表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/142

ダンジョンコア 間宮日向 Lv.4③

 ぼふっ

 布団が俺に潰されて埃を巻き上げた。

 そして思う。


「固い……」


 ベッドが固い。布団は薄くて意味をなしてない。

 隣のベッドを見ると、ナズナがくぅくぅと気持ち良さそうな寝息をたてている。抱き枕にされているスライム・レッドのベスもぷーぷーと空気を漏らしながら寝ている。

 仲いいなぁこいつら(思考停止)


 DPが2000くらい残っている。

 そしてダンジョンの増築はひとまず終わったわけだ。次の奴はいつ来るかわからないが、俺たちの家といっても過言ではない住居エリアをこのまま放置していいのだろうか?


「ウィンドウオープン」


 さて、リフォームの時間だ。




 ます暮らしていく家として必要な物を挙げていく。

 LDK……リビングとキッチンは必要だろう。トイレと風呂。洗面所もほしい。寝室は……それぞれの個室を作れば必要ないか?

 あ、あと一番ほしいものがあった。


 中庭がほしい。そうじゃなくても太陽光を浴びたい。



 ざっくりと間取りを決める。

 日本みたいに土地効率を気にする必要がないから適当に立ててもなんとかなるのはすごく楽だな……。


 トイレを使うのはナズナだけだが、コアルームから入ってきた瞬間トイレがある。なんてことは事故に繋がるし、そもそもトイレは落ち着ける場所でなければならない。

 奥の方に配置しよう。

 同じ理論でお風呂も奥の方。

 そうすると必然的に個室は奥の方になる。風呂上がりに長々と歩いて部屋に着く、なんてのは俺はごめんだ。風呂上がりはそのままゆっくりしたい。

 廊下を配置し、俺とナズナの部屋をそれぞれ配置する。廊下の突き当たりにトイレと脱衣場、風呂を配置する。


 そうするとリビングはコアルームと廊下の間ということになるだろう。

 リビングは手狭な感じになるが、基本的に個室を利用すればいい。それに不便を感じれば即座に増設できるしなぁ。


 キッチンはリビングと隣接させて配置する。

 というかドアなどを使わずに、そのまま通り抜けられるタイプの……なんていうんだっけ、こういうの。

 まあいいや。とりあえず配置。


 さて、中庭――といきたいところだが、部屋の増設だけで675DPも使ってしまった。なんでここも1マス5DPなんだろうか。

 いや、調子にのって大きめに作ってしまったというのはあるんだが。



「作成、っと」


 ぽちっと押すだけで住居エリアが一変した。

 しかし、物まで増えたわけではない。ただ広くなっただけでガラガラだ。

 リビング――用のだだっ広いだけの部屋――にベッドが2つ、ぽつんと並んでいるのも異様な光景だなぁ。

 ナズナが寝てるから今移動させるわけにもいかない、か。



 よっこいしょ、と体を起こす。

 だだっぴろいリビングを横切り、キッチン予定部屋についた。リビングに接する部分にはカウンターとして使う予定の棚? を作ってある……というかそこだけ意図的に掘らなかった。

 さて、さらに浪費していくか。


「『役割変更』キッチン」


 DPが消えるのが感覚的にわかった。

 そしてふっと一瞬の浮遊感があった後、目を開くと何もなかったはずのそこがキッチンに早変わりしていた。

 日本でよく見たようなシンクの流し、収用棚には鍋や皿などの食器がつまっていた。そして日本ならガスコンロがおいてあるような場所には、レンガで囲いができている。そこには縦割りされた木材が積んである。申し訳程度に火打ち石も置いてあるので、これでなんとか火を作れってことか。

 蛇口と冷蔵庫もないのか……


「これで330DPなら十分だな」


 蛇口に関してはナズナが水魔法を使える。冷蔵庫に関しても食材はナズナが召喚すればいい。ナズナが火を使えれば……ってそうか、ベスなら確か火を作れたはず。

 つまりナズナ専用の場所だな! キッチンは女の戦場と言うし、後で本人の意見を聞いて手を加えよう。



 リビングと廊下の間にドアを配置して――20DP――、廊下を歩く。ここには特に何を置くつもりは無いし放置。

 あと1205DPか、トイレは問題ないとしても、俺の私室にドアを配置。ナズナの私室にもドアを配置。


 脱衣場予定地に入る。ここにもドアを配置。

 そして脱衣場に『役割変更』を行う。180DP

 服を入れるための棚と籠が現れた。あとは床にすのこが置かれ、排水溝がすのこの下にできていた。水捌けもばっちりか。


 そして一番の問題の風呂。


「『役割変更』……檜風呂ッ!」


 760DPが消える。

 しかし……しかしッ!


「そうそうこういうの……こういうので良いんだよ、完璧だ」


 まず感じるのは匂いだ。檜の匂い。こう、甘いかんじの、何度も嗅ぎたくなる落ち着く系の匂いだ。

 床、おそらく檜だろう。木製の床は、すのこと同じように隙間が等間隔に開いており、水捌け対策がなされている。

 そして壁も木製だ。壁の下半分は石造りだが、タイル模様に彫られているため、そんなに手抜きっぽさはない。上半分が木製で見映えがいいから許した。

 シャワーといった文明の利器はない。あるのは木製の椅子と桶だ。

 そして何よりの浴槽がある。もちろん檜製で。

 そっと触ってみるが、さらさらとしておりまったくささくれが手に刺さることがない。しかもなんか忘れたけど檜の成分かなんかで加工しなくても腐らないとかなんだったか……

 最高だ。やばいもう俺ここに住むわ……




 やっとこのことで手に入れた風呂にトリップしていたが、一番風呂に入りたい気持ちをグッと抑える。

 ふたつ、気になったことがあった。

 この風呂さ、蛇口とかシャワーとかないんだけどどうやってお湯入れんの? 自動で湧き出てるわけでもないし、ボタン押せば出てくるわけでも……


「くそやろう、今追加しやがったな! しかもお湯入れんのにもDP取るのかよッ!」


 浴槽をお湯で満タンにするためには10DPだそうで。しかもご丁寧に召喚できる物に『お湯』を追加してくれやがった。

 はぁぁぁぁ……使えるだけ良いとするか……



 そして次。脱衣場に移動する。

 この籠さ、外に持ち出せんの? できるなら色々と活用するけど。


「いっった」


 籠が見えない壁にぶつかって玉突き事故のように俺へと被害が来た。

 脱衣場から持ち出すことはできないみたいだ。おそらくキッチンの皿もそうなんだろうな。


 あ、でも風呂場には持ち込める。

 ……謎だ。




 DPが150しか残ってない。満足したからいいんだけどさ。

 あと私室の家具や、中庭はまた余裕ができてからにしよう。


「あー……太陽光浴びたかったな」


 いったいいつになることやら。

 役割変更で部屋のリフォームするのは結構安いから、比較的早くできる気がするけどな。

●作者が書きたかったもの

ぼふっ

「日向くん、お疲れ様」

俺がベッドに横になると、隣のベッドに横になっていたナズナが声をかけてきた。

ベッドとベッドの距離は開いてるものの、疑似的な添い寝のような~~


●日向が描写したもの

ナズナがくぅくぅと気持ち良さそうな寝息をたてている。


日常パートも書けねえのかおめーはよー……

あとDP使いすぎじゃオルルァン




補足ですが、

キッチンと脱衣場は『日向に必要がないため』安めのDPですが、お風呂に関しては『日向が必要としているため』DPが高めです。

だって食料を食べなくても生きていける体だし、服を脱ぐのは(人目を気にしなければ)どこでもできるからね。


でもお風呂は作らないと無理なので高め。そういうこと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ