第2話 未来への空間
公園にはもう人影はなく、ただ光に照らされたベンチがあるだけだった。
そして、京太がベンチに腰掛けるとこう言った。
「ああ。なんで、僕はこんなに不幸なんだ。どうせ、神様なんか、僕のこと、見捨ているんだろうな。そんな人生、僕はいやだ。でも、こうしていて、餓死すれば、神様は多分、大喜びなんだろうな。」
京太は口にしたあと、うとうとし始めた。
そして、京太はいつしか、深い眠りについてしまった。
京太はその後、目を覚ました。
「あ〜。もう朝か。でも、今日は土曜日だったよなあ。」
しかし、京太は自分が寝ぼけていることをすぐに知った。
そう、京太の前に明るい空間が現れていたのである。京太はその光景に口を閉ざしてしまった。
しばらく経って、京太はある現象に気付いた。
それは、その空間から何かの声がすることだった。
その声は京太にこう話しかけてきた。
「・・・こちらにおいで。こちらにおいで。」
京太はその声に導かれるようにその空間に入りこんだ。
そして、京太が空間に入った後、その空間は何もなかったように消えた。
とある未来。
「裕一、ご飯、ここに置いておくからね。」
母親が二階にある裕一の部屋に料理を運びにきた。
裕一の母親はこれをすでに五年近く続けている。
裕一はあることから、心を今も病ませ、そして、家族に苦労をかけていた。
なぜ?
それは、彼の過去に隠されていた。
あれは、彼が小学生のときだった。
彼はもともと、何でも出来る優等生だった。そして、彼はまた、女子から憧れの的になっていた。
そんな彼に、ある初恋の人ができた・・・。
その人は、一体?