第71話 悔恨
コッコッコッ、
扉をノックする音が部屋に響き、再び目を覚ます。
誰だろうか。
「はーい。」
重い体を起こし、
扉を開ける。
するとそこには、
ジーナが立っていたが、
ジーナはこちらを見ると、
目を見開き、少し後ずさった。
…何だ?
嫌われるようなことは…
してたな。そういえば。
お土産の件から、
少し話をしづらくなっていた。
今更何だろうか。
「…昨日どこに行ってたの?」
ジーナは意を決したように話を始めた。
「ああ、訓練用に広場に行ったんだけど、
変な奴に絡まれてな。そいつと食事を…。」
「食事…だけ?」
…食事だけなら朝帰りにはならないな。
真っ当な疑問だ。
「だけ…じゃないみたいだな。」
「なんでそんな他人行儀なのよ…。」
なんていえば良いか。
いや、隠すのは無理なようだ。
「酒を飲んで酔いつぶれて、道で寝てました。」
とりあえず口に出してみたが、
我ながら最悪だな。
「…明日、ソラリス国を代表して親善試合なんだけど。」
ジーナは驚くことなく、
事実を突きつけてきた。
僕の様子から予想はついていたようだ。
酒の匂いでもしていたのだろう。
「ああ、思慮不足だった。」
「…なんで?」
ジーナの疑問は、
僕の言葉に対してではないような。
そんな気がした。
ジーナは悲しそうな顔をしていた。
「これに関しては謝ることしかできない。ごめん。」
きっと、前までなら酒に飲まれることも無かったのだろう。
初めての異国。
ジーナとの確執。
エーテル・コロッセオでの死。
そして魔法使いとしての衰退。
あの状況なら、仕方なかった。
そう言い訳することもできた。
だが――それは違う。
理由はいくらでも挙げられる。
だが、一貫して言えることがあるとすると。
結局――僕が弱かっただけだ。




