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プロローグ

「お待ちください!この状況下で旗艦を前に出すということは我が軍の敗北を意味致します。」

 共和国軍務本部次長マーベリック第二大将が声を荒げた。共和国首都星アクエリアス宙域において



 銀河共和国はその長い歴史において、最も重大な時代に直面していた。共和国最高協議会はありがちではあるが既に形骸化。その実権は悲しいかな、軍部がその治安維持力をもってして握っていた。

銀河共和国には第一大将(元帥)に2名の英雄を置いていた。一人は自身が望み出世した英雄エルヴィン・バーティ軍務本部長。もう一人は他に望まれて第一大将に就任したハンス・ミューズ宇宙艦隊司令長官。元々はこの二人は士官学校では年は離れたが無二の親友だった。しかし数年前に崩壊した帝国との戦いが二人の間に深い溝を作ってしまった。

バーティは士官学校を主席で卒業、中尉待遇で任官され順調に出世。37歳にして共和国軍の軍務を司る役職に就いている。帝国崩壊後、旧帝国領の治安維持の為と称し、帝国との戦争時以上の軍事力を保つことを議会に要求。時の最高議長ナンシー・アレンは彼の要求に屈し軍務省に対し兵力の増強を指示してしまう。しかも本来ならば作戦指揮権を有さない軍務本部に作戦指揮権を認めバーティ自身に兵力を与えてしまう。首都星アクエリアスを本拠地とする第1方面軍及び第3方面軍を宇宙艦隊から独立させ軍務本部直轄の部隊とした。


もう一人の英雄ミューズ司令長官は士官学校では下から数えた方が早いほどの成績であったが少尉任官後、とある一件から軍上層部にその才能を認められ、若干29歳にして第三大将(方面軍司令官)に昇進、34歳の時に帝国との戦争勃発。そのまま二階級特進し艦隊司令長官として実動部隊の艦隊運用、作戦運用を担った。


共和国の軍関係の省庁はまず軍務を司る軍務本部と作戦運用、実戦指揮を司る艦隊司令部に別れこの二つの組織がそれぞれを監視する体制を整えていた。軍務本部には作戦指揮権が無い代わりに艦隊司令部の人事権を持たせた。形式的ではあるがこの二つの組織を統括する存在として共和国最高議会が存在する。



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