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GATE  作者: 筑紫
3/9

旅立ち

「シキ君、シキ君起きて。」

「ん~。まだ・・・・」

「まだじゃなくて。もう朝だよ。起きて。」

「わかったよ。ってエリー!?どうして?」

「どうしてじゃないでしょ。昨日からずっとここで騒いでたんでしょ。」

「ああ、そうか。そうだった。」

「ほらはやく支度して自分の宿に帰らないと。」

「ふぁ~。そうだな。」

怠い体を動かし朝食を食べ支度を進める。

「シキ君もう行くよ。」

「ああ。」

「シキ様、エリス様このあとは?」

「いったん宿に戻って準備してからこの町を出ます。」

「そうですか。そのときは町一同でお見送りいたします。」

「ありがとうございます。」

「そんじゃ行くか。町長あとでな。」

俺たちは外に出て歩き出す。

「エリーは準備したのか?」

「もうしたよ。」

「いつのまに。」

「シキ君が気持ちよさそうに寝てる時だよ。」

「それじゃエリーはこのあとどうするんだ?」

「そうだな。とりあえずこの町を出るまでは一緒でいい?」

「もちろん。出るまでじゃなくて一緒にゴールを目指さないか?」

「それはどうしようかな。うーん、もうちょっと考えるよ。」

「わかった。」


二人で話してる間に俺が泊まってる宿に着いた。

自室の前に行きドアを開けようとした。

ここで俺は恐ろしいことに気づいてしまった。

「あ、あ、あ・・・・。」

「どうしたの?シキ君大丈夫?」

「やってしまったかもしれない。」

「なにがあったの?もしかしてあいつが?」

「鍵かけるの忘れてた。」

「え、か、鍵!?そんなことで大丈夫だよ。さあ入ろう。」


「「あ」」


ドアを開けた俺たちが見たものは荒らされた部屋だった。

「うわあああ」

「え、あ、ほ、ほら散らかっただけだよ。ちゃんと探せばあるよ。」

そこから10分間探したが何も残ってなかった。

「さ、最悪だ。どうしよう。」

「だ、大丈夫だよ。お金はどのくらい持ってるの?」

「・・・・500ゼニー。」

「そ、そっか。大丈夫だよ。きっと・・・・」

「もうダメだ。終わった。」

「大丈夫だよ。・・・・うん、大丈夫。私が面倒見よう。」

「え?」

「一緒に旅しよう。そしてゴールを見つけよう。」

「いいのか?さっきよく考えるって。」

「うん。今よく考えた。シキ君強いしそういうところでは大丈夫そうだけど、なんか頼りないし私も行く。」

「おお。エリーがいれば安心だな。」

「でしょ。一緒にゴール見つけようね。」

「おう。」

荒れた部屋を二人で片づけチェックアウトした。

「でもお金ないし地図もないしごめん。」

「いいよ。お金はなんとかなると思うし、地図は私も持ってるから。大丈夫。」

「そうか。ありがとエリー。」

「あ、町長さんたちが見えたよ。おーい。」

「おーい。」

エリーにつられ俺も大声で呼ぶ。

こちらに気づいたのか何人かも手を振ってくれる。

「もう行くんですね。」

寂しそうに町長はつぶやく。

「はい。」

「少ないですけど食料とお金です。」

おばさんたちが美味しそうな食べ物を手渡す。

「いいのか?」

「はい。町を助けてもらったお礼です。」

「ありがとうございます。こんなにたくさん。」

「いいんですよ。それではこのゲートをおくぐりになってください。」

「これをくぐればどこかに行けるのか?」

「はい。本来手形でどこに行くかを示すのですが、ない場合は無作為にどこかとつながります。」

「おお。おもしろそうだな。」

「おもしろがらないで。どこに行くか分からないのよ。」

「大丈夫だって。敵が来たら俺が殴る。それで大丈夫だろ。」

「わかった。シキ君を信じるわ。」

「決心はついたようですね。それでは旅のご無事をお祈りしております。」

「ああ。それじゃ・・・・」

「「行ってきます。」」


大声で旅立ちを宣言しまだ見ぬ次の場所へ走り出した。

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