですしね。
「おーい、メルナさーん?」
はっ!
「申し訳ありませんでした。少し感慨にふけておりました。それでは始めましょうか」
はぁ、良い男がいないな〜。
「まず、魔法ですが、正式名称を魔術と呼びます。みんな魔法と呼んでますが、魔法はエルフたちの精霊魔法のことを指すので我々が使う魔法は魔術です。
そして、この世界の基本属性は火、水、風、土、聖、闇、時空、無属性です。火水風土の四元素は魔道士なら、得意不得意がありますが誰でも使えます。ですが、四元素と無属性以外の魔術は適正が無いと発動が出来ません。
聖、闇の適正は1000人にいるかいないかの確率です。さらに、時空属性は10000人に1人居れば奇跡の属性です。ちなみに魔道士の中での話です。初級魔術も発動出来ないような一般人100人の中に魔道士1人がいるくらいの確率ですので、時空属性はとても珍しいです。
最後の無属性ですが、これは属性が無いもの、つまり隷属魔術や鑑定魔法、身体強化などが例に挙がります」
「隷属ってことは奴隷とかって居るんですか?」
なんでそんなところを聞くのよ。
「はい、今は魔術講座なので詳しく説明しませんが、奴隷は存在します。基本命令に絶対です」
「っし」
なに喜んでんのよ。旅の途中で騙されて奴隷にでもなったらいい恥よ。
「それでは話を戻します。魔術を使う時の魔力は個々で最大値が決まっています。これは産まれた時から決まっていて、増やすことは出来ません。そしてこの魔力、はっきり言うと、使い方次第では何にでも使えます。魔力とはこの世界に干渉して異常事象を起こすことが出来るものです。なので、サヴァト様やユート様の作った雷属性?も作れなくはないのです」
「チッ、じゃあ俺がオリジナル作ってもあいつもすぐに使えるよう……」
あ〜ぁ、サヴァト様とあなたでは比べ物にならないわよ。城仕えのメイドもあなたの評価は低いですし。
「では質問はありますか?」
「メルナさんって何歳なの?」
…………
…………
「やぁやぁ、これはメルナ殿ではないですか!それとこちらは、彼氏さんかな?」
いや全然全く違いますし。って!?
「おいおい、こんなところに子供って居ていいのか?一応城なんだろ」
あっ!?
「メルナ殿?このとてつもなく殺したいほど無礼な人は誰ですか?」
や、ヤバイッ!?とても怒ってらっしゃる。
「テルミー様、こちら異世界から召喚された勇者のユート様でございます」
「えっ?テルミーって、宮廷魔道士の?」
しかも呼び捨て!勇者ではなかったらとっくに不敬罪で切り刻まれてましたわね。
「こちら、宮廷魔道士のテルミー・イグニム様でございます。注意してください。テルミー様は24歳で、子供扱いがとてもお嫌いですので、絶対に子供扱いしないでくださいね」
「ろ、ロリババアはいると思ったが、ショタジジイ、だと?」
「うん?ショタジジイ?ショタって意味は分からないけどジジイって響き良いね!」
テルミー様、そこは喜ぶところではありません。
「まぁいいや。僕はテルミー・イグニム。爵位は侯爵で君と同じかな?」
いえ、全然違います。
「いえ、ユート様は勇者ですので形式上伯爵です。それから魔王を討伐すると公爵に陞爵します」
「あれ?おかしいなー。サヴァトに聞いたところ『侯爵じゃないのか?』って言いながら飴くれたのに」
それ絶対間違ってますし、飴って…
「あっそれと、メルナ殿」
ん?
「なんでしょうか?」
「早くいい旦那さんが見つかると良いね?アッハッハッハ!!」
…………
「じゃあね〜。あの顔、ぷっ、くっ、アッハッハッハ。サヴァトにも教えてあげよ…」
あのクソガキがぁ〜!
「こ、怖え〜。だから結婚出来ないんじゃないのか?」
もういいです。テルミー様もユート様も知りません。
シルヴィア・スズキ:15歳
アニメ国王家:長女
適正属性:時空のみ
得意属性:時空
苦手属性:火、水、風、土、無
騎獣:クルル(テイムはしていない)
金髪碧眼の美女。幼少の頃からサヴァト・レインブルと仲が良く、よく遊んでいた。
清廉潔白で、曲がったことが好きではない。
クルルが生まれた時にテイムしようとしたが侍女に『普通、お姫様は前線で戦いません。お城で騎士たちの朗報を待つのが仕事です』と言われてショックを受けた。
だが、サヴァトが『同人誌から見つけた姫騎士という職がある』と言われてサヴァトと訓練するようになった。