第47話 冒険者
「そういえば、ユーリ様。人数は4名とお伺いしていたのですが…。」
「あいつまだ来てないのか、少し面倒だな。」
――ドタドタドタドタ
後ろから足音が響いている。
振り返ると、大荷物を持った男が近づいてくる。
真っ直ぐこちらに近づいてくるので、身構えると、
その男は僕らを素通りしてユーリ先生に声を掛ける。
「お久しぶりです!ユーリさん!」
「おう、ニールス。久しぶり。」
「いやあ、ユーリさんと探検なんて久しぶりですね!
最高です!あの時のワクワクはいつも夢に見てますよ!」
「今回は冒険じゃないって言ったろ?」
「そんなの関係ないです!いやぁ、楽しみだなぁ!」
何やらユーリ先生と知りあいのようだが、
だいぶ興奮した様子だった。
「ユーリ先生、その人は?」
「一応国外だし、面倒な連中もいるからね。手伝ってもらおうと思って。」
「冒険者のニールスです!よろしく!」
冒険者。
魔物退治から護衛警護、はたまた農作業の手伝いまで、
要するに何でも屋だ。
「リオです。」
「ジーナです。よろしくお願いします。」
「はい、よろしく!皆若いな!いいね!」
ニールスと名乗った人物が僕らを見て大声で話しかけてくる。
魔法学校では見ないタイプの人間に面食らってしまった。
…トーラスも成長したらこんな感じなのだろうか。
「今回は彼に護衛兼案内兼荷物運びとして手伝ってもらう。」
「ユーリさんに護衛が必要とは思えませんが、任された以上。お手伝いさせていただきます!」
挨拶もそこそこにしていると、
馬車の主人が声を掛ける。
「では皆さんお揃いの様なので、出発の準備をお願いします。」
「はい、じゃあ行こうか。」
先に荷物を持ってユーリ先生が歩き出す。
そのすぐ後ろをニールスが追従する。
ニールスの大荷物の隙間から、剣の柄が覗いていた。
一目見ただけで使い込まれたとわかるほどの様相だった。
長年、魔物と戦い続けている人のようだ。
「明るそうな人で良かったな。」
「ええ、そうね。これで少しは話が出来そう。」
…ジーナはまだ諦めていなかったようだ…。




