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世界は魔力でできている  作者: 真瀬 万知久
第一章 入学編

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第3話 始まりの部屋

「こちらが部屋になります。」


受付で入校を済ませ、寮内を案内される。


「では荷支度を済ませて頂いたら、15時に第三教室へお願いします。」


「あ、はい。ご丁寧にどうも。」


香水の匂いをさせたお姉さんが立ち去る。

荷物を脇に置き、ベッドに寝転がる。


「とうとう来てしまったか。」

部屋の中で1人、そんな小言をぼやいてしまう。


特権の為だとそれっぽいことは言っていたものの、この学校にはそれなりに憧れていた。

何を学ぶにしろ、情報の多くはこういう所に集まるものだ。



静寂の中、目をつぶり、少し思考を巡らせる。


情報が集まると言っても、手当たり次第に掴めば、かえって見失う。


先輩の知恵を借りたい所だが、僕が入った学科は新設された学科のため、そもそも先輩がいない。


さらに言えば、今期の入学者の振る舞い次第で、

学科そのものの認知や立場が軽々に決まってしまうだろう。

貴族や王族への立ち振る舞いも不明。


そして僕の場合、自分より優れた人間に会ったことが無く、

気づけば、人に何かを教わった記憶がほとんどない。


どんな顔をすれば良いのだろうか。気に入られなければ、何も教えてもらえないかもしれない。


「……こりゃまいったな。」


うだうだ考えていても仕方がない。

悪循環に入る前に体を起こす。


荷を解き、整理をする。

孤児院では自分のものが他のものと混ざりやすいため、一般的な家庭より大袈裟に整える。


「それでもトーラスは適当だったなぁ。」


どうしても彼らの顔が浮かんでしまうのが嬉しくもあるが、

その世界しか知らない自分に対して悲しくもなる。


僕はまだ、何も知らない。

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