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REAL FREEDOM  作者: 翠
2/2

少しした頃、俺はとある建物の前に立っていた。

少し古ぼけたその建物は、この世界の雰囲気とあっていて、

でも、その真っ赤な外装は、この世界でも特に目立っている。

そして、入り口には、真っ赤な文字でただ一言、

「REAL FREEDOM」

と、書かれていた。

そして、ドアにかかっているのは、

「CLOSE」

の文字。

ただ、俺はそれに構わずドアを開け中へと入った。


建物の中はそれほど狭くはなく、リビングとダイニングとキッチン、さらにバスルームまであり、二階や地下室もある。

いつ見てもここは無駄に広いと思う。

とりあえず荷物を部屋に持って行くため、俺は二階へと向かう。

「おはようございます、名無。

いえ、こんばんわのほうがいいですね」

俺が、階段を登り始めた瞬間、後ろから声をかけられた。

誰かいたのだろう、振り返ると、一人の男。

俺が175㎝くらいだから、この男はもう少し高く、180㎝はあるだろう。

そして、金髪でピアスを開けているくせに、白衣を着ている。

医者のくせにこんなかっこをしていて、患者さんは怖くないのだろうか。

さらに、彼の首には、"8501"と書かれている。

この数字は、この世界では、月ではすべての人類に書かれていて、名前と同じように、コードネームとして使っている。

つまり、この男"8501"は、逸人と呼ばれている。

「あぁ、逸人か。

こんな時間にどうしたんだ?

今日は夜勤だったんだろ?」

「そうですね。

少し話をしたいことがあったので来たんですが、眠いですし、明日の朝にさせていただきましょう」

逸人はそういうと、二階へと向かって行った。

逸人が働いてる、月の表の病院からここまでくるのは、どれほど急いでも、3時間はかかるはずだ。

やはり何かがあったにちがいないが、逸人が寝てしまったからには、明日聞くしかない。

そう思い、俺も眠りについた。



翌朝、いや、朝というにはまだ早い時間だが、俺は人の気配で起きていた。

時計を見れば、時刻は午前3時。

朝起きるのには早すぎる時間だが、俺の目の前にいるこの男、次期大統領と噂されるくらいだからか、こんな時間から仕事に行くようだ。

「あ、ごめん。

起こしちゃった?

俺、もうすぐ仕事にいかなきゃいけないんだけどさ、師匠来てたよね?」

「師匠、あぁ、逸人のことか。

なんか話があるみたいだったから、なるべく早く帰ってきた方がいい」

俺が今話してる男、"15271"、不人。

俺は座ってるからよくわからないが、たしか170㎝ほどのはずだ。

政治家であり、次期大統領候補であるというのに、染めたような茶髪は、地毛であり、不人の悩みらしい。

「あ、やばい。

もう時間だから出るね。

じゃあ、師匠によろしく」

不人はそういうと急いで出て行った。

いつもならもう少し寝てるのだが、今から寝るには時間が短い。

早起きは三文の徳とも言うし、仕方なく俺は準備を始めた。


俺が起きてから1時間ほどたった頃、"19638"、夢駆が起きてきた。

いつもは上げている前髪も、起きたばかりだからかすべておろしてある。

夢駆の長い前髪は、いつものような幼さを見せない。

「あ、名無さん、おはよう。

今日はいつもより早いんだね。

あ、僕も準備しなきゃ」

そう言いながらご飯を食べている夢駆は15歳とは思えない。

俺よりも10㎝ほど低く、年齢の割に子供っぽく見える。

ただ、本人はそれほど気にしてはいないらしいが。

そんなことより、

「おい、急がなくていいのか?

早くしないと置いてくぞ」

「えっ、もうそんな時間?

もうすぐだからちょっと待って。

多分あと5分くらいで準備終わるから」

そう言いながら夢駆は急いで制服に着替え始めた。

俺が働いてる学校は、月にある唯一の学校で、俺と夢駆は同じ学校に行っている。

15歳までは義務教育であるため、月に住んでる6歳から15歳までのすべての子供が通っている。



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