第22話 意識
装置が止まった、先生が決めた30分を過ぎたみたいだ。
周りを見渡すと、死にそうになっているクラスメイトの数々。
体を鍛えた事がないような人が揃っているため、
皆魔力に身体を焼かれ、意気消沈といった具合だ。
それは僕も例外ではないが、
「ハァ…ハァ…。とりあえず…。生きてるな…。」
人生で初めてと言っていいほど、
動悸が激しく、早鐘を打つ心臓。
身も、心も、
驚きを隠せないといった感じだ。
「ハァ…。……生きているな、俺。」
生きている。
当たり前なのだが、そう強く実感していた。
自分が生きているかどうかを確認したことなどなかったが、
今、初めて自分が生きていると分かった気がした。
「何というか、今まで一歩引いて見ていたのかもな。」
自己分析もほどほどに、重い身体を起こした。
「周りのやつは…、一応無事か。ジーナは大丈夫かな。」
力を出し切った重い足を引きずりながら医務室へ向かう。
今までより少し景色に色が付いているような。
そんな気がした。
「やりすぎです。ユーリ先生。」
「すみません。」
医務室でユーリ先生は医者から説教を受けていた。
「大体魔法使いは体を鍛えた事がない人が多いんです。体が損傷そのものに慣れていない。その状態で急に動かしたら駄目でしょう?」
「すみません。おっしゃる通りです。」
「それに無理矢理走らせる装置なんて作って、何考えてるんですか?」
「いや、そんなに痛いとは。皆は魔力抗体がありますし、ペースメーカーのイメージで。」
「それ、自分以外で試しましたか?」
「…すみません。やってません。」
「というか、他の生徒は無事なんですか?悲鳴のようなものが聞こえていましたが、」
「集中してて…、気が付きませんでした。」
呆れて何も言えないといった具合の医者だった。
「とにかく、それは使っちゃ駄目です。やるにしても、今の状態を確認してから目標をつけなさい。」
「はい、すみません。」
「私に謝るんじゃなくて、生徒に謝ってください。それと他の生徒の確認も、急いで」
そう言って医者はユーリ先生を追い返す。
まだ意識がないジーナを尻目に、校庭に向かう。
途中校長と出会った。
「あのね。流石にやりすぎだよ。」
「すみません。思慮不足でした。」
「君に言ったアドバイスに、もう一つ追加をしなければならなかったようだ。」
校長は少しお冠の様子だった。
「君は特別だ。だから人に話を聞け。」




