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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

隠れた見世物と裸の血

作者: 沙華やや子
掲載日:2025/08/29

失明したらどんな感じだろうか。

挿絵(By みてみん)


 シングルマザーの夕水(ゆうみ)は、3歳の息子滝生(たきお)を保育所に預けている間、今日こそやるぞ! っと家の周りの草むしりを始めた。スコップや小さな熊手やのこぎりまで持っている。雪柳の選定もしたいので、枝切りばさみも持っては移動した。


「根こそぎ抜いとかなきゃね、また生えちゃうからさ!」

 土を掘りまくる夕水。

 すると……ゾゾゾゾゾ! なにっ、これ。

 山ほどの針が出てきたんだよね。軍手をはめててもちょっぴり刺さったし。針の山は二重にしたレジ袋に捨てた。気味悪いな~と感じつつ、しゃがみこんでは雑草に集中。


 そうして玄関側のけっこうな枯れ木を熊手やシャベルを用い引っこ抜いていると……ニョロ~~~~!

「ぎやああああぁ!」

 黄土色のぶっとい、へ、蛇。青大将だ。この子は毒がないとは言う。……にしてもぉ……ひゃ~。

 ササササーーーーーーっと長~い体をどこかへ隠した。夕水は家の主かなぁと思った。


 庭は四面スッキリと綺麗になった。これでまた季節には雪柳も美しく咲くだろう。


 夕水はおぞましい気分、震えるような恐怖も感じ……夜になりインターネットで調べてみた。

「針の山」「おまじない」……ヤな感じの事ばかり書いてある。具体に「針の山を土に埋めるおまじない」は見つけられなかった。でも、呪い……? そんな気がしてしまった。よい感じは持てなかった。


 3歳の滝生はとっても頭の良い子でおしゃべりも達者だが、無論、夕水は針の事も蛇の話もしない。怖がらせる訳にいかないので。


 滝生がママの絵本読み聞かせに大満足し、グーグーネンネしたあと、どーしても気になり、もう一度パソコンを開く夕水。

 なーんだ! お針供養、こういうのもあるのか~。

「針の山を土に埋める」と検索すると出てきた。

 ホッ……。

 にしても気色わるかった! 勘弁してほしいな~。賃貸でさ。


 それから数カ月したある日曜日、夕水は滝生を連れ小さな公園までお散歩に行った。遊具はぜんぜんなく、あんまり綺麗じゃないおトイレとベンチがあるぐらい。ベンチは綺麗だ。


 そこで酷いものを見てしまった。泣き叫びたい気分だった。

 え……? あれ……何? 土の上の。

 近寄って見た。……。


 猫の死骸に蛆が溢れんばかりに沸いていた、それも何者かに引き裂かれたような痕跡が見て取れた。

 危険を感じ、すぐに息子を連れ帰宅し、警察に電話をした。

 詳しく事情を説明。

 1時間もしないうちに警察から電話があった。

「何にもありませんでしたよ?! 猫の死体等も全くないし」

 カラス……? あんなに腐った死骸を綺麗についばむだろうか? それとも誰かの通報で保健所がやって来たのかな?

 とっても不思議な心地がしたし、夕水は2日間何にも食せなかった。思いのほか滝生はパクパクごはんをフツ-に食べるので安心した。


 役目を終えた針、何故か分からぬがその生を炎天下の元終えていた猫、群がる蛆。元気いっぱいにスススーと土を這う蛇。無邪気な息子。打ちのめされたここのところの夕水。


 おひさまが昇れば、必ず影ができる。

 光があるから、指で狐を作り影絵遊びができる。

 滝生は片親じゃいけないんだろうか。


 否……否。この子もいつか大きくなり否が応でも、人生のダークサイドに触れる。

 だから溢れんばかりの灯りで居続けよう、あたし……。



こんにちは、沙華ややしゃかややこの作品に出会って下さりありがとうございます!

お好きな解釈で作品の中であそんでくださいませ♪


挿し絵は「みてみん」サイト「臣桜さま」によるものです♡


やや子

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