第40話 魔力操作
「ラッセル…ラッセル…。この辺かな……」
ジルさんに教えて頂いた場所の一角へ差し掛かる。
「お、あった。」
目的の文献を手に取る。
『魔力の通り道 初版』ラッセル・フェルム著
偶然にも同じ苗字の作者とは、なんだか鼻が高い。
意気揚々と本を開くと、そこには様々な実験と仮説が書いてあった。
目次を頼りに、魔力操作向上の実験について載っていそうなページを開く。
「…魔力は視覚に頼りすぎている為、瞑想などの目を閉じて行う訓練の有効性を認める…か。」
まあ、確かに魔法を使うときは見ている状態で使うよな。
目を閉じていると魔力が発散しやすくなることは、
魔法使いの間では常識だった。
その状態で魔力を操作出来たら、確かに能力としては上達しそうだ。
この辺を試してみるか。
少なくとも、今より悪くなることはないはずだ。
と、本を閉じかけたとき、とある項目が目に入る。
・魔力出力の向上について
魔力低下を実感していたところだったので、
こちらについても調べておこう。
ページを開く。
「通説として、魔力は肉体の余剰エネルギーで構成されている。つまり、肉体が細く小さいほど魔力の出力は上がる。」
この辺りは、よく知られた話だ。
「だが、身を削り、体を細く小さく変化させた結果、魔力が上がったという効果は認められない…。」
……見なければ良かった…。
鍛えれば魔力は下がる。
そして、この実験によると、一度削れたものは、鍛えるのをやめたところで元には戻らない。
その事実を、淡々と、しかし非常に丁寧に突き付けてくる。
肩の力が抜けていくのが実感できた。
「なんだかなぁ…。」




