表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

沢木先生お題シリーズ

スチャラカOLの住処(お題小説)

作者: りったん

沢木先生のお題に基づくお話です。


「通販マニア」をお借りしました。

 大手商社のOLの香は、同僚のスチャラカOLの律子と買い物に出かけた。


 あちこち歩いて疲れたので、香はそこから近いという律子のアパートに行った。


(そう言えば、律子のアパートって初めてかも)


「上がって」


 律子はドアを開きながら香に言った。


「お邪魔します」


 香は、


(会社の机が滅茶苦茶の律子だから、アパートはゴミ屋敷かな?)


 不安に思いながら入ると、嘘のように片付いている。


 キッチンのシンクはピカピカ、洗った食器は全て奇麗に籠に並べられている。


 フローリングの床の上のこたつの上も取り立てて散らかっておらず、コーヒーメーカーがあるだけ。


 カラーボックスに並べられた本はどれも順番になっており、普段のガサツな律子からは想像ができない。


「どうしたの?」


 あまりのギャップに香が呆然としていたので、律子が声をかけた。


「あ、ごめん、ちょっとびっくりした。もっと散らかっていると思っていたから」


 香はバツが悪そうに言った。すると律子は腕組みして、


「そうなんだよね。ここまでしなくてもいいのにって思うんだけどさ」


と妙な事を言い出す。


「どういう事?」


 香は意味がわからず、尋ねた。


「藤崎君がさ、片づけ魔なの。ちょっと散らかっていると、すぐに掃除したり、整頓したりで」


 律子はニヤけて言ったので、香は不愉快になった。


惚気のろけか!)


 ギャップのない律子に少しホッとした香は、


「あれ、このクローゼットの扉、歪んでない?」


と近づいた。


「ああ、ダメ、香、触っちゃ!」


 律子が言った時は、もう遅かった。香が軽く扉に触れた瞬間、惨劇は起こった。


 轟音と共に扉が開き、クローゼットの中から次々に飛び出して来る不可思議な物体。


「何、これ?」


 奇麗に片付いていた部屋は、たちまちそれらの物体で半分ほど埋め尽くされてしまった。


「私、通販が大好きでしてね……」


 律子は頭を掻きながら苦笑いした。


 よく見ると、それはありとあらゆるダイエットグッズだった。


 食品系、運動系のグッズが幾つあるのかわからないほどだ。


 しかも、どれもこれも途中で投げ出したのがありありとわかるほどほこりまみれている。


(こいつ、絶対ダイエット成功しないな)


 香は思った。

どうもお粗末様でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ありがちですね。 ダイエット系のグッズはもちろん、通販はすごく充実してますしね。 いかにもスチャラカOLの律子が手を出しそうです。 面白かったです。 ありがとうございました。
2012/01/08 15:41 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ