表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/142

喪失者 白鳥 恵子 Lv.1⑦

連続更新ですげえ短いけど!!!!

あ、前話見逃さないように確認してくださいね。


書 き 初 め

森に足を踏み入れて、最初に出会ったのは、スライムだった。金色に光り、金属光沢を持ちながらプルプルと震えるスライムだ。


ぐにょりと形を変え、人型を形作る。私が槍を構えるが、相手は動じない。

そして金色人型スライムが、ぺこりと紳士的にお辞儀をした。──かと思ったら地面に沈んで消えていった。

まるで、この森に来たことを歓迎するような感じでいて、とても不気味だった。


しばらくの間警戒する……右を見る。森だ。左も森だ。

ゴブリンもいなければスライムも見えない。耳を澄ましてみても……葉の擦れる音が響くばかりだ。


「『試練の森』へようこそ……ってこと?」


答えはどこからも返ってこない。森の奥は、光も差さずに真っ暗だ。



森の奥へと誘われる。左右を見てみても変化は一切ない。槍を構えなが慎重に進むが時間だけが過ぎていく。


「グギャア! ギャア!」「ギャアギャア!」

「第一村人発見、なんてね」


声が聞こえてきたのは左奥、しかも複数の声が聞こえてきた。木の陰に身を隠して、ゆっくりと覗く。

ボロボロの鉄剣を持って跳ね回っているのが1体。他にもこん棒を持ったゴブリンは3体手を叩いて笑っている……まあ、つまりゴブリンが4体いる。

勝てるだろうか、レベル1で。残り時間は17分。ここは……ここは、引こう。リスクが高すぎる……。



さらに奥へと進む。挟み撃ちされることを考えて、真っ直ぐではなく少し斜めにそれるように道なき道を進む。

すると、いきなり前に飛び出してきた影が1つ。ゴブリンだ。


がむしゃらに振るわれたのは、ボロボロの鉄剣。こちらも槍で受け止め、柄の部分で押さえつける。

ここにきてやっとこのゴブリンは、私のことを敵と認めたようだった。さらにゴブリンの後ろから影が2つ、そちらはスライムだった。

さきほどと違って3体、しかもゴブリンは1体だけ。これならいける。


先制は私がとった。

相手の剣を払うと、ゴブリンは体を開く。無防備なそこに槍を差し込み、深追いはせずに抜く。そしてから一歩引き、飛びかかるスライムの2連撃を避ける。

予想以上に、ゴブリンは固い。それに、雑魚とはいえ、スライム2体にも気を使わないといけないみたいだ。


一歩攻め、スライムを警戒して左へと一歩。

間合いコントロールが難しい。しかしそんなもの構わないとばかりにゴブリンが突っ込んできて、袈裟斬り。

執事長と比べると随分と遅いその攻撃を、受け止めようとして、スライムのぷよぷよ体当たりで手元が狂う。肩口に剣を受けるが、切られることはなかった。


ズキズキと痛む肩を押さえると、それを隙と見たのかは知らないがスライムが突撃してくる。


「ウザい! 邪魔!」


放った突きがスライムを貫き、その体の八割を消し飛ばす。

すぐに槍を手放しての右アッパー、スライムが上空へと舞い上がり、ボチャンと水溜まりを作った。


「……これでサシだね」


言葉はきっと理解されなかった。けれど逃げる気は無いということを理解してくれたらしい。

お互いに得物を構え──るわけないでしょ。


相手が両手で剣を握り直す間に全力で肉薄、そのまま左ストレートをフェイントに首投げのようにして引き倒す。

右手で槍をクルリ、回しながら顎先を蹴り上げる。がら空きの首を踏み潰す。


それがとどめになったようで、痙攣しながら光の粒になり始める。

脇腹を押さえる。切れてない。斬られてないけれど、引き倒すときにぶっ叩かれてすごく痛む。

反撃されるとは思わなかった……くっそ……。



そして、ゴブリンの死体が消えた。残ったのは、一本の薬だった。

なにこれ?

次話はなるべく早く更新します。

はやくダンジョン攻略に手を出したいぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ