第9話 演習開始
「さて、君たちは疑問に思っているだろう。僕が担任になったという事実に。」
校庭に集められた僕たちに対して、先生は問いかける。
「というわけで演習といこうか。私と戦いたいという人はいるかい?」
クラスメイトの中で少しざわつく。
先生と戦いたいかではなく、出しゃばってクラスメイトに嫌な印象を与えたくない。
というのが生徒心だ。
「私がやります。」
ジーナが手を挙げる。
勝つにしろ負けるにしろ、彼女なら誰しも納得できる。
本来嫌な役回りなはずだが、立派に王族をやっているようだ。
「ありがとう、ジーナ・ソラリス。では前へ」
「よろしくお願いします。」
少し緊張しているのか、ジーナは一歩遅れて前に出る。
ジーナは目をつぶり、集中している様子だった。魔法戦のセオリー通りだ。
相対するユーリ先生は……。
飛び跳ねたり逆立ちしたり、腕をグルグル回したりして、せわしなく動いている。
魔力を練る気配は、まるでなかった。
「何をしているんだあの人は…」
ひとしきり動いて満足したのか、ユーリ先生は止まった。
ジーナの方も集中が高まり切った様子だった。
「それじゃ準備はいいかい?」
「はい。よろしくお願いします。」
「んじゃあ……。リオくんだっけ?開始の合図をお願い。」
「んな!あ、はい。」
突然呼ばれて驚いて、変な声が出てしまう。
こらそこ、クスクス笑わない。
「ごほん。それでは……始め!!!」




