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チープにして、誰もがうらやむ彼の業。
「なんというか……こういう所に、ちょっとだけ自分の業を感じるよね……」
行路の腕の中には今、四つの箱があった。
その内部に同じフィギュアを包じている。
つまり彼は図らずも、両替で作った百円玉十枚で、四つのプライズを獲得してしまったのだった。
(一つを部屋に飾って、もう一つを七夜に上げて、もう一つを保存用に取っておいて……あと一つはネットオークションで捌こうかな)
なんてことを考えてこのフィギュアたちの処分を決め、次に行路が向かうのは、
「和馬は、FPSのあたりかな?」
四つの箱を抱え、彼は雑踏の中をふらふらと歩いて行く。
器用にバランスを取って歩いているのが余計に人目を引いているのだった。