第30話 研鑽
「さて、どうする?」
先生の問いに答えることなく、
再度〈コウキュウ〉を放ちながら距離を詰める。
「同じことをしても、同じ結果じゃないかな?」
「そういうのは終わった後に決めてください。」
そして先ほど同様、範囲を広げて自爆をする。
先生は回避のために飛び上がる。
先生の魔力抗体が少ないなら、
当たらずとも、この自爆は煩わしく感じるはず。
先ほど放ち終えた〈コウキュウ〉の中に、罠を仕掛けておいた。
後に着弾した〈コウキュウ〉と、反発するように。
自爆の光で視野を塞ぎ、反射させた〈コウキュウ〉が先生の後ろから襲う。
空中なら回避不可。
勝った。
そう思った刹那、
視界が反転する。
「惜しいね。もう少し僕の特性を読み切るべきだったかな。」
どうやら何かされたらしいが、
これ以上は意識を保っていられなかった……………。
気がつくと、上を向いて寝転んでいた。
「惜しかったわね。」
ジーナがこちらに顔を覗かせる。
「どうなっ、痛っ。」
「あんまり動かないで。諸に食らったんだから。」
自分の状態を見るに、
どうやら負けたらしい。
「先生は?」
「どっか行っちゃったわ。」
「そうか、高い壁だったな。ていうか、ジーナも戦ったのか?」
よく見るとジーナの魔力が小さくなっていた。
「ええ、高出力広範囲で倒そうとしたら、魔法が弱すぎて普通に受けられたわ。」
まあ、それが出来たら最初から苦労しない。ってやつだな。
「先生はなんか言ってたか?」
「魔力抗体が少ないと見破ったのはいいけど、魔力探知の精度は逆に上がることを見落としていたってさ。」
なるほど、魔力量が少ないからこそ上がる能力があるとは、
その上で罠も全部見破られていた。
…完敗だ。
「てか、ずるくないか?初手から特殊個体と演習なんて。」
「ユーリ先生もあんまり良くなかったって反省してたわ。次回は別のにするって。」
……勝ち逃げされた気分で釈然としなかったが、
必要な演習だった。そう言える気がする。




