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虚飾の空  作者: 古村
灰色の序章
13/17

4α 2/2



「カッコいいね、庇ったりなんて、しちゃってさ!」

 メローネが秋風に発砲する。

 乾いた音が、轟音犇めく雑踏に軽く響く。

 それを秋風は腰に挿していた軍刀であっさり切り払った。

 ギィンという音が鳴る。


 常識の範疇で考えれば明らかに刃が負けるであろうに、刃はこともなげに弾丸を逸らした。

 体勢を崩した秋風へとさらに立て続けに発砲するも、それをも秋風は完全に切り伏せてしまう。

 彼の琥珀の両目が赤く輝いているのが、その能力が発動されていることを示していた。

 いま彼が行っているのは『重力操作』に『神経加速』。どちらも過去に写し取った異能の力だ。

 これにより秋風は今、空中で圧倒的な戦闘を見せている。

 実のところ、彼は弾丸を切ってなどいない。

 ただ、向かって来る弾丸に剣先で触れて、弾丸の軌道をずらしているだけだ。

『神経加速』という力によってこそ、なせる技である。


 さらに。

 フッ、と、空中にいたはずの秋風の姿が掻き消えた。 

 その途端に、ホロンが叫んだ。

「メローネ、お前は哀歌さまを追え! ここは私が!」

「……!」

 何も言わずに、メローネの姿が消えると、それと同時に、そこに秋風が現れる。


「ちゃっちゃと片付けないとね」

 相変わらずの薄笑いで秋風がそう言う。

 再び雑踏に、轟音が鳴り響いた。



神経加速とは、文字通り神経を加速させることによって、自身の『知覚』を限界まで速くすることなのだ。

重力操作は、その通り。説明の必要もあまり感じない。


どちらもまたいずれ。

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