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第11話 戦場
「おい大丈夫か、ジーナ。」
先生の強さに呆けてしまっていた。
ジーナに駆け寄る。
「え、ええ。大丈夫よ。」
少し見たが、特に外傷はないようだった。
「……当たったらどうしてたんですか。」
去ろうとする先生に対して、疑問を投げる。
「当たらないさ。そのために鍛えたからね。」
どこか他人行儀なユーリ先生。
「…ふざけないでください。」
どうしようもなく怒りがこみ上げる。
当てる気はなかったようだが、どう見てもやりすぎだ。
「ジーナに対する敬意とかないんですか。」
「敬意は評したつもりだよ。実際素晴らしい魔法だ。上手く行けばたくさん殺せるだろう。」
その言葉に、感情は一切乗っていなかった。
「っ、そんな言い方……」
「そのための力だ。君たちは魔法軍になるために来たんだろう?違うのか?」
当然のことのようにユーリ先生は投げかける。
僕自身を含めてその場にいた全員が言葉を失った。
少しの沈黙の後、ユーリ先生は続ける。
「んー、どうやらまた失敗してしまったらしいな。すまない。みんな。午後まで自習って事で。」
ユーリ先生は背を向け、トボトボと戻っていった。
何となくだが、彼という人間が少し分かった気がした。




