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世界は魔力でできている  作者: 真瀬 万知久
第一章 入学編

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第59話 視察

歩いていると、見たこともない大きな建物が見えた。


近づくにつれて、

徐々に聞こえて来る歓声が耳に届いた。


目的地であるエーテル・コロッセオのようだ。


「相変わらずここの熱気はすごいですね。」


ニールスさんが呟く。


「とりあえず、午後の部から一試合見ておこうか。雰囲気くらいはわかるだろう。」


そう言いながら、先生はチケットを配る。


「凄い、よく取れましたね。さすがユーリさん。」


「校長に取らせておいた。でもニールスの分は無いよ。」


「なんでですか!」


「だって高いし、じゃあ行くよ。」


「あ、はい。」


そう言ってニールスさんを置いて、ユーリ先生の後を追う。


中に入ると、先ほどまでの歓声が嘘のように静まり返っていた。

試合が終わり、休憩時間のようだ。


会場に近づくにつれて、

血の匂いが漂い、

殺意に満ちた魔力の残滓が肌で感じられ、不快感で胸がいっぱいになる。


観客席に着き、会場を見る。


先ほどまで不快感を覚えていたはずなのに、

それすらどうでもよくなるほどの、異様な光景が目に飛び込んできた。


コロッセオ、その中央で、

魔物が咀嚼を繰り返していた。


その口元から、腕と思わしきものが覗いていた…。


「あー、完敗試合だったのか…。勿体無い。」


「…えっと、すみません。その完敗試合っていうのは?」


衝撃的な光景を前に

やっとのことで言葉を絞り出した。


「選手にも色々いるんだけど、強制的に出場させられる奴もいてね、主に犯罪者だけど、

重症を負うと治療が面倒だしね。魔物に食べさせた方が、手間もかからない。

全く、検体にでも出してくれたら、色々調べられるってのに…。」


…もはや何もいうことができず、立ち尽くしていた。


「志願した選手は無いから安心して、何かあったら僕が助けるし。」


そう言ってユーリ先生は座席を探す。

何が安心なんだ。


そう思いながらジーナの方を見ると、

顔を逸らし、肩を震わせていた。


周りを見渡すと、次の試合を誰に賭けるかで盛り上がっていた。

あくまでここでは日常のようだ。


文化の違いというにはあまりにも重く、凄惨な光景だった。

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