表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界は魔力でできている  作者: 真瀬 万知久
第一章 入学編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/63

第20話 理解

ミレーヌ先生は自然学の教師なので、自然学教室にいるだろう。

ということで自然学教室の扉に到着し、ノックをする。


「はーい、どうぞー。」


優しい声で入室を促されたので、扉を開けて入室する。

妙齢の女性、ミレーヌ先生がいた。


「あら、やっぱりあなたたちね。入って入って」


「はい、失礼します。」


部屋に入ると、様々な生物の標本や資料の山がミレーヌ先生と共にお出迎えをしてくれた。


「ごめんなさいね。少し手狭で。」


「いえいえ、それにしても凄いですね。この標本の数。」


「ありがとう。ここは国内一、標本の数があってね。研究生みんなで作成しているの。もちろん量だけじゃなくて、質も一級品よ。」


壁一面に展示されている標本に目を奪われる。

大小様々な魔生物の標本が展示されていた。

一つ一つを見てもまるで生きているように感じる。


この量にもかかわらず、全て丁寧に保管されているのが伝わってきた。


「でも、お連れのお嬢さんはお気に召さない様子だけど。」


言われて振り返ると、肩を震わせているジーナがいた。


「…ゴメン。ワタシ。ココ。ムリ。」


……カタコトで謝りながら外に出ていった。意外に繊細らしい。


「すみません。外でお願い出来ますか?ここの標本は改めて拝見させてください。」


「あら、ありがとう。じゃあ少し外に出ましょう。」


ミレーヌ先生とジーナの元へ向かう。


外に出ると、少し落ち着いた様子のジーナが口を開く。


「すみません。どうしても嫌悪感が拭えなくて。」


「いいのよ。嫌悪感があるってことは、それだけ忠実に再現出来ているってことだもの。むしろ光栄だわ。」


ミレーヌ先生は、研究者冥利に尽きるという具合だった。


「さて、ユーリ先生についてでしたね。教えてあげたい所なんだけど…。」


少し言い淀んでいた、どうしたのだろうか。


「あの後、校長に口止めされてしまって、詳しく言えないの。ごめんなさいね。」


「え。」


校長が…、口止め…。


そういうことを指示するような人には見えなかった。


何というか、少し裏切られた気分だった。


「あのね、誤解されちゃ嫌だから、これだけは伝えさせて。隠したいわけじゃないの。ユーリ先生が話すべきだって。」


…そういうことか、と、少し安堵する。


「まあ、本人がいない状況で話を聞くのは良くない…ですね。」


「理解してくれて嬉しいわ。ユーリ先生のこと。お願いね。」


そう言ってミレーヌ先生はまた、自然学教室に入っていった。


生徒に先生をお願いするとは妙な状況だが、これ以上は何も聞き出せそうにない。


「どうする?ユーリ先生を探すか?」


「…どこにいるかわからないわ。これ以上はまた明日ね。」


そういえばそうだった。

気になることは多いが、そのうち聞き出せるか。


「でも意外と、ユーリ先生は愛されているみたいだな。」


「え?」


ジーナは理解できないといった様子だった。


「学生時代は問題行動を起こした上に、同期全員行方不明。教師になった後でも、他の教師は僕たちの授業という仕事を増やされている。それでも、皆協力している。」


ジーナも言われてみれば、といった表情だ。


「何かあるんだろうけど。少なくとも嫌な感じじゃない。かばっている感じがする。」


「…そうね。焦らなくても、そのうち聞き出せるか。」


ジーナも同じ結論だったようで、

ひとまず僕らの胸の内に納めることにした。


いつか、話してくれるかもしれない未来を信じて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ